何もしないと基礎代謝は落ちる!30代から始める基礎代謝の上げ方
「特別食べ過ぎたりしていないのに体重が増えてしまう」「ダイエットをしてもなかなか体重が落ちない」という人は、基礎代謝が落ちているのかもしれません。
基礎代謝は、放っておくと30代をピークに減少の一途を辿ります。しかし、基礎代謝が上がれば何歳になっても太りにくく痩せやすい体質を手に入れることができたり新陳代謝も活発になって肌や髪が若々しくなったり、免疫力も向上したりとそのメリットは計り知れません。
今日からできる基礎代謝を上げる方法を、一緒に学んでいきましょう。
基礎代謝とは?
基礎代謝の定義
基礎代謝とは、呼吸や体温調節、内臓の活動といった生命を維持するために使われる必要最低限のエネルギーのことで、何もせずただじっとしているだけ、横になっているだけでも消費されるものです。
基礎代謝によるエネルギーの消費量は体の部位ごとに異なり、大人の消費量は以下のようになっています。
部位 | 消費量(%) |
肝臓 | 27 |
脳 | 19 |
筋肉 | 18 |
腎臓 | 10 |
心臓 | 7 |
その他 | 19 |
肝臓がもっともエネルギーを消費している理由
基礎代謝で消費されるエネルギーの多くは、体温を作り出すために使用されています。平常時、体温を作り出しているのは主に筋肉で全体の60〜70%を占めており、肝臓は20%程度です。よく体を動かしている人であれば、80%近くの体温が筋肉で作られていることもあるそうです。
しかし、これは飽くまでも「平常時」のことです。体を休めている「安静時」となると肝臓が56%、筋肉が18%と順位が逆転します。肝臓はなぜそれほど熱を発生させ続けているのか?理由は、肝臓のはたらきにあります。
肝臓のはたらきといえばアルコールなどの毒素の分解が有名ですが、実は「人体の化学工場」と呼ばれるほど様々なはたらきを持っており、大きく分けて「代謝」「貯蔵」「解毒」「分解」「胆汁の生成と分泌」の5つがあります。
肝臓が体温を作り出す仕組み
食事で得た栄養素はそのままでは体の各組織が使用することはできません。小腸から吸収された栄養素は一旦すべて肝臓に集められ、肝臓がそれらの栄養素を分解して貯蔵し、各組織がエネルギーを必要としたときにそれぞれに合う形に再合成して送り出しています。
この再合成が「代謝」であり、このときに発生する熱が体温の維持に使われるのです。
また、栄養素を集めるため、また代謝した栄養素を各組織に送るため、そして「解毒」や「胆汁の分泌と回収」などさまざまなはたらきを行うために、肝臓には毎分1.5L、1日に2,160Lもの大量の血液が流れ込んでいます。代謝による熱が発生している肝臓を通ることでその大量の血液も温められ、全身を巡って体温を維持しているのです。
また、人間が消費するエネルギーには基礎代謝だけではなく、「生活活動代謝」と呼ばれる仕事や家事など生活活動で消費されるものと「食事誘発性熱産生(または食事誘導性熱代謝/DIT)」という食事をするときに消費されるものがあります。それの合計が一日に消費するエネルギーの総量となりますが、そのうちの約60〜70%を基礎代謝が占めており、活動代謝は30〜40%、食事誘発性熱産生は10%程度とされています。
基礎代謝量は性別や年齢、身長や体重、筋肉量などによって異なり、計算方法も様々なのもがありますが、厚生労働省では基礎代謝基準値と基礎体重を使用し、基礎代謝量の目安を算出しています。その計算方法を使用した基礎代謝の平均は以下の通りです。
30代男性の基礎代謝の平均
年齢 | 基礎代謝量 (kcal/日) |
|---|---|
15-17歳 | 1574.1 |
18-29歳 | 1524 |
30-49歳 | 1516.4 |
50-69歳 | 1376 |
30代女性の基礎代謝の平均
年齢 | 基礎代謝量 (kcal/日) |
|---|---|
15-17歳 | 1265 |
18-29歳 | 1180 |
30-49歳 | 1143.59 |
50-69歳 | 1101.24 |
年齢による基礎代謝の低下を加速させてしまったり、若い世代でも基礎代謝が平均以下に落ち込んでしまうこともあるので要注意ですよ!
