トップページ >  > 「アクネ菌を殺菌すればニキビは治る!」は間違い

「アクネ菌を殺菌すればニキビは治る!」は間違い

ニキビの原因菌といえばご存じ「アクネ菌」です。


何かと悪者扱いされることが多いアクネ菌ですが、このアクネ菌はニキビのあるなしにかかわらず、誰の肌にも存在する「常在菌」の1つ。


皮脂を分解し、皮膚の酸性度を弱酸性(pH4~6)に保って病原菌の進入や増殖を防ぐ大事な働きをしてくれています。


アクネ菌を含め、皮膚常在菌は200種類以上あるといわれています。さすがに全部は掲載できないので、一部を紹介しておきます。


<代表的な皮膚常在菌>

表皮ブドウ球菌、ミクロコッカス、コリネバクテリウム、プロピオニイ.バクテリウム.アクネス(アクネ菌)、ピチロスポルム、ぺプトコッカス、ぺプトストレプトコッカスなど


ニキビケアにおいては、以下の3種類だけ覚えておけばOKです。


<代表的な皮膚常在菌の役割や働き>


■ 表皮ブドウ球菌【善玉菌】

健康で滑らかな肌は、この菌が常在菌の大部分を占めています。好気性菌であり、皮脂を食べて脂肪酸とグリセリンに分解して皮脂膜の材料を作ってくれています。脂肪酸は肌を弱酸性(pH4~6)に保ち、雑菌や黄色ブドウ球菌などの繁殖を抑えてくれます。


■ アクネ菌【日和見菌】

表皮ブドウ球菌と同じように皮脂をエサにして、肌を守ってくれる脂肪酸と皮脂膜の材料になるグリセリンをせっせとつくってくれています。毛穴詰まりや皮脂の過剰分泌などで毛穴の中で大増殖すると悪玉菌のようにトラブルに原因になります。


■ 黄色ブドウ球菌【悪玉菌】

痒みや炎症を引き起こす原因になる悪玉菌の代表選手です。肌がアルカリ性に傾き、表皮ブドウ球菌が少なくなるなど免疫力が落ちると大増殖します。アクネ菌によって毛穴が炎症して傷ができると、傷口に付着して、より炎症を悪化させて化膿させます。

アクネ菌について

アクネ菌は皮膚に定着しており、皮脂を好み、酸素嫌うため皮膚表面より毛穴の中や毛穴周りにより多く存在します。


皮脂腺や汗腺の中など皮膚の深い部分に定着しているので、洗顔して落としてもまたすぐに奥からでてくるのでなくなるということはありません。


普段のアクネ菌は、免疫によって適切な数に抑えられています。そして皮脂を食べて、グリセリンと脂肪酸に分解し、皮脂膜を作る材料を供給してくれています。肌の保湿にも重要な役割を果たしてくれているんですね。


しかし、アクネ菌は少なすぎず多すぎず適切な数を保てば肌を良好な状態に保つうえで重要な役割を果たしてくれますが、大量に増殖してしまうと炎症を誘発し、ニキビを引き起こす要因になってしまいます。


<アクネ菌の特徴>

・温度、湿度の高い環境を好む
・皮脂が好物で皮脂の多い部分に多い
・酸素が嫌いな嫌気性
・思春期以降に急激に増加する


毛穴詰まりが起きてしまった毛穴の中というのは外気(酸素)に触れることもありませんし、エサになる皮脂がたっぷりあるのでアクネ菌が大増殖するのにうってつけの環境なんですね。

ニキビが悪化していく過程とアクネ菌の関係性

体には細菌が極端に増殖すると、免疫システムが反応として白血球が増えすぎた細菌の繁殖を抑制しようと働くメカニズムがあります。


毛穴の中で増殖したアクネ菌に対してもこのメカニズムが働き、アクネ菌を抑えるために好中球(白血球の一つ)が働いて、強力な殺菌作用のある活性酸素を放出してアクネ菌を攻撃します。


