目次
- 意外と知らないケロイドの正しい知識
- ケロイドはどうしてできる?基礎知識
- ケロイドのできる原因
- ケロイドの治療法
- ケロイドが悪化する要因
- ケロイドができたと思ったら、まずは専門医に確認を
意外と知らないケロイドの正しい知識
一般的にケロイドとは、怪我をした跡は火傷の跡が盛り上がったり、放射能の後遺症のイメージがあります。ですが、実際には半分正解、半分間違いです。ケロイドには二種類あり、私たちがケロイドだと思っているものは「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」と呼ばれる種類のケロイド。初めて聞く名前の人も多いと思いますが、この後わかりやすくご説明しますのでぜひ最後までお読みください。
ケロイドはどうしてできる?基礎知識
「ケロイド」と聞いてイメージするのは、火傷や怪我の跡がミミズ腫れのように膨れあがっている状態を想像する人がほとんどではないでしょうか?そのイメージは間違ってはいないのですが、そのケロイドは「肥厚性瘢痕」と呼ばれるものです。もう一つは真性ケロイドと呼ばれるものですが、まずは二つの特徴をご紹介します。
真性ケロイドとは
真性ケロイドは、皮膚との境界線がはっきりしていて赤く隆起したような状態のことを言います。一番の特徴は、進行性があるということ。通常のケロイド(肥厚性瘢痕)の場合、傷跡より大きくなることはありません。反対に真性ケロイドの場合、傷跡よりも大きくなっていきます。この増大するスピードには個人差があり、何年もかけて大きくなる場合もあればあっという間に大きくなってしまう場合もあります。触ったり押さえたりしても特に痛みは感じませんが、強くつまむと痛みを感じるのも特徴の一つです。
肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)とは
ケロイドのイメージとして一般的なものが肥厚性瘢痕です。火傷や怪我をした跡が盛り上がり、赤く盛り上がった瘢痕のことを言います。肥厚性瘢痕は傷跡より大きくなることはなく、自然に治癒していくのが特徴です。また、真性ケロイドのような進行性もありません。長い年月をかけ少しずつ治っていきますが、中には盛り上がりや硬さが残ってしまう場合もあります。
傷跡を防ぐためにできるコラーゲン
そもそもケロイドはなぜできるのでしょうか?ケロイドは深い傷や手術のあとにできることが多いですが、それにはしっかりと理由があるのです。人間の皮膚はいくつかの層に分かれており、表面から「角層」「表皮」「真皮」「皮下組織」という順番で形成されています。この三番目の「真皮」の3分の2以上の深さまで傷が達すると、この傷を埋めようとコラーゲンが大量に生産されるのです。この時コラーゲンが生産されすぎてしまうと、傷を埋める以上の量が作られてしまいます。これが塊となり、それを「ケロイド」と呼ぶのです。傷の修復にはコラーゲンが支柱となっていて、コラーゲンが毛細血管を支えることで少しずつ傷口を埋めて治していきます。ですが、現段階ではなぜコラーゲンの過剰生産が起きてしまうのかメカニズムは解明されていません。
ケロイドと肥厚性瘢痕の違い
ケロイドの見分け方
真性ケロイドと肥厚性瘢痕の大きな違いは、進行性です。多くの人は深い傷ができても、自然に良くなっていく場合がほとんどです。この時に傷跡に合わせてぷっくり盛り上がりができてしまったら、それは肥厚性瘢痕です。少し様子を見て広がっているようなことがなければ、年月をかけて少しずつ改善していくでしょう。ですが、肥厚性瘢痕だと思っていたら真性ケロイドだったということもあるのです。進行性と言っても、何年かかけて少しずつ大きくなっていく場合、専門家でも見分けが難しい場合もあります。毎日傷跡を見て過ごしていると、いつの間にか大きくなっていても気付きにくいものです。なかなか治らないと思ったら、経過写真を撮影するなど客観的に患部を見ることができるようにすると良いでしょう。写真を見比べて大きくなっている場合は、すぐに皮膚科や形成外科を受診してください。
ケロイドのデメリット
一度ケロイドになってしまうと完全に治るまではかなりの時間がかかります。真性ケロイドの場合は自然治癒しないので、病院で治療を受けてください。二種類あるケロイドですが、実際になってしまうとどのようなデメリットがあるのでしょうか?