基礎代謝が落ちる原因
過度なダイエット
手っ取り早く結果を出そうとして食事を抜く・極端に減らすなどの過度なダイエットを行えば、確かに一時的には体重が減るでしょう。しかし、この方法では脂肪よりも先に筋肉が減ってしまうので、基礎代謝が大幅に落ちてしまいます。
さらに、十分な栄養が与えられないことで体が飢餓状態に陥り、食事をしたときに取り入れた栄養素を脂肪として体に貯め込もうとしてしまいます。その結果、代謝はさらに落ちて太りやすく痩せにくい体質になってしまったり、リバウンドもしやすくなってしまいます。
また、ダイエット中に便秘になってしまう方も少なくないと思いますが、便秘になると調のはたらきが悪くなり代謝が落ちるだけでなく、腸内に溜まった老廃物が発酵して毒素が発生します。その毒素が腸壁を通して体に吸収されることで、基礎代謝の27%を占め解毒を担っている肝臓の負担が増えて肝臓が疲弊し、はたらきが鈍ってしまうのです。
筋肉量の低下
最初にご紹介したように、筋肉のエネルギー消費量は基礎代謝の18%を占めています。そのため、筋肉量が減ると基礎代謝も落ちてしまいます。しかし、現代はデスクワークが増えたりエレベーターやエスカレーターの利用が当たり前になるなど、体を動かす機会が減っており、意識していなければ慢性的な運動不足に陥りがちです。
特に、女性はそもそも筋肉量が少なく同年代の男性と比較して基礎代謝量も少ないため、筋肉量の低下には気をつけなければいけません。
体調不良
冷えやストレス、睡眠不足などで体調が整っていないと、基礎代謝も落ちてしまいます。
冷えで基礎代謝が落ちる理由
冷えに悩まされる女性は多いですが、体が冷えるということは血液の循環が悪くなっているということです。内蔵や筋肉など体に必要な栄養素や酸素は血液に乗って運ばれるため、血液の循環が悪くなるとそれだけ体中に送られる栄養素も少なくなり、基礎代謝を低下させてしまいます。
基礎代謝で消費されるエネルギーの多くは体温の維持に使用されていることは既にご説明した通りです。体温が下がるとこのエネルギーも少なくて済むようになって消費エネルギー量もさらに減っていくため、体温が1℃下がると代謝が15%下がると言われています。
睡眠不足で基礎代謝が落ちる理由
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、体の各機能が日中に受けたダメージを修復したり、筋肉を作り出すはたらきを持っています。不規則な生活が続くなどして睡眠が不足していると脳や体が十分に休息できず成長ホルモンの分泌も低下してしまうため、筋肉量の低下や肝臓をはじめとする内蔵の疲労の蓄積を引き起こし、基礎代謝も落ちてしまうのです。
ストレスで基礎代謝が落ちる理由
精神的なストレスや睡眠不足は、自律神経の乱れを引き起こします。自律神経は活動しているときや緊張しているときにはたらく「交感神経」と、リラックスしているときや休息しているときにはたらく「副交感神経」が、シーソーのように交互に切り替わることで健康を保っています。
しかし、自律神経が乱れると、交感神経がはたらいたままになるなど交感神経と副交感神経が上手く切り替わらなくなり、血行が悪化して基礎代謝も落ちてしまうのです。
基礎代謝が落ちる原因
- 極端な食事制限など過度なダイエット
- 運動不足による筋肉量の低下
- 冷えによる体温の低下
- ストレスによる自律神経の乱れ
- 睡眠不足
基礎代謝を上げる方法(生活習慣編)
3食バランスよく食べる
忙しくて朝食は抜きがちという方も少なくないと思いますが、基礎代謝の向上のためには1日3食をきちんと食べることは非常に重要です。
胃や腸は、食事をすることではたらきだします。そして栄養素を吸収するだけでなく、食べ物を消化・吸収するためにエネルギーを消費し、体温や代謝も向上します。これが食後に体が温かくなる仕組みであり、「食事誘発性熱産生」と呼ばれるものです。
食事誘発性熱産生は食事をするたびにあらわれますが、1日の中で朝が最も効果が高く、夜は低くなる傾向があることがわかっています。そのため、一番代謝が活発な朝食こそしっかり摂ることが重要なのです。また、食事誘発性熱産生はよく噛んで食べる方が高まると言われており、柔らかいものではなく硬いものを意識して食べるようにすると良いでしょう。
基礎代謝や肝機能を向上させる食品を積極的に摂る
