【体臭対策】日本人と外国人のワキガや体臭についての考え方の違い
「臭いものには蓋をする」
この言葉は「江戸いろはかるた」の一つで、根本的な解決をはからずに、一時しのぎの手段で他人に知られないようにするという意味です。
悪事を隠すという意味ですが、この言葉は日本人が昔からにおいに敏感な人が多いことを表しているように思います。
最近日本人はさらににおいに敏感になってきているとは思いませんか。悪臭で周りの人に迷惑をかけるのはマナー違反ですが、ちょっとにおいに敏感になりすぎているように思います。
体臭には人種差があるようです。文化的な感じ方も違っています。
「体臭=悪いこと」という認識が定着してしまうと、外国の方たちとの交流が苦手になってしまう人たちが増えてしまうかも知れません。
体臭そして日本人と外国人のにおいに対する考え方の違いについても検証してみましょう。
体臭が気になる日本人!海外の意識との違いは
異性の匂いにドキッとすることはあっても、普段は極力他の人のにおいは嗅がないようにする習慣が身に付いていませんか。
それでも、他の人の体臭が気になってしまったり、場合によってはつい顔をしかめてしまったりする人もいらっしゃるかも知れません。
他人のにおいだけでなく、自分のにおいも気になって仕方がない、という人もいると思います。
日本人は元々綺麗好きでにおいにも敏感な傾向がありますが、最近はさらにその傾向に拍車が掛かっているように思います。
日本の芳香消臭剤は「悪臭対策」が目的
スーパーやドラッグ・ストアーに行くと沢山の種類の芳香消臭剤を見ることが出来ます。本当に沢山の種類がありますが、ほとんどの商品に共通する機能があることにお気づきしょうか。
ほとんどの日本製の芳香消臭剤に共通する機能は「消臭機能」です。
くさいにおいをなんとかしたい、というのが日本人に共通するニーズです。元々日本の芳香消臭剤はトイレの「クサさ」を抑えるものから始まったと言われています。
この消臭機能は日本人だけが好むものなのでしょうか。あるいは世界共通のニーズなのでしょうか。
日本人がにおいを消したがる傾向があるのに対して、欧米人は「香り自体を楽しむ」という違いがあります。
日本の芳香消臭剤は悪臭対策から始まっていますが、芳香消臭剤市場誕生から50年経った今でも悪臭対策に対する要望は高く、マーケットとスキルは成長を続けています。
「無臭」は好まれ、悪臭は更に敬遠される傾向が強くなっているようです。
体臭がすると「スメハラ」と言われてしまう!?
人間の本能や感情、記憶と強く関係している大脳辺縁系が直接嗅覚とつながっているため「におい」が感情を強く刺激すると考えられています。
スメハラという言葉をご存知でしょうか。スメル・ハラスメント(Smell harassment)の略語で一部のビジネスの世界で使われている言葉です。
においで他人に不快感を与えることをスメハラと言います。
体臭がすると社内やお得意先との人間関係がうまくいかなくなってしまうことすらあるのです。
「スメル・ハラスメント」とは以前にはなかった概念であり、やはり日本人はにおいにより敏感になってきているのではないでしょうか。
腋臭(ワキガ)の人の割合は人種間で異なる
日本人は体臭に敏感なため腋臭(ワキガ)の人の中には肩身の狭い思いをしている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
「ワキガ 外来」とインターネットで検索をすると腋臭治療を行う医療機関が沢山ヒットします。でも、そもそも腋臭は医学的には全く問題ではありません。
汗腺の一つ「アポクリン腺」の数が多い人ほど腋臭が強くなります。「アポクリン腺」の数は生まれつき決まっているため腋臭は体質とも言えます。
黒人の100%、白人の70%~90%は腋臭であると言う説もあるのです。
中国人の腋臭の人割合は3%くらいで、日本人は増えているとはいえ10%でやはり腋臭の人は少数派です。
日本では腋臭がマイノリティーのため気にされるのであって、全員が腋臭の社会では誰も気にしないかも知れません。
このように文化によってにおいに対する考え方や感じ方は異なります。
欧米では女性が香水をつけるのは普通のことですので、日本人の女性が欧米でパーティーに出席すると不思議がられることがあるそうです。欧米人にとっては「無臭」であることが気になる、ということもあるのだそうです。
腋臭の有無は遺伝子で決まる
