エタラビの業務停止命令について現役エステティシャンが考えること
フランスのエステティシャン国家資格を持ち、約15年間セラピー、スパ、エステサロンなど多方面での活動を行ってきましたミライと申します。都度払いが中心のフランスのエステサロンを含めた様々な経験を踏まえて、日本でも適切なエステを受けてもらいたいと考えています。
さらに、より良いサロン選びのポイントについて解説いたします。
今回の業務停止命令の概要
はじめに、今回エタラビの何が問題になって、どんな命令が出されたのかをまとめます。
問題1: お得な脱毛エステ発見。広告を見て行ってみたら実は…?
今回のエタラビの件では、月額9500円を支払うことで脱毛が受けられるという広告をスマホのサイト上に掲載していたことが問題になっています。しかし、この広告を見て実際にサロンへ行ってみると17万円以上のコースの契約をさせられるという状況が発生。月額9500円というのは17万円を一括で支払った場合の一か月あたりの料金のことだったのです。17万円を一括で払うのは少し厳しい人が多いと思います。
でもよく考えたらおかしいことに気づき途中で解約を行い、返金要求をするも返金されないということが多発しました。いわゆる「虚偽誇大広告(法第43条)」、解約した消費者への返金に関する「債務不履行(法第46条第1号)」に該当する違反がありました。
問題2: お金を払ったらこれでバッチリ。あとは施術を受けるだけ?
高くてもきちんと脱毛が受けられてこれからずっと快適に過ごせるならと期待してお金を払う人は多いはずです。逆に安すぎると心配になるという意見もあるぐらいです。
しかし、今回のエタラビの件では予約が確実に取れると聞いていて、高いお金を払ったにもかかわらず、予約が取れない!という現象が起き、苦情が多く寄せられました。スタッフの人手不足や、脱毛に使用する機材が足らない中で営業が行われていたにも関わらず、スタッフは予約が取れると断言していたのです。
これは「役務の内容に関する不実告知(法第41条第1項第1号)」という、嘘の内容説明があったということに該当しています。
問題3: 契約書類に関する不備
期間が1か月かつ、5万円以上を超えるエステ契約には書面を交付しなければならないというルールがあります(後ほど記述)。今回のエタラビの件ではこの書面に問題がありました。
「概要書面不交付(法第42条第1項)」、「契約書面の記載不備(法第42条第1項)」、単純に言うと契約前の書面を渡しておらず、さらに契約後の書面には重要な点の記載がなかったということです。
消費者庁からの業務停止命令(新規開拓のみの禁止措置)
エタラビで契約後、返金要求をしたのに返金されない、予約を取ろうとしたのに取れない、といった苦情が消費者センターに2012年頃から500件以上も寄せられました。その報告が全国からあり、事態を重く見た消費者庁からエタラビに対して業務停止命令が出されました。
今回の業務停止命令の内容は、新規会員の勧誘や契約を禁ずる措置であるということ、その期間が9か月間であることに注目です。
新規獲得以外の通常の業務は行っている状態であり、気づいた頃にはその期間も終わり、何事もなかったかのように通常業務再開、新規勧誘も行われる可能性があるということです。
ここで本題。より良い脱毛サロン選びのコツとは?
健全な営業を行っているサロンは必ず守っている内容を踏まえて、エステ契約のチェックポイントをお伝えします。
ポイント1 リサーチは正しくしっかりと!
広告や、比較サイト、口コミなど多数ありますが、実際にサロン自体で説明を受け、納得できるまで説明を聞くのが基本です。いくつか気になるサロンがあれば、無料カウンセリングでそれぞれのサロンからよく話を聞いてください。
特に料金に対しては、万が一の返金について、返金可能な期間や方法等、念入りに質問を行い疑問点がなくなるまで聞きましょう。サービスを受ける自分の立場に立って考えてくれているかを対応でしっかりとチェックしてください。
ポイント2 とにかく焦らないこと!
実際にサロンに足を運び相談すると、今日契約したらお安くなります、などと勧誘されることもあります。実際にそのようなキャンペーンを行っていることもありますが、まずは「概要書面(がいようしょめん)」を受け取り、一晩考えるのも大切です。
いくつかのサロンをまわって比較して考えたい、家族と相談してから決めたい、などの断り文句で、良心的なサロンならば理解してくれます。むしろそう話してもその場で無理に契約させようとするならば、そのサロンはやめた方が良いでしょう。
月々の料金、施術回数、有効期限について書面での確認を行いましょう。契約後にはすぐに「契約書面(けいやくしょめん)」がもらえますので、必ずこちらにも目を通しましょう。1か月以上、5万円以上の契約では「特定継続的役務提供契約」に該当するため、概要書面、契約書面の2つの交付が必須となります。
- 契約前には「概要書面(がいようしょめん)」をチェックする。
- 契約後には即時渡される「契約書面(けいやくしょめん)」をチェックする。
ポイント3 脱毛、美容エステの契約の場合、クーリングオフや中途解約は可能!
特定商取引法は、特定継続的役務提供契約を行う時には消費者がクーリングオフ、中途解約を行うことができるというルールを定めています。
- 契約書面をもらった後、8日間は無条件で契約の解除可能
- それ以降は中途解約が可能
中途解約の場合
- 施術前では2万円の違約金や損害賠償金を差し引いた残額の返金
- 施術後には、既に受けたエステ代金+2万円か、残額の10%より低い金額を総支払額から差し引いた残りを受け取ることができます。(それより多い金額の請求は違法)
番外編 脱毛エステ予約についての基礎知識
エタラビの件では予約が取れない、電話でしか予約できなかったことも問題でした。知っておいて欲しいことは、どのサロンでも初回の施術が終了すると毛周期の関係で次回の予約は2-3ヶ月後になるということです。
毛はすべての毛が同じように生えそろっているわけではなく、様々な毛穴から交代で生えてくるのですが、毛根や毛の生え方が不十分ですとレーザーを当てても効果が弱くなってしまいます。そこで、まず今生えているムダ毛に対して施術を行い、次の周期で生えてくるムダ毛に、ということを定期的(2-3ヶ月ごと)に繰り返していきます。
6回の施術でも1年半程かかり、12回ですと3年程かかる計算になります。しかし、これは完全な脱毛を終えるまでのパターンで施術後1-2週間ほどはツルツルの状態を保つことができます。
結婚式などイベントがある人は担当エステティシャンと相談して状態を見てもらい、良いタイミングで予約しましょう。
脱毛は時間もかかります。スケジュール調整は入念に行いましょう。
今回の件についての考え
今回のエタラビの件は、氷山の一角であるということも言われておりますが、事態が明るみになったことで状況が良くなると予測しています。消費者庁が今後目を光らせることになるため、業界全体の意識改革、より良い脱毛エステのサービス提供に繋がることを期待しています。
そして、何よりもこの記事を読んだ皆様が正しいルールを知ることで、確かなサロン選びが行えることを心より願っています!