食事の内容としては、基礎代謝を上げる食べ物や基礎代謝の27%を占める肝臓のはたらきを良くする栄養素を含んだ食品を積極的に取り入れ、体の内側から基礎代謝を上げていくのがおすすめです。具体的には、リジン・アルギニン・アラニン・プロリンなどのアミノ酸、ビタミンB群、ビタミンA、C、E、ヨウ素、良質なたんぱく質、食物繊維が挙げられます。
具体的な食品としては、豚肉やレバー、青魚・鮭・マグロなどの魚介類やわかめ・昆布などの海藻類、しじみ・あさり・ハマグリなどの貝類、豆腐・納豆・きな粉などの大豆製品、牛乳・チーズなどの乳製品、卵や魚卵、緑黄色野菜、果物などがおすすめです。これらをバランス良く1日3食食べるようにしましょう。
規則正しい生活で正常な血行
睡眠不足やストレスで自律神経が乱れていると、血管が萎縮して血行が悪化して基礎代謝も落ちてしまいます。毎日十分な睡眠時間を確保し、決まった時間の寝て決まった時間に起きる規則正しい生活を心掛けるようにしましょう。
筋肉や内蔵が日中に受けたダメージを修復する成長ホルモンは、入眠後の3時間に最も多く分泌されます。中でも、最初の90分間で迎える深い眠りの時に分泌量はピークになるため、この時間をしっかり確保することが基礎代謝を上げるためにも重要になってきます。
しかし、深夜3時頃から睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が低下しはじめ、深い眠りにつきにくくなるとも言われています。そのため、深夜0時には成長ホルモンが活発に分泌されている状態を用意できるように、22時〜翌2時までの4時間はしっかりと眠ることができるようにするのが理想です。
よりスムーズに入眠ができ、快適で質の高い睡眠を得られるように、落ち着いた静かな音楽を小さめに流したり、好きなアロマを用意したり、快適な寝具や寝間着を用意するなど工夫してみましょう。なお、寝る直前に食事をすると、食事誘発性熱産生が高まって体温が上がり、眠りが浅くなってしまいます。せっかく吸収した栄養素も使用されることなく脂肪として蓄積されるのみとなってしまいますので、夕飯はベッドに入る3時間前までに済ませておくようにしましょう。
ストレスの発散方法を見つけることも大切
質の高い睡眠を習慣とすることで日中に受けたストレスもかなり軽減されますが、それだけではなんともならない精神的なストレスは、溜め込まずにこまめに発散させるようにしましょう。好きなアロマを楽しむ、体を動かす、趣味に打ち込む、友達と会って喋るなど、どのようなことでも構いません。自分なりのストレス解消法を見つけておくことが重要です。
体を温め冷えを解消
入浴で体を温める
入浴は体を温める良い方法です。ただ、熱いお湯につかると心臓への負担が大きいので、38〜40℃のぬるめのお湯にゆっくりと浸かるのがおすすめです。長く浸かり過ぎても体に負担が出てきてしまうので、長くても20分程度にしておきましょう。
また、寝る2〜3時間前に入浴しておくと、一度体温が上がったあと徐々に体温が下がり、ベッドに入る頃には入眠しやすい温度になっていますので、質の高い睡眠にも繋がります。
体を外から温める
冷えやすい末端や下腹部は、靴下やストッキング、腹巻きを着用して温めて上げましょう。夏場でもエアコンの効いた屋内で過ごしていると思っている異常に体が冷えてしまいますので、気温が高いからと安心せず夏用の靴下や腹巻きを使用するのがおすすめです。
ただし、逆に寒いからといって靴下を履いたまま寝るのはお勧めできません。睡眠中は脚の裏から汗をかくことで体温調節を行っています。靴下を履くことで熱がこもり、体温調節がうまくできなくなって睡眠の質が低下したり、靴下で締め付けられることで血行が悪化して、温めるどころか冷えを引き起こしてしまう恐れがあるからです。
体を温める食べ物を摂る
唐辛子に含まれるカプサイシンや加熱した生姜に含まれるショウガオール、ネギやにんにく、ニラなどの香味野菜や玉ねぎに含まれる硫化アリル、うなぎやアーモンド、かぼちゃ、さつまいもなどに含まれるビタミンEには体を温める効果があります。積極的に摂り入れるようにしましょう。食事だけでは補いきれない場合は、補助的にサプリメントを利用するのも良いですね。
冷暖房を加減する
夏は冷房、冬は暖房と、現代日本の屋内は年中過ごしやすい室温に保たれています。しかし、冷暖房の使い過ぎは、人間が本来持っている体温調節機能を鈍らせて自律神経の乱れを引き起こしてしまいます。冷房は28℃、暖房は20℃を目安にして、過度に頼り過ぎないようにしましょう。加湿器を使って冷暖房で乾燥した部屋の湿度を上げると、夏も冬も過ごしやすい体感室温を保つことができます。
