ウェブブラウザのJavaScript(ジャバスクリプト)の設定が無効になっています。Javascriptが無効になっていると、サイト内の一部機能がご利用いただけません。 CONFIDENCE17(完) 【相棒虎薔薇】2015年8月4日 18:05ごう、と風が耳元で鳴っていた。氷で出来たエッジを滑らせカリーナは氷上を疾走する。頭の中でも音が鳴っている。それに合わせ動く体が唄う。唄う歌はモダンジャズの「テイク・ファイブ」Won’t you stop and takeA little time out with meJust take five(少し立ち止まって、私のためにほんの5分だけでいいから・・・)いつものバーで歌っているイントロから歌詞が滑り出す。ベースのリズムとサキソフォンのメロディが足に絡まり彼女を駆り立てる。カリーナが聞いているのは自分が奏でる歌だけでない。ジェイクが揺らす上体のリズム、目の動きを彼女は「聞いて」いた。(ほら、このタイミング・・・)目の前をかすめるビームの攻撃を寸前でターンして回避。シャッと立てたエッジが氷を削り、美しい氷霧をぱあっと煌めきながら広げる。次は右。次は左。右の攻撃は上体を反らしレイバックで避ける。左の攻撃は氷を蹴ってバックステップで退避。もうとっくに感じているはずの疲労を体が忘れている。アドレナリンがもたらす高揚感にのってどこまでも行けそうだった。まだだ。まだ、足りない。最後の決め手を使うまでは。このまま時間を稼げれば・・・頭の中でサビのコーラスがリフレインする。Start a little conversation now It’s alright just take fiveJust take five Just take five・・・(ねえ、たあいのない話から始めましょうほんの5分だけ・・・)そのカリーナをもはや軽口をたたく余裕もないのかジェイクが真剣な顔で追撃する。すでに人気取りだけのアイドルヒーローとして侮る気持ちは消えていた。ここにいるのは持てる力全てを使って立ち向かう不屈の戦士だ。ならば、それにふさわしい扱いをしてやらねばならない。ジェイクはニヤリと笑うと、ビームを放った。目の前でかわされる、だがこれはフェイント。次の狙いは彼女の足元だ。これも下がって回避、しかしわずかに遅れた。強めの力で放ったバリアが氷を砕き、亀裂をいれる。その裂け目に足を取られ、カリーナがバランスを崩す。そこを狙って、再度ビームが走った。なすすべもなく氷塊と共に吹き飛ばされるカリーナ。「きゃあああ!」軽い体がスタジアムの壁まで舞う。容赦なくその頭がそこに叩きつけられるかと思った瞬間、奔る黒い影が割り込んだ。空中にある彼女を抱きかかえ、受け止めるハンチング帽の男。「っ!大丈夫か、ブルーローズ!」その影に支えられたカリーナの耳に声が届いた。ああ、と彼女はあえいだ。この声だ。強く、優しく自分を導く声。心の奥底で何度となく、求め、待ちのぞんだ声だ。涙で潤んだ瞳を向けながら、彼女はその声の主を呼んだ。「タ、タイガー!!」「よくやった、頑張ったな・・・」そう言うと彼はあるものをカリーナの手の中にそっと押し込んだ。カリーナの手を取りながら立ち上がった虎徹にジェイクが驚愕の声を上げた。「ワイルドタイガー!!貴様っ!!」「おっと、セブンマッチのルールは守っている。俺たちはお前に手は出さないぜ。」虎徹の言葉をいぶかしむようにジェイクは眉をしかめる。「俺たち・・・?」ジェイクの声に応えるように上空から降り立つ白い影があった。「彼の言う通りだ!この戦いを見届けるための傍観者、そしてオフサーバーだよ、我々はね。」それに続いてバックヤードから悠然と歩み出す重厚な影も。