全身性エリテマトーデス(SLE)の症状と原因
症状 - どんな症状がでるか
潜伏期間と初期症状
発熱、関節痛、赤い発疹、倦怠感、疲れやすさ、食欲不振など全身性の症状が発病初期からみられます。また頬に蝶が羽を広げるように現われる「蝶形紅斑」と呼ばれる発疹が出ることが特徴的です。
進行時の症状
病状が進行すると、皮膚や関節における症状に伴って、腎臓、心臓、肺、消化器などの臓器での炎症がおこり、高血圧などの症状もあらわれます。また痙攣、不安、興奮、時間や場所が認識できなくなるなどの精神神経症状もみられます。
疫学 - かかりやすさ、かかりやすい人
かかる割合(罹患率)
人口10万人あたり、50人程度がかかるといわれています。
※平成23年時
年齢によるリスクの上昇度合
男性に比べて、女性の方が10倍近く多く発症しており、20代~30代での発症率が高いです。男性は年齢による発症率の変化はみられていません。
原因や遺伝の影響 - 病気になる理由
免疫に異常がおこることによって、免疫がからだを攻撃してまう病気です。はっきりとした要因はわかっていませんが、かかりやすい体質というような体質的要因の他に、紫外線、ウイルス感染、怪我、妊娠、外科手術などのさまざまな環境因子が関わることで発症につながると考えられています。
分類 - 病気の種類や段階
内臓の周りの漿膜の炎症、腎や中枢神経の症状、貧血、血小板の減少などの症状の状況に応じて、I郡(軽症型)とII型(重症型)にわけられます。I郡では消化性の潰瘍や乾燥症状が生じやすく、II郡では血行障害による発疹があらわれやすいとされています。
検査 - 病気の特定方法
血液検査 病気の有無
赤血球の沈降速度や白血球の数、自己抗体の有無などを確認することで、病気特有の検査所見がないかどうか確認することがあります。
心電図検査(12誘導心電図) 状態の確認
心臓が活動しているときに流れるわずかな電流を測定することで、心臓の機能が正常に働いているかどうかを調べるための検査です。また、合わせて心音図の確認を行うこともあります。
心臓が全身に血液を循環させるために、その筋肉が拡張と収縮を繰り返すときに、微弱な活動電流が発生させます。心電図検査では、その電流を波形としてあらわすことで異常がないかどうかを確認します。
左右の手足と胸の計10ヶ所に電極をとりつけ、ベッドに横になった状態で検査を行います。検査は数分で行い、特に痛みをともないません。
超音波検査(画像検査) 重症度の確認
超音波をからだに当てることで、臓器や組織にぶつかり、はね返ってくる信号を受信することで、臓器などの様子を画像化する検査です。エコー検査とよばれることもあります。
組織の状態によって反射して戻ってくる信号が変化したものが画像に映しだされるため、腫瘍や炎症の有無などの異常を調べることができます。
場合によっては、食事の制限や排尿しないように注意されることがありますので、事前の説明を聞いておきましょう。
頭部や胸に炎症の有無を確認するために検査を行うことがあります。
尿検査 重症度の確認病気の有無
尿中のたんぱく質や赤血球などを調べることで、腎障害の有無を検査します。
尿中に含まれる成分を調べることにより、腎臓や膀胱、尿路などの臓器の異常を調べることのできる検査です。尿検査では一般的に、色や比重、PH、蛋白、糖、ウロビリノーゲン、潜血、ケトン体、比重、亜硝酸酸塩などの成分を調べます。細長い、スティック状の試薬を染み込ませた尿検査紙を使用して、その色の変化をみることにより、尿の成分に異常がないかどうかをおおまかに調べることができます。早朝以外の、随時採取される中間尿を検査用に使用することが多いです。また、異常がみられた場合、さらに詳しく検査を行うために、尿沈渣の顕微鏡による検査を行うこともあります。
尿を遠心分離機にかけ、沈殿した成分に赤血球や白血球、細菌、そのほか異常な細胞などがみられないかを観察することもあります。
皮膚生検 重症度の確認
局所麻酔をした上で、病変のみられる皮膚の一部を採取し、顕微鏡でその観察を行う検査です。必要に応じて、組織の培養検査や免疫検査を行うこともあります。皮膚の病気は、みためだけでは診断が難しい場合や、皮膚症状が似ていても全く異なる病気でもあるため、より正確な診断を行うために皮膚生検を行います。また、採取した組織を蛍光色に染色すると、免疫グロブリンの沈着が確認されることがあります。
CT検査(画像検査) 他の病気との区別
からだの内部に20分ほどエックス線の照射を行い、からだの内部を輪切りにした断層撮影を行うことで、撮影した画像を元に診断を行う検査です。
必要に応じて造影剤を使用して検査を行う場合もあるため、ヨードアレルギーのある方は、あらかじめ医師に申しでるようにしましょう。
また、磁気を使用しないため、体内にペースメーカーなどの金属が入っている方も検査ができますが、エックス線を使用した検査のため、ごく微量ながらも放射線被爆をともないます。食事制限が必要な場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
他の病気との鑑別に検査を行うこともあります。
MRI検査(核磁気共鳴検査、画像検査) 他の病気との区別
電磁波、磁力を利用してからだの断面図を約20~40分にかけて撮影し、周辺臓器への転移を確認する検査です。からだの内部をさまざまな角度で輪切りにすることにより診断を行います。からだへの負担が比較的少ない検査ですが、ペースメーカーなど体内に金属を埋め込んでいる方、閉所恐怖症の方などには実施できない場合がありますので、前もって確認しておきましょう。
他の病気との鑑別にこの検査を行う場合があります。
エックス線検査(画像検査) 重症度の確認
エックス線を体表に照射してからだの中の臓器や骨などの状態を画像に記録し確認する検査です。一般にレントゲン撮影ともよばれます。ごく微量ながらも放射線被爆をともないますが、からだへの負担が少ないため、広く行われる検査法です。
頭部や胸に炎症が起こっていないかどうかの確認をします。
呼吸機能検査 重症度の確認
スパイロメータという機械を用いて呼吸を繰り返すことにより、肺の大きさや息を吐き出す勢い、酸素を取り込む能力などを調べる検査です。
肺活量や、肺の弾力性や閉塞の有無などを確認できます。
全身性エリテマトーデスになった人の様子や痛みなどの自覚症状は?
予後 - 治療の経過と再発
治療後フォローと再発
よりよい治療法によって、早期での治療が効果的に行えるようにましたが、全身性エリテマトーデスはよくなったり悪くなったりと慢性化のしやすい病気です。
そのため症状のみられない期間をはさみながら数年にわたって再発をくりかえすこともあります。
合併症と転移
薬による免疫低下作用が引きおこす感染症や、ループス腎炎や血栓などの閉塞症の合併への注意と、早期での対応が必要です。
全身性エリテマトーデスを経験した人からのアドバイス
参照元:(難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jp/entry/53(閲覧日:2015年7月6日),慶応義塾大学病院医療・健康情報サイトhttp://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000027.html(閲覧日:2015年7月6日),医薬品医療機器総合機構Pmdahttp://www.pmda.go.jp/(閲覧日:2015年7月6日))
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更新日:2016年12月27日