見た目
ケロイドは場所によってかなり目立ちます。傷跡ができるということは、日中その部分を露出していたということ。その部分にケロイドができると、本人はそこまで痛くなくても周りから見たらかなり痛々しい見た目に映ることが多いです。必要以上に心配されることもあり、周りに不快感を与えていないか不安になることもあるでしょう。ケロイドは精神的にもダメージが大きい症状であると言えます。
かゆみなどの不快な症状
時にケロイドは痛みやかゆみなどの不快な症状が現れることがあります。個人差があるので一概には言えませんが、傷が治ってから数ヶ月~数十年後に症状が出ることもあるようです。そういった不快感が続くと日常生活にも影響をもたらし、ストレスになってしまうことも多いのです。ケロイドに痛みやかゆみを生じたら、我慢せずに近くの病院を受診し医師に相談してみましょう。
関節の動きのを妨げる場合も
ケロイドができた部分が関節の場合や、ケロイド自体がかなりの大きさになってくると動きを制限されてしまうことがあります。ケロイドがあるせいで関節が曲げ伸ばしできなくなったり、大きなケロイドの場合は体を伸ばすことさえも困難になります。ケロイドはきちんとした病気ですから、傷跡だから仕方ないと諦めずに皮膚科や形成外科を受診しましょう。
ケロイドのできる原因
原因は傷。ニキビもケロイドになることが
ケロイドができるそもそもの原因は「傷」です。傷ができることでコラーゲンを大量生産しますから、傷がなければケロイドも発生しないということです。怪我や火傷のイメージが強いですが、ニキビやピアス、帝王切開、リスカなども原因になるのです。特にニキビやピアスは小さな傷跡ですからケロイドの症状がわかりにくく、気が付いた時には悪化していたということもあるので注意が必要です。もちろんこの他にも、日常生活をしていて小さな傷ができてしまうこともあるでしょう。些細なきっかけで大きな傷跡が残ってしまう場合もあるので、傷ができたらきちんと治療を行ってください。
ケロイドができやすい部分
真性ケロイドは、軟骨や骨があるところにできやすく、肩や上腕の外側、前胸、顔、背中や恥骨部に多いです。これは本人が気付かないような小さな傷から発症するため、普段あまり目に付かない場所が多いのです。肥厚性瘢痕は、真性ケロイドでできやすい部分以外にも、耳や臀部(お尻の部分)などどこにでもできます。こちらは深い傷があればどこでも症状が出ますので、できやすい部分というのは厳密にはありません。
ケロイドになりやすい傷
真性ケロイドの場合は、どんなに小さな傷でも発症する可能性があります。対して肥厚性瘢痕は、肌の真皮の3分の2以上の深さまで傷が達すると発生しやすい症状です。深い傷や手術のあとなどにできやすいです。
ケロイドのできやすい人
ケロイドのできやすい人は確かに存在し、真性ケロイドの場合は30歳未満に生じやすいと言われています。また体質によっても変わってくると言われ、白人はなりにくく黒人や黄色人種は発生しやすいようです。真性ケロイドは遺伝的要素もあると言われていますが、肥厚性瘢痕には遺伝的要素はないと言われています。ですがまだ確実に「ある」とは解明されておらず、ケロイドは現段階でも謎が多い症状なのです。
ケロイド体質
ケロイド体質の場合、怪我をした時以外のほんの小さな傷でもすべてケロイドが発生します。原因はまだ解明されていませんが、ケロイド体質の人がピアスを開けるとその穴からどんどん皮膚が膨れあがり、やがて大きなできもののようになってしまうのです。一般的には考えられないような些細なきっかけでもケロイドができてしまうのが真性ケロイド体質の特徴です。ニキビやあせもなんかでも発症しますので、ケロイド体質の人は常に気を使って生活をしなければなりません。
ケロイドの治療法
手術をしない場合