「見物人がいないんじゃ、寂しいだろうと思ってな。わざわざ来てやったんだから感謝しろよ。」そして、壁から染み出たように忽然と現れた、小柄な影が小首を傾げて言った。「それとも拙者たちがいるとなにか都合が悪い事でも・・・どうした、顔色が悪いでゴザルよ?」かつて自分が倒したはずのスカイハイ、ロックバイソン、折紙サイクロンの登場に絶句するジェイク。そんな彼に虎徹がニッと笑って告げる。「もうネタはバレているんだ、ジェイク。お前はバリアの他に読心能力を持っている。そして、その能力は複数の人間の思考は同時に読み取れない。セブンマッチみたいな一対一の対戦を持ち込んだのもそのためだ・・・そう俺たちは考えたんだが、顔色が変わったところを見ると図星だったようだな。」自分の能力の弱点を指摘されたジェイクが、焦燥と怒りで顔を歪めて叫んだ。「くそったれ!!だがこれで優位になったと思うなよ。シュテルンビルドの支柱をこちらが占拠していることを忘れたか!!直ぐにでも支柱を破壊・・・」ジェイクの怒号が終わらぬうちに、タイミングを計ったかのようにスタジアムのプロジェクターから声が響いてきた。「ボンジュール、市民の皆さん!長らくお待たせしました。HEROTV再開です!では早速、現場からの中継をお送りしましょう!」そこに映し出されたのは、いつものテーマソングをBGMに意気揚々と述べるアニエスの姿だった。続いて画面が切り替わり、スクラップと化したパワードスーツの残骸を背景にした、ファイヤーエンブレム、ドラゴンキッド、バーナビー、三人の姿が放送される。マッドベアにふざけてキスをするファイヤーエンブレム。破壊したパワードスーツにチョコンと腰掛けて手を振るドラゴンキッド。カメラのズームアップに合わせてフェイスオープンし、フッと気障な微笑みを浮かべるバーナビー。「「「スタジオさーん。お返ししまーす。」」」事態の急展開に動揺して呆然とするジェイクだったが、直ぐに怒りで顔の形相を変え、喚いた。「チッ!!こうなったら、そこの女だけでも倒してやる!!」その傍らで虎徹はカリーナにささやいた。「時間稼ぎはこれでいいか?」「十分よ。ありがとう。」虎徹にささやき返すと彼女はジェイクに向き直り言った。「そうよ!アンタの相手はこの私よ!!・・・ねえ、過冷却って知ってる?」艶然とカリーナはジェイクに微笑みかけた。咲き誇る豪奢な大輪の花ように鮮やかな笑顔だった。「くそっ!!」ジェイクはその意図を読み取ろうと能力で探るが、周りにいるヒーロー達の思考が混じり合い、判別がつかない。彼女はそのまま真っ直ぐ右手を伸ばすと「パチン」と指を鳴らす。その途端、ジェイクに向かって降り注いでいた雨が無数の矢に変じて彼を襲った。「うわっ!!」避けようにもその数はあまりも多く、対応出来ない。無論、意志を持たずに降ってくる氷塊を読むことなど不可能だ。咄嗟にジェイクは自分の周囲にバリアを張ってしのぐ。「無駄よ!!」カリーナがもう一度指を鳴らすと、今度はジェイクの服や体に染みついた雨水がピキピキと音を立てて凍りついた。足を昇り、手を這って、首まで。強固なバリアに隔たれているにも関わらず、それはまるで意志を持つかのようにジェイクの体にからみつき動きを封じる。水は0℃で凍るが、ある条件下では氷点下を過ぎても凍らない水が得られる。その状態を過冷却という。そして過冷却状態にある水は何らかの刺激(振動など)を与えられると急速に結晶化する。カリーナはただ逃げているだけではなかった。その間少しずつ、能力でジェイクのいる一体を密かに過冷却状態にしていったのだ。自分が発する音と振動にだけ反応するようにNEXT能力で志向性を持たせながら。この仕掛けを完成させるには相手がその場を動かない事と、能力を高めるために精神集中する時間が必要だった。