つながりが生まれる、地域のコミュニティ

「くぼぞの料理教室」主宰 久保園キヌ子さん

インタビュー連載 第2回

今月のサロネーゼは、福岡県北九州市内で35年以上続く「くぼぞの料理教室」を主宰する久保園キヌ子さん。家庭料理を基本とし、日本料理、西洋料理、 中華料理、和洋菓子、茶懐石と幅広く学べるレッスンは、基礎から確実に身につくと評判をよび、多くの方が長年通います。地域のコミュニティの役割も果たす老舗の料理教室で、2015年12月のある日に開催されたレッスンに伺った模様と久保園さんのインタビューを4回にわたりご紹介します。第2回目はレッスンレポート後半です。

掲載日:2016/1/12(火)

久保園キヌ子さん

    実習はみんなで同時進行


    レシピの説明が終わったら、二人一組になって実習のスタートです!
    まずは、久保園さんがお手本をみせていかれます。

    「では玉子を泡立てていきましょう。今日のレシピは、玉子だけの力でふんわりふくらませますからしっかり泡立てますよ。はい、こういう感じで泡立てていきます」

    6名のうち5名男性という10時スタートのこちらのクラス。これまでビジネスの最前線で活躍し、リタイア後は興味があった料理を学び始めたという方が多いそう。

    もしかしてお菓子作りは不慣れでは・・と思いきや、もう数年通っている方も多いとあって、

    「はいはい任せてください!慣れてるから早いですよ~」
    「そういえば去年のレッスンでクリスマスにはブッシュドノエル作ったね」

    と、楽しそうにお話をしながら手際よく作業をしていかれます。
    さらには、手が空いている方が洗い物を積極的にしたりと、とても良いチームワークが生まれています。


    二人一組となり、全員で工程を共有。大切なポイントはしっかり説明があり、理解が深まります


    「皆さん上手ですね!では次に薄力粉を混ぜますよ。混ぜ方が大切なので見ててくださいね。粉を入れたらこうしてすくい上げるように混ぜて下さい。はい、やってみて下さいね。次に○○さんもやってみてください」

    大事なポイントは特にわかりやすく説明する久保園さん。生徒さん全員が等しく身につくように、作業分担にも配慮をしています。


    手間を惜しまず丁寧に


    「こんにちはー!」

    10時半からのクラスの生徒さんがいらっしゃいました。
    こちらも今日はクリスマス用のケーキのレッスンですが、入校の時期が違うので、作るケーキが異なります。

    同じく最初に作り方の詳細な説明を。そして早速実習の開始です。

    その間にアシスタントさんがサポートしながら最初のチームの皆さんの生地作りが終わり、オーブンへ。
    焼いている間に、今日はちらし寿司とお吸い物を作っていきます。

    さきほどから出汁のいいにおいがお教室に広がっていましたが、鰹節もその都度削っているそう。ちらし寿司の具も、れんこん、人参、しいたけ・・と一つ一つ丁寧に下ごしらえされているものを、味付けしていきます。


    第2班の皆さんは違うケーキ作りを。ちらし寿司とお吸い物も丁寧に、手間をかけて作ります


    「ではちらし寿司に飾る卵焼きを作りましょう。もう皆さんできると思いますが、火加減はこれくらいですよ。このへんがかわいて来たらこうしてひっくり返します。こうすると簡単ですし、熱くないですよ。お一人二枚ずつ焼いて下さいね」

    レッスンを拝見していて浮かんでくる言葉は、「丁寧」と「手間」という言葉。
    忙しい現代、時短料理や電子レンジを多用した調理が広がるなか手間が省かれがちですが、ここでは、「きちんと丁寧に」「基本を大切に」「かけるべき手間をかける」お料理が学べます。

