マーケット情報


食品、化粧品、医薬品などの原材料となるプラセンタ、プロテオグリカンなど
生物由来有用成分・素材の国内市場を調査

-2018年予測(2012年比) プラセンタ 75億円(21.0%増)、プロテオグリカン 5.7億円(2.2倍)-


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋)は、2013年7月から9月にかけて、植物や動物由来の有用成分・素材及び合成の有用成分・素材の国内市場を調査した。その結果を報告書「2013年版 生物由来有用成分・素材市場徹底調査」にまとめた。

この報告書では、サプリメントや機能性食品及び一般用医薬品、医療用医薬品、ビューティーケア関連商品などの原材料として使用される、生物由来を主体とした有用成分・素材市場(動物系15品目、植物系20品目、合成系5品目)について現状を分析し今後を予測した。加えて、消費者が機能性素材や成分をどのように認識しているかなどに関するアンケート調査を実施した。

◆注目市場

1. プラセンタ

2012年
2018年予測
2012年比
プラセンタ
62億円
75億円
121.0%

プラセンタは、哺乳動物の胎盤を指し、ビタミン、ミネラル、核酸、酵素、ムコ多糖体、活性ペプチド、アミノ酸などを含み、細胞の増殖や分化を促進する成長因子を含有している。美容素材としての体感性の高さが口コミで広がることで徐々に市場を拡大し、2012年の市場は62億円となった。価格訴求した商品が多くなっているため、数量ベースと比べて金額ベースの伸びは緩やかになっている。

サプリメント、ゼリー・キャンデーなどの食品、化粧品、医薬部外品、一般用医薬品、医療用医薬品など幅広く採用されている。現状、食品用途が5割以上を占めており、引き続き需要は拡大している。一方、化粧品用途は安定期に入ったとみられる。

2013年に日本健康・栄養食品協会(JHNFA)による規格基準が策定されたことで、品質にシビアなサプリメントや化粧品の大手メーカーによる採用増加も期待され、2018年の市場は75億円が予測される。

2. プロテオグリカン

2012年
2018年予測
2012年比
プロテオグリカン
2.6億円
5.7億円
2.2倍

プロテオグリカンは、従来牛の気管軟骨や豚皮、ニワトリの鶏冠から抽出されてきたが、現在では大量に精製する技術が確立しているサケ鼻軟骨由来が主体である。参入企業による積極的なPR活動により、業界内での素材認知度は急速に高まっている。

サプリメントを主体とした食品と化粧品で採用が一気に進んでいる。サプリメントは、中高年をターゲットとした関節ケア訴求商品、肌のハリや潤いを訴求した商品が中心である。化粧品は化粧水や乳液、美容液、オールインワンタイプのゲルなどに採用されている。

高齢化の進展で底堅いニーズがある関節ケアに対応した素材であり、文部科学省が産学連携の研究プロジェクトとして補助金を継続投入するなど注目されており、2018年の市場は5.7億円が予測される。

3. アスタキサンチン

2012年
2018年予測
2012年比
アスタキサンチン
17億円
19億円
111.8%

アスタキサンチンは、主にサケやイクラなどの魚類、海老や蟹などの甲殻類、藻類などに含まれる褐色のカロテノイドの一種で、抗酸化作用、眼精疲労改善作用、アンチエイジング、美白、メタボリックシンドローム予防作用、抗肥満作用などがある。

2011年に、米国ではメディアの影響によりアスタキサンチンへの注目度が一気に高まり、需要が大幅に増加した。それによる原料不足が影響し、日本国内でも価格が上昇したものの需要は拡大しており、2012年の市場は17億円となった。サプリメントが9割以上を占めているが、食品における採用も拡大している。中でも飲料、特にエナジードリンクに採用されるケースが増加している。