虎徹たちがこの場に駆け付けたのは、ジェイクの意識を逸らせることとカリーナが集中するための時間稼ぎのためである。文字通りの「テイク・ファイブ」だった。「もうこれで詰んだわ!!大人しく投降しなさい!!」鞭のように決然とした声がカリーナから放たれた。「ハッ!!誰が投降などするか!!これで勝ったと思うなよ!!」体中を氷で拘束されながらもジェイクが野獣のように吼える。もがきながら手の指先にバリアを集中させて氷を砕いた。「バリン」という音と同時にカリーナがリキッドガンを取り出した。「悪あがきを!!」助けられたとき虎徹から渡されたカートリッジを素早く装填。それをジェイクに向ける。「私の氷はちょっぴりCOLD。あなたの悪事を・・・」カリーナが銃を持ち上げ狙い、トリガーを引く・・・ジェイクが指先を揃え、狙い、バリアを発射・・・瞬間、眩いばかりの赤と青の光芒がぶつかり合った。ほんの一瞬、二つの光線は絡み合い、そして青が赤を圧倒、押し潰し呑み込んでいった。「完全HOLD!!」張ったバリアごと氷塊に吹き飛ばされ気絶したジェイクを前に、カリーナが声高らかに勝利宣言を上げた。[newpage]「ジェイク様!!」まさか負けるとは思ってもみなかったジェイクの敗北にクリームは飛び出した。スタジアムに降りて、一目散にジェイクの元に駆け寄る。「いやあ!!離して下さいませ!!ジェイク様あ!!」「大人しくするでござるよ!!」折紙サイクロンが狂乱状態になった彼女を取り押さえ、引き離した。その騒ぎの最中、それまで妨害電波により沈黙を守っていた一台のパワードスーツが再起動した。頭部のスコープが赤く不気味にチカチカ点滅すると、温かみのない合成音が響く。「ジェイク・マルチネスの行動不能確認。これより、処刑プログラムを実行します。排除対象はジェイク・マルチネスとクリーム。」ガトリングガンがようやく意識を取り戻したジェイクに向けられた。「ジェイク!!」虎徹が叫ぶと同時に連射砲が火を噴いた。「おおっ!?」間一髪、その声に反応して張ったジェイクのバリアがからくも砲撃を防ぐ。ジェイクへの攻撃は無効と判断したのか、今度は折紙サイクロンに囚われているクリームに砲口を向けた。轟音と共に無慈悲な銃弾が、なすすべもなく立ちつくす二人に迫る。「クリームっ!!!」「折紙っ!!」「折紙君!!」真っ先に駆け寄ったジェイクがバリアを展開。だが張ったはずのバリアが突然消え失せる。(能力の減退・・くそっ!!こんな時に!!)数発の銃弾をくらい、腹を朱に染めて、どうと倒れる。わずかに遅れて能力を発動させたロックバイソンが前に割り込み銃弾を防ぐ。それと同時にスカイハイが風の刃でパワードスーツの腕を切り落とす。落ちたガトリンガンは数発惰性で弾を吐きだした後、停止した。文字にすれば長いが、これらは全て瞬きするほどの短い時間に起こったことだった。灼熱の痛みを腹で感じながらジェイクは呻いた。「ぐはっ!・・・ごふっ・・・」声を上げようと口を開ければ、そこから溢れてくるのはおびただしい血液だった。(誰が一体、処刑プログラムを・・・パワードスーツの調整とプログラミングをしたのは・・・チャックマン!・・・は、ははっ、あの野郎、死んでからもとんでもない置き土産を残していきやがった・・・)自分の手で葬った刺客の顔を思い出してジェイクは苦笑を浮かべた。すでにその顔色は大量の出血により藍色に変わり、誰の目から見ても死地に向かった人間の顔だった。「いやあああああああっ!!ジェイクさまああああ!!」女の長い絶叫が尾をひいて、響き渡る。人目もはばからず泣きわめき、取り縋るクリームの顔をぼんやりと彼は眺めた。