排卵していない人の5つの特徴と改善策

      2017/04/15

生理があるからといって安心できない!

自分は毎月ちゃんと生理があるから大丈夫、と思っていませんか?
それは間違いです!

生理があっても排卵をしていない、ということは十分にあり得ます。排卵をしていなければ妊娠はしません。

排卵をしていない人の生理には、いくつかの特徴があります。
当てはまるものはないか、チェックしてみましょう。

また、その改善策も挙げました。
ぜひ実践し、健康な体を作って良質な卵子の排卵を目指しましょう。

「排卵」とは、卵巣から卵子が排出されることです。

そのメカニズムを見てみましょう。

 

排卵と生理に関するメカニズム

  1. 生理が始まるころ、脳にある視床下部から性腺刺激ホルモンが分泌され、それを受けて脳下垂体から卵胞刺激ホルモン分泌
  2. その刺激のため、卵巣内の原子卵胞のひとつが成熟を始める
  3. 成熟した卵胞は、卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌し、子宮内膜の増殖開始
  4. エストロゲン分泌低下し、替わって脳下垂体から黄体化ホルモン分泌
  5. 排卵
  6. 排卵した卵胞は黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌し、子宮内膜を厚くして着床しやすい状態へ
  7. 着床、つまり妊娠しなかった場合、プロゲステロンの分泌低下
  8. 子宮内膜をはがし生理開始

こうしてみると、体内のホルモンの複雑な働きの作用によっておこることが分かります。

「排卵していない」にも2種類ある

「排卵していない」つまり、無排卵の状態には二つあります。

無排卵の二つのタイプ

  • 生理そのものがない「無月経」
  • 生理はあるが排卵していない「無排卵性周期症」

無月経は、あるべき生理が無い、ということで異常を感じやすいものです。

注意すべきは「無排卵性周期症」です。
こちらは、生理はあるため気が付かずに過ごしてしまいかねません。

長く放置していると、卵巣の機能は低下し、不妊に結びつきます。
そのため、不妊治療に入って初めて発見されることが多くあります。

「無排卵性周期症」の5つの特徴と確かめる方法とは

生理のような出血があるにもかかわらず、排卵をしていない。
その特徴として挙げられるのは、以下のような、いわゆる「生理不順」です。

無排卵の可能性のある生理不順とその特徴

  • 稀発月経・・・・生理周期が29日以上90日未満。無月経につながる場合も
  • 頻発月経・・・・生理周期が24日未満。排卵のない可能性が高い
  • 過短月経・・・・生理期間が2日以内。無月経につながる可能性も
  • 過少月経・・・・出血量が極端に少ない。無月経につながる可能性も
  • 過長月経・・・・生理期間が8日以上。少量の出血がだらだらと続く場合、無排卵の可能性が高いまた、以下のようなデータもあります。