基礎代謝を上げる方法(運動編)
自宅で簡単エクササイズ
日常生活に自宅で手軽にできるエクササイズを取り入れることで、特別な場所や道具、時間がなくても基礎代謝を上げることができます。踏み台昇降運動や階段の上り下り、腕立て伏せなどがおすすめです。
筋肉と食事誘発性熱産生には相互関係があるため、食事の前にエクササイズを行って筋肉を畳めておくと食事誘発性熱産生が高まって、より効率的にエネルギーを消費できます。
外で気持ちよく有酸素運動
ウォーキングやサイクリング、スクワットなどの有酸素運動は、多くの酸素を取り込むことで糖質や脂質を燃焼させることができ、基礎代謝を向上させることができます。激しく息が切れるほどハードに行う必要はなく、会話をしながら行える程度の負荷を心掛けましょう。
空腹で血糖値が下がっている食前にこういった運動を行っておくと、アドレナリンが分泌されて肝臓に蓄えられていた糖が血液に乗って筋肉に届けられるため、肝臓に蓄えられている糖の量を減らすと同時に、食事による血糖値の急上昇を防止しすることができ、糖の代謝も向上すると言われています。
筋肉量増やす筋トレ
筋肉も基礎代謝の中で大きな割合を占めていますので、筋肉量を増やすことは基礎代謝を上げるためにも重要なポイントです。
胸やお腹、背中、お尻、太もも、ふくらはぎといった大きな筋肉は、筋肉量を増やしやすく、より効率的に基礎代謝を上げることができます。特に、下半身には全身の筋肉の70%が集まっていると言われており、心臓から遠く筋肉が血液を心臓に戻すためのポンプの役割も持っているため、重点的に鍛えておきたい部位です。
以下のような筋トレを、正しいフォームを意識しながらゆっくりと行いましょう。勢いをつけて数をこなすより、ずっと効果があります。
おすすめの筋トレ1:プリエスクワット
太ももやお尻に効果的な筋トレです。
- 脚を肩幅より広く開いて立ち、つま先を45度外側に向ける
- ももが床と平行になるまで息を吸いながらゆっくりと腰を落とす
- 息を吐きながらゆっくりと最初の姿勢に戻る
太ももの内側を意識しながら腰を落とし、お尻を意識しながら立ち上がるとより効果的です。膝はつま先と同じ方向に向け、つま先よりも前にでないように、そして背中が丸まってしまったり、お尻を突き出してしまわないように注意してください。はじめは10回×3セットからはじめ、慣れてきたら徐々に回数を増やしていきましょう。
おすすめの筋トレ2:フロントランジ
- 背筋を伸ばして、脚は肩幅に開いて立つ
- 息を吸いながら片足を大きく一歩前に出し、同時に膝が床と垂直になるくらいまで腰をゆっくりと深く落とす
- 息を吐きながら立ち上がり、最初の姿勢に戻る
左右各10回×3セットからはじめ、慣れてきたら回数を増やしたり、ダンベルを持つなどして負荷を上げていきましょう。プリエスクワットと同じく、膝がつま先よりも前にでないように注意してください。
おすすめの筋トレ3:レッグレイズ
腹筋の下半分が鍛えられます。
- 床にマットなどを敷いて、仰向けに寝転がり、手は手のひらを下に向けて体の横で床に付けるか、お尻の下に入れて上半身を支える
- 息を吐きながらゆっくりと足を45〜60度くらいまで上げる
- 息を吸いながらゆっくりと足を降ろす
10回×3セットからはじめ、慣れてきたら回数を増やします。負荷を上げたいときは、足の間にボールやペットボトルを挟みましょう。腰を痛めてしまう恐れがあるため、腰が反ってしまわないように注意してください。
運動をするときの注意点
急に筋トレをはじめると体を痛めてしまう恐れがあるため、ストレッチをするなどしてしっかりと準備運動を行うようにしてください。
また、この記事を読んでいる方は30代またはその前後の方が多いと思いますが、若い頃と比べるとどうしても怪我をしやすくなってしまいますので、無理は禁物です。
基礎代謝を上げて健康的な生活
年齢を重ねても健康的な生活を送るためには、基礎代謝の向上が欠かせません。基礎代謝は規則正しい生活やバランスの取れた食生活、適度な運動などで簡単に上げることができますが、何もしなければどんどん落ちていってしまいます。
基礎代謝が落ちはじめる30代の今こそ始めどきです。今日から基礎代謝を上げる生活を始めましょう。