(まさか、女のためにこの俺が命を捨てる破目になるとはなあ・・・ドジな幕切れだ、ざまあねえ。気まぐれで助け、戯れに手を付け、ペットのように嬲り愛人にした女。俺に付いてくる以外の存在意義が持てない愚かな女。俺のために人生を棒に振った哀れな女。それでもたった一人、俺の、・・・・)「クリーム・・・俺は・・・お前を・・・」ジェイクが最後の言葉を告げる前に、彼の意識はフツリと途切れ、暗い虚無が彼を攫っていった。「検死の結果、ジェイクの体は薬の副作用でボロボロ。それまで生きていたのが不思議な位の状態だったそうよ。」虎徹達の病室をカリーナと一緒に、見舞いに訪れたネイサンが、これまでの調査結果を知らせた。あの事件終了後、全てを警察に委ね気が緩んだ四人は無理がたたって次々と倒れ、病院に逆戻り。再び緊急入院する破目になった。重症患者の集団脱走という前代未聞の事態に病院側は頭を抱えたが、厳密な検査と監視付という条件で再びこの不良患者たちを受け入れた。その後に続く担当医および看護婦長の長い説教と、関係企業と司法局への始末書の分厚い束に虎徹達は自分たちが蒔いた種とはいえゲンナリした。唯一の例外はキースで「始末書を書くのは初めてだよ。なかなか出来ない新鮮な経験だね、これは。」と何事にもポジティブだった。現在、虎徹とアントニオ、キースとイワンがそれぞれ相部屋を使っている。逮捕された当初は心神耗弱状態だったクリームも最近では少しずつ供述を始めているらしい。とはいえウロボロス組織内では彼女は単なる連絡係で、知っている情報は乏しく組織の解明には未だ至っていない。ジェイクに渡された薬といい、セブンマッチといい、今回のテロは何やら実験もしくはデモンストレーションを思わせるが、憶測のみで確証は得られなかった。「彼女、街が崩壊したなら、ジェイクと一緒に死ぬつもりだったらしいわ。同情はするけど、馬鹿な選択よねえ。死ぬ覚悟があるなら、NEXTだとか非NEXTだとかにこだわらず二人で生きる道を探せばよかったのに。」ネイサンが彼女に似合わない苦々しい表情で言った。重苦しくなった空気を振り払おうとアントニオが話題を変える。「ところで、虎徹。よく画面で見ただけでブルーローズの狙いが分かったな。あれには驚いたぞ。」「ああ、この技については以前話し合った事がある。それに何度もバーで歌を聴いていたからステップのリズムが「テイク・ファイブ」だと分かった。それでこれが俺に「助けて」と言っているメッセージだと思ったんだ。」「うん、実際はそこまで考えていなかったんだけど、私、無意識にタイガーが来てくれる事を求めてあの曲にしたのかも。だから本当に助けに来てくれた時は嬉しかった。」ジェイクの能力を超えたレベルで分かりあっている二人を見て、アントニオが思ったことを言葉にする。「何か、お前ら夫婦みたいだな。」「「違う!!」」即座に否定する言葉さえ息ピッタリだ。「そりゃ、カリーナはそれなりに可愛くて、バディだしコイツと分かりあって仕事をするのは楽しいけど、それとは違うだろ・・・違うと思いたい。」「そ、そうよ!年の差だってあるし、タイガーは黙って立っていたらたまにカッコイイと思うときもあるけど、そんなのとは全然違うんだから!!」顔全体を赤くし、ムキになってぎゃあぎゃあ喚く二人をスルーしながらネイサンが言った。「ところで、今気が付いたんだけど、アンタ、顔変わってない?目元のシワが以前よりも薄くなっている気がするんだけど・・・」その言葉で少し冷静になったカリーナが虎徹の顔をマジマジと見て同意する。「ホントだ。心もち顎のフェイスラインもスッキリしているような気が・・・」「き、気のせい、気のせいだ・・そうに決まっている・・・なはは。」必死に言い繕う虎徹だが、冷や汗と斜めに泳いでいる目線では隠しようもない。