人種間で腋臭の保有率が異なると先ほどご紹介しましたが、もっと正確に言うとある遺伝子の有無が腋臭の有無を決めています。
その遺伝子をABCC11遺伝子と言います。この遺伝子のある1か所が、人によって異なります。
どのように異なるかと言いますと塩基の組み合わせが「GとG」か「GとA」か「AとA」の3パターンに分かれます。(G=グアニン、A=アデニン)。
このうちGを含む組み合わせ「GとG」か「GとA」をもっている人はアポクリン腺の数が多く、腋臭になりやすいのです。
日本人は「AとA」の組み合わせの遺伝子を持っている人が多く、腋臭はほとんどしない無臭タイプの体臭を持っています。
日本人だからと言って無臭体質なのではなく、ABCC11遺伝子の特定の場所にGがあるか無いかの違いなのです。
腋臭になりやすい遺伝子の有無は耳垢でチェックできる
腋臭になりやすいGを含む遺伝子があるのか、ないのかを知る方法があります。
それは耳垢を見る方法です。以前から耳垢のタイプと腋臭の有無は関係があることが知られていました。
最近になって遺伝学的にその関係が明らかになりました。耳垢が乾燥している人はABCC11遺伝子のある場所に「AとA」の組み合わせの遺伝子をもっており、耳垢が湿っている人は「G」を含む遺伝子を持っているのです。
つまり耳垢が湿っている人は腋臭になりやすい体質だということが出来ます。
もしかして私ってくさい?…と心配な場合の対策は
日本人でも耳垢が湿っている人は腋臭になりやすい可能性があります。においを抑える工夫はあるのでしょうか。
におい対策その1 食生活
「できる男は超少食」の著者 船瀬俊介氏はその著書の中で「加齢臭の原因は、動物食(肉類や乳製品)中心の乱れた食にあり」と書いています。
腋臭と加齢臭は別のものですが、体臭と動物食(肉類や乳製品)は何か関係がありそうです。
やはり普段お肉を沢山食べている人は無臭体質を維持するのは難しいようです。
なぜなら動物性タンパク質が腸内で分解されるとアンモニアが発生するからです。鼻を突くような刺激臭はアンモニアが原因の一つです。
腋臭の原因となるアポクリン腺から出る汗は白っぽく粘り気があり、その成分にはタンパク質・アンモニア・脂質・糖質・鉄分などが含まれています。
前出の船瀬氏は体臭解消にファスティング(断食)や少食を薦めています。
におい対策その2 汗対策
汗腺の一つであるエクリン腺から出るサラサラとした通常の汗はその成分のほとんどが水分で最初のうちは、悪臭はしません。
汗を放置していると臭うようになってきます。汗に皮脂、垢などが混ざり雑菌が繁殖した結果、くさいにおいを発するようになるのです。
雑菌が繁殖してくさくなるまで1~2時間かかります。ですので1時間ごとくらいにこまめに汗を拭うようにすれば体臭を抑えられるようになります。
ただ、汗臭は雑菌の繁殖だけが原因ではありません。
汗は老廃物を体外に排出する役割も担っています。普段、汗を沢山かく習慣がない人は汗腺の機能が低下して汗をかきにくい体質になっています。
体に老廃物がたまっている人がジトッと汗をかくと蓄積していた老廃物が一緒に出てきてくさくなるのです。
老廃物である乳酸はアンモニアと相性がよいため、両者が結合して体外に排出されるため、アンモニアによる体臭が発生してしまうのです。
老廃物を体の中にためないように、ちゃんと汗をかく習慣をみにつけ、汗はこまめに拭くようにしましょう。
体臭の原因は腋臭だけではない!加齢に伴うにおいたち
体臭の原因は腋臭を含む汗臭だけではありません。悲しいかな人間は加齢に伴い程度の差こそあれ臭うようになってきます。
加齢に伴うにおいの原因物質は以下の3つが分かっています。
- ノネナール(2001年 資生堂が発見)
- ペラルゴン(2008年 ライオンが発見)
- ジアセチル(2014年 マンダムが発見)
それぞれについて見ていきましょう。
歳をとると臭くなるの?加齢臭の原因ノネナール
40歳以前の人からはほとんど検出されず、40代以降になると検出されるようになってくる物質にノネナールというものがあります。これが加齢臭のにおいの原因とされています。
では加齢臭とはどのようなにおいなのでしょうか。
においは人それぞれ違っていますが、資生堂の研究員河野佐代子さんは加齢臭を「ロウソク」「古本」のにおいに例えられると紹介しています。
次の方法で、自分が加齢臭を発していないかチェックしてみましょう。