原料供給体制の整備による価格の安定化や大手企業による採用商品の新規投入により、市場は拡大を続けるとみられる。今後は内外美容としてサプリメントを中心に化粧品や食品、また天然色素など用途の広がりも期待され、2018年の市場は19億円が予測される。

◆調査結果の概要

1. 生物由来有用成分・素材40品目の国内市場規模

2012年
2018年予測
2012年比
市場規模
1,462億円
1,556億円
106.4%

生物由来有用成分・素材40品目の国内市場規模は2012年で1,462億円となり、以降も緩やかに市場は拡大し2018年は1,556億円が予測される。

世界的な原料の値上がり、円安による輸入コストの増加など、参入事業者にとっては厳しい状況にある。安価な輸入品の流通量が拡大し、価格競争が激化している成分・素材もみられる。また、近年は新規の大型素材が生まれにくくなっており、今後は複数素材の組み合わせの提案が活発化すると考えられる。

参入事業者は、安価な輸入品をニーズの高い市場へ投入する商社と、成分・素材のエビデンスを蓄積し高品質な商品を長期的に供給するサプライヤー及び特定の素材研究に継続して取り組むメーカーに二極化している。

2. 注目訴求機能 ※今回調査対象とした品目の中から各訴求機能別の市場規模を捉えた。

2013年見込
美容関連(18品目)
631億円
ロコモティブシンドローム対応(6品目)
206億円
生活習慣病予防(7品目)
106億円
疲労回復(7品目)
120億円

美容関連訴求は、若年層から中高年層まで幅広い女性のニーズが潜在し、100億円を超える市場を形成するヒアルロン酸やコラーゲンをはじめ多くの機能性素材・成分が、美肌や美白、エイジングケアを訴求した化粧品やサプリメントなどで採用されている。対象となる18品目の合計市場は631億円が見込まれる。

ロコモティブシンドローム対応訴求は、高齢化社会の進展によって注目度が高まっており、コンドロイチンやグルコサミンなどの6品目で206億円の市場が見込まれる。

中性脂肪値・コレステロール値の改善、血糖値改善、高血圧予防などを訴求する生活習慣病予防訴求は、レシチンやL-カルニチンなどが市場を牽引し、7品目で106億円の市場が見込まれる。

疲労回復訴求は大きく肉体疲労と眼精疲労に分けられ、合計7品目で120億円の市場が見込まれる。肉体疲労回復訴求5品目は76億円の見込で、スポーツ愛好家などの需要開拓で市場は拡大している。眼精疲労回復訴求2品目は44億円の見込みで、パソコン、モバイル機器の普及で更なる拡大が予測される。サプリメントは中高年をターゲットとした素材が多いが、疲労回復訴求ではアクティブな若年層の取り込みも期待できる。

美容関連訴求とロコモティブシンドローム対応訴求を中心に、複数の機能性を有する成分・素材において、新領域の拡大を目的とした機能研究や新たな機能の啓発が進んでいる。今後も訴求機能拡大への取り組みは続くと予想される。

◆調査対象

動物系(15品目) グルコサミン、コンドロイチン、DHA、コラーゲン、プラセンタ、ヒアルロン酸、エラスチン、プロテオグリカン、機能性乳酸菌、ラクトフェリン、プロポリス、ローヤルゼリー、アンセリン・カルノシン(イミダゾールジペプチド)、スクワレン/スクワラン、核酸
植物系(20品目) レスベラトロール、オリーブ抽出物、アスタキサンチン、ルテイン、リコピン、β-クリプトキサンチン、サラシアレティキュラータ、ウコン、納豆菌培養エキス、大豆イソフラボン、レシチン、ホスファチジルセリン、トコトリエノール、松樹皮抽出物、セラミド、フコイダン、フコキサンチン、MSM、ノコギリヤシ、桑葉
合成系(5品目) BCAA、L-オルニチン、L-カルニチン、L-シトルリン、α-リポ酸

 


2014/01/14
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。また、内容は予告なく変更される場合があります。上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。