「「あやしい・・・」」女性陣二人組の疑惑に満ちたジト目に黙り込む虎徹。その沈黙にアントニオの快活な声が割り込んだ。「ハハッ、もう髭くらいじゃ誤魔化せなくなってきたな、虎徹。どうする?整形でも受けるか?」「あっ、こら牛!てめえ・・・」「どういう事よ?」ネイサンが器用に片眉だけを上げて訊く。「こいつ能力でケガを治すと新陳代謝が活性化するのか、その都度2、3歳若返るんだ。デビューからこれまでに俺の知る限りじゃ4回ほどやってるから、実年齢より10歳くらい若いことになるのかな。」アントニオの説明を聞くやいなやネイサンが虎徹に詰め寄った。「何、その都合の良いアンチエイジング!!ちょっとソレ!アタシに寄越しなさいよ!」「寄越せるもんならとっくにくれてやるよ!オリエンタル系はただでさえ若く見られるのに・・・うっかり髭なしで盛り場を歩いて30過ぎで補導される情けなさが分かるか!!新しい酒屋じゃ身分証明なしに酒を売ってくれないんだぞ!!」ガウガウと吼える虎徹だが、常時お肌の曲がり角に悩むオカマは怯まなかった。彼の襟首をひっ掴んでガクガクと前後に激しく揺すぶる。「そんなの持ってる者の贅沢な悩みよ!!ムキーッ!!くやしいいい!!」「お、落ち着けって!!首を絞めるな!苦しい・・・おーいブルーローズ、カリーナ!!バディだろ!黙ってないで助けろ!!」情けなくも自分より年下の少女に助けを必死に求める虎徹だが、当の相棒はそれどころではなかった。顔を赤らめたまま、何やらブツブツと呟いている。(タイガーが10歳若い・・うん、それくらいの年の差カップルや夫婦なら普通にいるよね。現にウチがそうだし・・・これはアリかな?でも実年齢はアレだし・・って何で私、真剣に考えてるの!いやあああ恥ずかしいいいいい・・・)退院後、職場に初めて出勤すると、ロバートに告げられたのは驚くべき出来事だった。「復帰おめでとうワイルドタイガー!これから忙しくなるよ。様々なところから君たちコンビに出演依頼が殺到しているからね。僕一人じゃ捌ききれないから新しく事業部に人員を雇ったよ。」ロバートの傍らにいた恰幅のいい黒人が手を上げて挨拶をした。「よう、久しぶりだな。虎徹!」「ベンさん!!」まるで実の父子のように肩を抱き合い再開を喜ぶ虎徹に、ロバートはもう一人の人物を引き合わせた。「それと、これまでいた秘書が育児休暇を取ったので代理の人に勤めてもらうことになったから紹介しよう。彼女の前歴はなかなかユニークだよ。」「初めまして。サマンサ・テイラーと申します。以前は通いの家政婦とベビーシッターをしておりました。よろしくお願いします。」そう言って、眼鏡をかけた上品な老婦人がにこやかに微笑んだ。その一か月後。「さあ!面白くなってきました、今日のHEROTV!先程の工場火災に続いて今度は逃走中の5人組銀行強盗団だ!ファーストアライブを取るのは機動力ナンバーワンKOHスカイハイか!それとも期待の大型新人バーナビー・ブルックスJrか!!」マリオのナレーションが今日も画面から響き渡る。「今度は私がファーストアライブを頂くわ!!お先に!!」相棒にウインクを投げ掛けると、歌姫ブルーローズはバイクを駆り真っ先に躍り出た。青く輝く軌跡がみるみるうちに遠ざかる。「あ、おい!前衛は俺だろ!待てって!!・・・やれやれ、仕方ない。姫君のフォローといくか。」軽くぼやいた守護騎士ワイルドタイガーは片腕を中空にかざした。シュパッという音を立ててワイヤーが発射され、その姿があっという間にビルの屋上に消えていく。半年後、1位と2位のツートップという前人未到の記録を立てることになる、伝説のバディヒーロー「Tiger&Bluerose」は今日も星座の街を駆け巡っている。END