<ニキビが悪化していく過程とアクネ菌の関係性>

1、毛穴詰まりができて白ニキビ(コメド)ができる
2、コメドにアクネ菌がとりつき、増殖する
3、アクネ菌がポルフィリンという有機化合物が発生する
4、白血球がアクネ菌を攻撃する
5、活性酸素を放出されるため毛穴の壁が傷つき炎症がおきる(赤ニキビ)
6、傷口に黄色ブドウ球菌が付着して炎症が激化する
7、白血球の死骸が膿になる(黄ニキビ)


毛穴詰まりができるとそこに溜まった皮脂にアクネ菌が群がり、増殖します。


アクネ菌は皮膚の表面にポルフィリンという代謝物を排出しますが、このポルフィリンが紫外線を浴びると活性酸素を発生させて酸化した皮脂(=過酸化脂質)が肌に刺激を与えます。


それとほぼ時を同じくして増殖しすぎたアクネ菌を攻撃するために白血球も活性酸素を放出するようになります。この2つの活性酸素が炎症のスイッチを入れると考えられているんですね。


つまり、活性酸素が引き金になってアクネ菌がニキビになるということです。


毛穴詰まりができた後はこういう変遷をたどってニキビが発症します。

強い殺菌力でニキビが治すニキビケアでは再発を防げない理由

白ニキビ(コメド)の状態から、炎症をおこした赤ニキビや化膿した黄ニキビへと悪化してしまう過程には「アクネ菌vs白血球」の壮絶な戦いがあります。


ニキビが悪化する過程においてアクネ菌が大きく関わっているため「アクネ菌を殺菌する」ための殺菌成分や抗菌成分を配合しているニキビケア化粧品は多いです。特に化粧品でいうとプロアクティブ+なんかは殺菌を重視していますよね。


アクネ菌を殺菌・抗菌する目的で配合されている成分

● イソプロピルメチルフェノール
● サリチル酸
● ピオニン
● イオウ
● アラントイン
● グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)
● グリチルレチン酸ステアリル


こうした殺菌や抗菌を目的とした成分は、ほぼすべてのニキビケア化粧品に配合されていると思います。


ただし、こうした殺菌や抗菌成分は、抗ガン剤と似たようなもので、特定の菌だけを狙い撃ちできるものではなく、アクネ菌以外の皮膚常在菌までまとめて一緒に殺菌してしまう欠点があります。


皮膚はさまざまな常在菌が相互作用することでバランスを保って維持されているため、アクネ菌を含めて常在菌を殺菌してしまうと、肌の酸性度が崩れてしまうなど、免疫力が落ちてしまいます。


黄色ブドウ球菌などの悪玉菌が増殖しやすい肌環境をつくってしまいますし、空気中や手や爪に付着している雑菌の侵入も防げなくなります。


また、アクネ菌や表皮ブドウ球菌といった皮膚常在菌は皮脂膜の材料になるグリセリンを作ってくれていますから、そうした働きをしている菌まで殺菌してしまえばうるおい成分をつくれなくなるため、肌は当然のように乾燥するようになります。


乾燥した肌は、ターンオーバーが乱れて角層が厚くなり、毛穴詰まりができやすくなってニキビができやすくなりますし、乾燥すると皮脂の分泌が増えるのでアクネ菌が増えて、やっぱりニキビができやすくなります。


乾燥は大人ニキビにとって大敵なんですね。


そのため強い殺菌力でアクネ菌を殺菌して、一時的にニキビが落ち着いたようにみえても、肌環境は悪化してしまっているので、すぐにまたニキビが再発してしまうケースが非常に多いです。


そのためニキビケアでは、毛穴詰まりができないようにスキンケアをするというのがまず第一で、洗顔はもちろんのこと、アクネ菌が嫌う水分量の多い肌環境つくることが大切です。


さらにプラスアルファのお手入れとして、アクネ菌の好物である皮脂を抑制し、なおかつニキビが悪化しないように抗酸化作用を発揮するビタミンCで集中ケアできれば安心です。


大人ニキビお役立ちコンテンツ