ケロイド治療には、手術以外にも内服や注射、ステロイド含有のテープを貼るといった治療法があります。内服で治療する場合は、抗アレルギー剤を使用します。これはケロイドの発生や進行などにアレルギー反応が関与しているためで、症状を和らげる効果があります。ステロイド含有のテープを使用する場合の効果は、ケロイド部分に常時テープを貼り付けていることでかゆみの軽減や盛り上がりの改善などの効果があります。この治療は効果が出始めるまでに約一ヶ月かかり、正常な皮膚に貼付しないように気をつけなければいけないという注意点があります。最後に注射ですが、こちらはある程度厚みのあるケロイドに用いられます。3~4週間毎に通院し、治療していきます。多くの場合が1~2回で痛みやかゆみが軽減しますが、かなりの痛みを伴います。あまりに強い痛みのため、途中で治療を断念してしまう人もいるほど。実際に注射を打ったことがある方の口コミはこちらです。
- かなりの激痛が走ります先程、かかりつけの皮膚科に行ってきまして、ケロイドにステロイド注射を打っていただきました。今回もかなりの激痛で、「痛いっ!」と声に出してしまいましたよ。先生は、まだ(治療を始めて)半年ですからね…と、おっしゃいいましたが、いったいいつになったら、注射が痛くなくなることやら…。でも、ケロイド自体はかなり凹んできまして、ひきつれて痛むことはほとんどなくなりました。ケロイドの治療はかなり時間がかかるため、これでも私は、順調に良くなってきている方みたいです。
やはり注射はかなりの痛みを伴うようです。ケロイドの治療は長期間になる場合も多いですから、毎回激痛に耐えるのは本当に辛いことです。
手術をする場合
ケロイドの手術は、ケロイドができている部分を切り取って内側から縫うというものです。この時正常な皮膚を細かく縫っていくことで再発を予防します。この手術によってケロイド部分は切除されますが、ケロイドの周りも少し切除しなければなりません。その為、元からあった傷よりさらに長い傷跡ができるということになります。この新しい傷から再発しないように、同時に放射線治療を行う場合もあります。患部に数回から数十回に分けて照射することで、傷口の皮膚繊維細胞が増えるのを抑えてくれるのです。この放射線治療は、ケロイドのできはじめには効果が期待できますが、時間が経って古くなったケロイドには効果は期待できません。手術には再発以外にもリスクがあり、後遺症として色素沈着や皮膚障害などが起きる可能性もあります。
ケロイドが悪化する要因
ケロイドの痛みやかゆみなどの症状は、血流が良くなると悪化します。血流を良くするものと言えば、辛いものやアルコールなどが代表的です。ケロイドができてしまった時は、辛いものや飲酒をなるべく避けた方が良いでしょう。入浴や運動も血流を良くすると言われていますが、これがケロイド悪化の原因になるかと言われるとそうでもないようです。入浴をしてもケロイドが改善されたというデータもあり、血流が原因ではないのではという見解もあるようです。また、ケロイドは妊娠中の女性や思春期に悪化するというデータもあり、ホルモンの影響もあると言われています。ですがホルモン療法ではケロイドが改善されなかったようで、どこに原因があるのかまだはっきりとわかっていないのです。
ケロイドができたと思ったら、まずは専門医に確認を
今まで身近な存在のようだったケロイドですが、想像以上に難しい病気だったのです。ケロイドができたと思ったら、安易に自己判断をせず専門医に相談しましょう。真性ケロイドと肥厚性瘢痕の見分けは専門医でも難しいと言われているほどですから、素人が自己判断することは不可能です。悪化して辛い治療を受けることになってしまったら、精神的にも肉体的にもかなりの負担がかかります。深い傷や火傷を負ったらまずは受診を。小さな傷でもいつもと違う症状が現れたらすぐに専門医に診てもらうようにしてください。