稀発月経、頻発月経の無排卵である確率

  • 月経周期19日以内の場合・・・・約60%
  • 月経周期51日以上の場合・・・・・約30%

生理は、妊娠する準備として増殖した子宮内膜が、妊娠しなかったために必要なくなって剥がれ落ちることで起こります。

子宮内膜の増殖にはエストロゲン、プロゲステロンといったホルモンがかかわっていますが、それらは卵子の成熟や排卵にも大きく関与しています。

そのため、生理不順と無排卵はあいまって起こる可能性が高いのです。

無排卵を確かめる確実な方法 基礎体温の測定

もう一つの特徴として、基礎体温の高温期が見られない、ということも挙げられます。

そのため、生理があっても日ごろから基礎体温を計っておくと排卵の状況を把握することができます。

一般的な基礎体温の推移は以下の通りです。

基礎体温の変化

  • 生理から排卵直前までの約2週間・・低温期
  • 排卵の頃一時的にさらに低温に
  • その後生理直前までの約2週間・・・高温期

低温期と高温期の温度差は、約0.3℃です。
体温の推移を表に表すと、はっきりと2相に分かれ、その境目にガクッと体温の下がる日がある、という状況になります。

基礎体温にこのような変化が現れるのも、ホルモンの作用によるものです。
特にプロゲステロンがかかわっています。

低温期のまま生理がきている、という状態の場合、排卵をしていない可能性は高くなります。

無排卵になる原因は、生活習慣によるものから何らかの病気によるものまで様々あります。

無排卵の主な原因

  • 急激なダイエット
  • 激しい運動
  • 強いストレス
  • 不規則な生活
  • 過度の喫煙や飲酒
  • 血行不良
  • 高プラクチン血症
  • 卵嚢胞性卵巣症候群
  • 脳下垂体の腫瘍

これらで最も大きな原因はストレスです。

ストレスは脳に大きなダメージを与えます。

ストレスは、自律神経に多大な影響を与え、乱れを起こします。
自律神経を司るのは、脳の視床下部です。
視床下部は、ホルモン分泌にもかかわっています。

そのため、ストレスがかかると、ホルモンの分泌が正常に行われなくなるのです。

 

もう一つ注目したいのは、血行不良、いわゆる「冷え」です。

冷えると、卵巣の血行不良に結びつきます。
そのため、栄養をきちんと送り届けることができず、卵子の成熟が順調に進まないなどの弊害を与えます。

まずはストレス解消を

ストレスは、無排卵に限らず体に様々な不調を引き起こします。
人間にとって最大の敵、ともいえるものでしょう。

そもそも、生理が止まってしまう「無月経」の最大の原因は、ストレスであるといわれます。

無排卵は、その無月経に至る前の症状でもあります。
ストレス対策は、最も重視すべきものでしょう。

ストレス緩和の方法

  • 十分な睡眠
  • 入浴
  • 規則正しい食生活
  • 音楽やアロマなど、意識的にリラックス空間を作る
  • 適度な運動

 

ストレスの緩和には、自律神経の内の副交感神経をしっかりと働かせることが重要です。
副交感神経は、睡眠中やゆったりとくつろいでいるときなどに、優位に働いています。

そうしたことから、睡眠時間の確保やゆっくりと入浴することはとても有効です。

また、内臓の働きにも関与しています。
そのため、3食決まった時間に摂るなど規則正しい食生活を心がけ、内臓の動きを正常に保つことも大切です。

運動は、自分のペースを守って行える有酸素運動が良いでしょう。
爽快感を感じられると副交感神経が働きます。
そのため、自分に合わないものや激しいものは控えましょう。

意識して体を温め血行促進

もう一つの対策は、冷えの改善です。

冷えは万病のもとといわれます。
生理不順や生理痛のほか、頭痛、腰痛、内臓の不調、膀胱炎、不眠、免疫力の低下など様々な不調の原因となります。

冷えを改善することは、体調を整えることにもなるのです。

冷え改善の方法

  • 温かいものを摂る
  • 適度な運動
  • 入浴
  • ストレスの解消
  • 寒さを感じない服装

冷えとは、つまり平熱が低いということです。
平熱が36.5度以上になることを目指しましょう。

そのために、体の中から温めることは大切です。
普段の食事や飲み物を意識して温かいものにすることや、入浴時間をたっぷりとって温まることはとても重要です。

また、運動は筋肉をつけることになります。
筋肉を動かすことは基礎代謝を上げ、体温上昇に結びつきます。
女性に冷え性の多いひとつの原因は、男性と比べて筋肉量が少ないことです。

また、寒さを感じないような生活も大切です。
冷房の効いた場所で、寒さを我慢するなどはもってのほか。
一枚多くはおる、ひざ掛けを準備するなど、日ごろから気をつけたいものです。

こうしてみると、ストレス緩和、冷えの解消共に、その方法には重なることの多いのが分かるでしょう。

ストレスは体の緊張状態を招き、血行不良に結びつきます。
冷えも筋肉が縮こまっている状態で、ストレスになります。

二つを共に意識して、改善に取り組むことで、体調が回復し、結果正常な排卵に結びついていくことになります。