    「やはり基本は大事ですから」

    と久保園さん。

    基本を知っていれば、簡単にする応用も正しくできます。

    「手間をかけてちゃんと作るとね、やっぱり美味しいんだよ」

    と生徒さんが深いひとことを。手間は愛情でもあり、必ず味に反映されるものでもありますね。


    35年続くお教室の魅力


    タイマーが鳴って、ケーキの生地が焼きあがりました!アシスタントさんが素早くオーブンから生地を冷ますテーブルへ運びます。そうっと型から外すと、ふんわり焼けていて大成功!皆さんに笑顔が広がります。

    「では冷ましている間に、お食事にしましょう!」

    いつもは学んだお料理の試食ですが、今日のレッスンはケーキ作りで、お正月前ということもあり、特別にちらし寿司とお吸い物を作り、そして皆さんでご試食をするそうです。

    2班合同での試食は、年代も様々な生徒さんですがとってもにぎやかで楽しそう!
    こうしたつながりを生み出すこの場所は、まさに地域のコミュニティと言えそうです。

    わきあいあいの試食タイムが終わったら、お皿の片付けです。男性も積極的に洗い物をし、全員で片付けていかれるのですが、この流れが実にスムーズ。お教室の雰囲気が良いと、洗い物も楽しい共同作業になるようです。


    異なる年代の方々との交流も楽しい料理教室。まさに地域のコミュニティです


    お片づけのあとは、それぞれのケーキの仕上げです。
    難しいチョコレートのコーティングや生クリームを絞って飾るなど、難易度が高い作業も全員で一人一個挑戦していきます。完成したときの嬉しさはひとしおです!

    作業の合間に、お教室の魅力をお聞きしてみました。

    「前から料理を学びたいと思っていましたが、退職後に知人の紹介で通い始めました。もう8年になりますが、楽しくてほとんど休んだことがありません。アットホームな雰囲気がいいですよね。先生のお人柄もいいですし、ここで皆さんに会えるのも毎回楽しみです」

    「身近な食材でバラエティ豊かな、家庭で作りやすい料理を学べるのが魅力です。確実に料理の腕は上達していると思います。送迎車があり通いやすいのもありがたいです」

    「まだ4月から通い始めたところです。特に日本料理を、出汁からきちんと基礎から学びたいと思いネットで探しました。先生が一生懸命教えてくださること、いろいろな年代の方がいらしてお話しできることも魅力です。皆さんに可愛がっていただけて、嬉しいです」

    と、年齢や通う期間が全く異なっていても仲良くなれる雰囲気、基礎からしっかり学べる家庭料理の知識、そしてそんなお教室をもう35年も続けていらした久保園さんのお人柄が大きな魅力のようです。

    料理を軸にしたコミュニティが生まれている、素敵なお教室でした。

    次回は、お教室をはじめたきっかけや軌跡などをうかがったインタビュー前半をお届けします。
    どうぞお楽しみに!

    インタビュー・テキスト=窪田みゆき
    写真=二石光正



    久保園キヌ子さん
    小倉の江上料理学院卒業後、昭和56年にくぼぞの料理教室を開始。
    教室は35周年を越え、家庭料理を基本とするわかりやすい授業が好評で、
    男女、年齢を問わず幅広い生徒さんが通う。
    卒業者は1,080人以上。

    全九州料理学校協会副会長。
    全国料理協会 教員認定委員。

    「くぼぞの料理教室」

    家庭料理を基本とする教室で、授業科目は、日本料理、西洋料理、 中華料理、和洋菓子、茶懐石です。
    入学されますとまず家庭料理の基礎コースを 学びます。
    やさしい初級コースから1年過ぎるごとに少しずづレベルをあげていく教育方法です。
    長く教室へ通って下さる生徒さんはお客様料理(おもてなし)を色々勉強出来ます。
    1学年~31学年の学年がありそれぞれのクラスで勉強し、資格も沢山の生徒さんが取得しています。

    ジャンル:

    家庭料理、日本料理、イタリアン、フレンチ、中華、和菓子、洋菓子

    サロン特長:

     

    所在地:

    福岡県北九州市

    ホームページ、ブログ:

    http://www.kubozono.com/