- 一日同じ服を着る
- 脱いだ服をしばらく放置する
- しばらくたってからその服の襟や脇のにおいを嗅ぐ
もしくさく感じたら加齢臭が出ている可能性が高いです。
加齢臭は、加齢現象であり誰にでも起こることです。でも、少しでも緩和するように以下のことに気をつけましょう。
- お風呂やシャワーで体を洗う
- 着た服はマメに洗う
- 動物性脂質は取りすぎないようにする
- ストレスをためない
- 抗酸化物質を積極的に摂る
中年男性が出す脂っぽい汗のにおい、ミドル脂臭の原因ジアセチル
「ミドル脂臭」(ミドルししゅう)は2013年に株式会社マンダムが発表した新しいにおいの概念です。
女性が「不快に感じるにおい」という中年男性にとっては恐怖のにおいです。なんと、そのにおいは「生ごみが腐ったにおい」と表現されています。
このミドル脂臭は後頭部あたりから発せられるため、自分では気が付きにくいのだそうです。確かに、足のにおいや脇のにおいはよほど体の硬い方でなければ自分で確認することができます。
でも、どんなに体が柔らかくても自分の後頭部のにおいを嗅ぐのは至難の技です。だから気が付きにくいのだそうです。
一方、他人は自分の後頭部付近に鼻を近づけることがあります。満員電車やすし詰めのエレベーターなどです。
知らぬ間に、自分が腐敗した生ごみのようなにおいを発していたとしたらゾッとしますよね。
しかし、このミドル脂臭、自分で確認する方法がありました。枕のにおいです。是非、枕カバーを洗う前に勇気を出してにおいを嗅いでみましょう。
「うおっ、なんだ、このにおい」と思った方。そのにおいの原因はジアセチルという物質です。加齢臭の「ノネナール」とは別の物質です。
疲労物質「乳酸」は汗に混じって体外に排出されますが、皮膚には常在菌「ブドウ球菌」がいます。この菌が乳酸を分解すると発生するのがジアセチルです。
ミドル脂臭対策の第一は原因物質の乳酸の発生を抑えることです。乳酸は次の条件で大量に発生します。
- ストレス
- 不規則な生活
- 運動不足
- 体の冷え
ですので、対策の第一としては以下のことに気を付けるべきでしょう。
- ストレスをためない
- 規則正しい生活を送る
- 運動を習慣にする
- 体を冷やさない
糖質や脂っこい食べ物を控えて野菜をたくさん食べることも有効です。抗酸化作用のある食べ物を食べることも大切です。
老廃物を体にためないように、お風呂やサウナに入って、汗をかく習慣をつけるようにしましょう。
30代男性のにおい?ぺラルゴン酸
30代の男性を中心に、使い古した食用油のようなイヤなにおいがする人がいると言われています。
このにおいの原因物質がペラルゴン酸です。ペラルゴン酸は皮脂の一部が酸化することで生じます。
皮脂の分泌量が最も多いのが30代の男性のため、30代男性に多いと考えられています。
皮脂が酸化してしまうことがこのにおいの原因ですから、予防には酸化を促進させるような行動を控えること、つまり「抗酸化」が大切です。
抗酸化の上でNGなのは以下の点です。
- 喫煙
- 動物性脂肪の過剰摂取
- 睡眠不足
- 運動不足
- ストレス
体臭対策と言えばデオドラント剤!使用にあたって気をつけたいこと
体臭を防いだり、取り除いたりする薬剤のことをデオドラントと言います。
デオドラントと似たものに制汗剤がありますが、制汗剤は汗を抑える働きがあり、デオドラントはにおいを抑える作用があります。
汗に含まれる皮脂が皮膚にいる細菌によって分解されるときに体臭は発生します。デオドラントはその細菌の増殖を抑えるのです。
デオドラントに含まれる成分
デオドラントに含まれているミョウバンという成分はアンモニアの消臭に効果があります。また皮膚を酸性にして細菌の増殖を抑える働きもあります。
銀イオンも細菌の増殖を抑制します。銀は食器などにも使用されていて安全性の高さで注目されています。
デオドラント使用の注意点
体臭を抑えてくれるデオドラントは便利な道具ですが、使い方の注意点を是非知っておいてください。
デオドラントを使用すると、毛穴が詰まってかゆみや黒ずみの原因になることがあります。汗を抑えるために汗腺をふさぐ作用がデオドラントにあるためです。
細菌を抑える効果もデオドラントにはありますが、皮膚常在菌の良い菌が死滅して、空いたスペースに悪臭を発する悪玉菌が増殖してしまう場合もあります。
