はじめに:お肌の保湿・血行促進・抗炎症作用で有名なヒルドイドとヘパリン類似物質
乾燥肌や皮脂欠乏症の治療、傷跡(外傷後の腫脹)の治療などで有名な処方薬の「ヒルドイド」。
保湿剤として使われることも多いヒルドイドは、皮膚科で使われるお薬の中でも絶大な知名度と人気を誇りよく使われるお薬のひとつでしょう。
もちろん保湿や角質内の水分を保持して柔らかくする作用以外にも作用があります。
血流量を増やす作用、血液凝固をおさえる作用、組織の癒着をおさえる作用(線維芽細胞増殖抑制作用)、青あざなどに代表される血腫を治す作用があり、ケガのあとのむくみの治療などにも使われます。
また、血流を改善することで肌の新陳代謝を高め、傷跡の治りを良くすることにも使われています。
処方薬であるヒルドイドにはジェネリック医薬品もあり、「ビーソフテン」「エアリート」「セレロイズ」などが同じ成分も後発品として有名です。
ただ、いずれも処方薬なので医療機関で処方してもらい薬局などで入手する必要があります。
「保湿や、手足の荒れ、ひび・あかぎれなどの簡単な治療を市販薬で済ませられないか?」といった質問は時々受けます。
ヒルドイドソフト軟膏は処方薬(医療用医薬品)なので市販はされていませんが、ヒルドイドやビーソフテンと同じ成分「へパリン類似物質」のお薬は市販薬にもあります。
今回は処方薬と同じ成分を持つ市販薬の紹介をしつつ、それでも「こんな時は病院に行こう!」といったエッセンスをご紹介したいと思います。
この記事のポイント
ヘパリンとはヒアルロン酸などと同じ「ムコ多糖類(むこたとうるい)」と呼ばれるグループの物質で、肝臓で生成され私たちの体内に広く存在し、細胞と細胞の間の水分を保つ働きの他にも、血行促進や、血が固まるのを防ぐ働きを持ちます。
お薬の有効成分である「ヘパリン類似物質」は文字通り、私たちの体内にもともとある「ヘパリン」と似た作用を持った天然由来成分です。
体内の成分に似た構造を持っているため安全性が高く、敏感肌やアトピー性皮膚炎でも使われることが多いです。
一般的に市販されている保湿系のクリームには、①肌の油分を補うもの(ワセリンなど)、②肌の細胞間の水分や油分を保ちうるおいを補うもの(セラミドなど)、③保湿し角質を柔らかくするもの(尿素など)、などがありますが、「へパリン類似物質」には「血行を良くし、肌の新陳代謝・再生を促し傷跡などを修復する作用」「肌の潤いを取り戻し外部から保護する保湿作用」「炎症を抑えて肌荒れを正常化する作用」などの特徴があります。
身近な症状だと乾燥肌だけでなく、ひびやあかぎれがあったり荒れてしまった手足の改善や、角質が硬くなりやすいかかと・くるぶし・ひじ・ひざの角化の改善や、冷えて痒くなったしもやけの改善などに効果を発揮してくれます。
ヒルドイドやビーソフテンと同量の有効成分を持つお薬として気になるのは有効成分の量と、価格かと思います。
ここでは市販の「ヘパリン類似物質」を有効成分とするお薬の成分含有量や価格などをチェックしていきたいと思います。
実は市販薬の方が商品数は多く、以下の表のように10種類以上も登場しています。
有効成分の含有量はすべての成分で100g中0.3g(0.3%)で、これは処方薬のヒルドイドなどと同様です。
(※ 商品情報は記事執筆時のもので時期により変動しますのであくまで参考情報としてご留意ください)
クリームタイプ
水分と油分を混ぜたものに有効成分が入っており、皮膚へ浸透しやすく伸びがよく、べたつき過ぎないといった特徴があり、伸ばして広く使いたい部分などに使い易いといった特徴があります。
| 商品名 | サイズ | 価格 | 1グラムあたりの価格 |
|---|---|---|---|
| エプールHPクリーム | 20g | ¥770(楽天) | ¥39 /グラム |
| トフラックスHPクリーム | 20g | ¥1,300 | ¥65 /グラム |
| ノンアフターHPクリーム | 20g | ¥639 | ¥32 /グラム |
| マーカムHPクリーム | 50g | ¥1,080(楽天) | ¥21 /グラム |
ローションタイプ
水溶性分に有効成分が入っており、サラッとした使い心地でべたつかないといった特徴があり、毛の生えている部分などにも使い易いといった特徴があります。
ジェル(ゲル)タイプ
水溶性分に有効成分が入っており、クリームよりもさっぱりとした使い心地になっています。
| 商品名 | サイズ | 価格 | 1グラムあたりの価格 |
|---|---|---|---|
| エルモディアHPゲル | 20g | ¥810(楽天) | ¥41 /グラム |
HPクリーム&ローション、アットノンが特徴的か
1.コスパの良さと製薬メーカーの情報提供の質の高さのHPシリーズ
HPローション、HPクリームに代表されるHPシリーズは「保湿」「抗炎症」「血行促進」を前面にうたっており、「おでこや手足・首などのお肌の乾燥に使える」「ステロイド無配合であかちゃんから使える」ことも打ち出しており、保湿剤としての使用を検討されている方にはちょうどよい商品ではないかと思います。
商品もローションとクリームがそれぞれ提供されており、おでこなどに使うにはローション、手足などにはクリームといった使い分けも可能です。
また数々の有名な医療用医薬品も手がける製薬メーカー、ノバルティスファーマが提供しているHPローション、HPクリームは他のお薬と比較しても価格が安くコストパフォーマンスに優れるだけでなく、情報提供の質が非常に高くなっています。
ノバルティスファーマのHPローション、HPクリームの紹介ページはヘパリン類似物質を知る上でもとてもわかりわかりやすいのでHPローション&クリームの利用ユーザーのみならず一度チェックしてみると良いでしょう。
また、HPシリーズは第2類医薬品としてネットでも販売されており、Amazonなどでも購入可能となっており、お店に行かなくても自宅で注文でき入手し易いというところもよいですね。
2.「傷の治療」という他社とは異なるメッセージの打ち出し方のアットノンシリーズ
ヘパリン類似物質は保湿作用が前面に出されているお薬が多いなか、「傷あと、やけどのあとの治療」「ひじ・ひざの角化症の治療」作用をうたっているのがアットノンです。
有効成分や含有量は他のお薬と同じですが、アットノンはジェルでできているので使用感が異なるという特徴もあります。
価格は他の薬と比べるとやや高めですが傷あとへの使用などを検討されている方はチェックしてみるとよいでしょう。
このアットノンもインターネット上で販売されており、Amazonなどでも購入可能となっています。
保湿効果のほか、傷跡を修復する作用もあるヘパリン類似物質ですが使用法を間違えると症状が悪化してしまう場合があります。
それは出血している部分への使用です。
ヘパリン類似物質には血液が固まるのを防ぐ作用があります。血行促進作用と合わせて傷が治りにくくなってしまうのです。
かゆくて掻きむしって出血してる部分や、ジュクジュクした傷がある部分などには使用しないようにしないでください。
また、保湿などにも使えるということでとても身近なお薬なこともあり医薬品であることを忘れがちな方もでやすかったりします。
ヒルドイドを始めヘパリン類似物質は医薬品ですので、安全性が高めのものだとはいえ副作用もあります。
必ず使用上の注意を読み、用法用量を守って使い、万が一異変や違和感が起きた時は皮膚科などに相談するようにしましょう。