デオドラントは、使う人によって合う合わないがあります。自分に合っているのか注意して観察しましょう。
使用後はふき取るようにしましょう。
体臭は病院で治せるの?専門家に相談してみよう
体臭は上述のように生活習慣を改善することやデオドラントで抑えることが出来ます。でも、においの強度は人それぞれであり、努力ではどうにもならない場合もあるかと思います。
それに生活習慣を変えると言っても大変です。お肉が大好きな人がお肉を我慢してお野菜ばかり食べていたら、そのうち飽きてストレスになってしまうかもしれません。
努力、我慢を続けるといのはとっても困難なのではないでしょうか。
そこで、体臭が原因で実際に日常生活に支障を来している方は、一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。
受診で一番いいのは臭いの専門家がいらっしゃる病院、または総合病院が良いでしょう。
においの原因にもワキガや加齢臭、臓器の不調などいろいろありますので、まずは専門家に指示を仰ぎたいところです。
体臭の中でも腋臭は手術で治すことが出来ますよ。
体臭が原因で病院を訪れる、というのは日本以外の国ではなかなか考えられないことだそうです。
でも、日本にいて体臭が原因で行き辛さを感じているのであれば、病院訪問も有効な選択肢の一つではないでしょうか。
あまりに体臭を気にしすぎると体に毒!自臭症という病気
清潔を心がけて周りの人に不快感を与えないようにすることは素晴らしいことだと思います。日本人ならではの心遣いでしょうか。
ただ、行き過ぎてしまうと問題もあるようです。
「自臭症」という言葉をご存知でしょうか。自己臭症あるいは自己臭恐怖症とも呼ばれている症状で、自分の臭いが他人を不快にしてしまうのではないかと恐怖を感じてしまう状態を言います。
自己臭恐怖症は医学的な病名ではありませんが、臭いに対して敏感な日本の社会が生み出した社会的な障害とは考えられないでしょうか。
そもそも腋臭は病気ではありませんし、フェロモンの名残だとする説もあります。人間だれしも多かれ少なかれにおいはあるものです。
自分のにおいがとっても気になる人たちがいます。
周りの人が手を鼻に持っていったり、顔をしかめたりした場合、自分のにおいが原因で嫌がられているのでは、と思い込んでしまう人もいるそうです。
それらの症状は前述のように自臭症、自己臭症あるいは自己臭恐怖症と呼ばれています。
気になる人に「あまり気にしすぎないようにしてください」と言ってもなかなか難しいかとは思います。
でも、例えば、自分が「におうはずがない」と思えるところを確認していくというのは如何でしょうか。
- 毎日お風呂に入っている(シャワーを浴びている)
- 毎日着替えている
- 汗をかいて老廃物を貯めないようにしている
- 汗をかいたら、拭くなどして、放置していない
- バランスのよい食事をとっている(肉ばかり食べていない)
- デオドラントや制汗剤を使っている
- マメに歯磨きしている
- 脱いだ服や枕のにおいを確認してもクサクない
- 身近な人に聞いても「くさくない」と言われる
これらの項目に当てはまる方はくさくありません。もし、それでも自分が「くさいのでは?」と心配になるのでしたら、それは気にしすぎです。
上記のチェックリストを活用して「自分はくさくない」とご自身に言い聞かせてください。
「病は気から」と言います。自臭症は病気ではありませんが、気にし過ぎているといつか本当に病気になってしまうかも知れませんよ。
大丈夫です。自信をもちましょう。
においに敏感な日本で生きやすくするには
くさいのは正直嫌です。昭和の頃、トイレは普通にくさかったです。日本のトイレはどんどん清潔になってくさいトイレが少なくなりました。デパートのトイレの中には「快適」で「居心地が良い」とすら感じるトイレがあります。
トイレが清潔になり、公衆の場でタバコを吸う人が減ってきたりして、日本人はさらににおいに敏感になってきたような気がします。
他人の臭いが気になり、くさい人は「くさい」と噂されてしまう社会。その結果自分のにおいにも敏感になっている人が増えているようです。
「スメハラ?そんなの関係ねぇ!」ではあまり好まれない世の中なので、そこは少しでも改善に向けて動いてみませんか?
自分のにおいを解決する方法はあります。毎日の意識と自分の自信が大切です。
この記事を読んで少しでもあなたのにおいについての悩みが解決しますように。