日々カロリー制限をし、体重を測り、時にチートデイ的なものを取り入れる事で、レプチンレベルが下がっているんだな、とか、ホメオスタシスが働いているんだな、とかを感じ取れるようになってきた。
脳の通常営業なんだから感じ取るも何もないんだけど、猛烈な空腹に襲われている時なんかに、「いつも通りなのに何で?」「過食衝動?何が原因?」などと変に考え過ぎていたんだな、と思う。
貯蔵エネルギーが過多になっていると摂食行動が減り、消費行動が増える。
少なくなっている時は食欲がわきやすく、消費行動も減る。
めちゃくちゃ当たり前の事だけれども、食欲の精度?に自信が無い人間としては、脳がきちんと働いているんだな、と安心出来るようになった、ということ。
以前は空腹も満腹も信じられなかったけど、瞬間的な空腹はともかく、一日を通してのエネルギーの過不足の感覚は、今なら割と信頼出来る。
これまた当たり前な話だけど、毎日毎日エネルギー不足で暮らしていくのは大変な事だ。
身体だけでなく、心にも負担がかかる。
『快感回路』にも書いてあったけど、「減量に取り組みそれを維持しようという事は、数百万年積み重ねられてきた進化の選択圧に抗うという事」なんだな。
そりゃあもう、大変な事だ。
ダイエットするにあたっては、その原始的な脳をいかにコントロールしていくか、という事がポイントになってくると思う。
「パレオな男」さんの、「象を飼い慣らすための指針」という記事が参考になった。
特に、象使い自身を訓練する事=自制心を鍛えていくという事。
自制を低下させるものは、
・ネガティブな感情
・我慢していたのにちょっとだけやってしまう(そして堰を切る)
・直截的な刺激、誘惑
・我慢するのに疲れすぎている(多方面に向けて自制心を使い切ってしまう)
・前頭前野機能そのものの低下(損傷、飲酒、睡眠不足)
まずこれらを回避する。
えー、お酒は飲みたいぞ。
まあ例えば、仕事でストレスが溜まっていて、ダイエットによる飢餓感が強い時、焼き鳥屋さんの香りを嗅いで店に入り、「主人へのお土産にしよう」と買って帰り、「夕飯までまだまだ時間があるな」とお酒を飲む、みたいにコンボになるとダメだな。
酔って気分が大きくなり、あの焼き鳥が気になってしょうがない、ちょっとだけ味見しよう、止まらない、ああもう今日は食べちゃおうっていう風に過食に陥る、それはダメダメ。
どういうわけか、昔からすると考えられないほどお酒と適切に付き合えるようになったので、これからも節度を持って飲んでいきたい(甘いかな)。
それから、象の調教。
私は過去に、食に関する報酬系をイカれさせてしまっている。
この報酬回路を調教するには、日々の食事報酬を下げ、過剰に刺激のある食品を避けていくのがいい。
アルコールや薬物への依存なら「完全に断つ」というのが絶対的な治療法だけど、対象が食品なので、地味にコツコツ取り組むしかない。
加工食品はローカーボ、ローファット、グルテンフリー、カロリーゼロ問わずなるべく避ける。
(ただし調味料はセーフとさせて頂きたい←甘いか?)
一流の研究者が「いかにもっと食べさせるか」とデザインしたものに、私の食欲に対する自制心が太刀打ち出来るわけがない。
加工食品でなくとも、遺伝子レベルで嗜好性が高いと感じられる食べ物もある。
高カロリーなもの、すぐエネルギーになるもの、つまり脂質、精製された糖質、そして塩。
(男性は脂質+塩、女性は脂質+糖質を好みやすいらしい。塩分は実験用ラットと人間で差があったり、どうやら後天的に好みを獲得するものらしい?)
(なんかどうもよくわからん、結局現代の環境とか文化、習慣による影響が一番大きいような?)
しかし、それらを丸ごと断つとなると身体までぶっ壊れる。
「私にとって」嗜好性の高い食品は何なのか考えて、さらに、嗜好性が高くとも栄養価も高いものは取り入れ、そんなに摂る必要はないかなと思うものは排除していくのがいいかなと思う。
私の場合、象使いが象を叩きのめして黙らせてしまうといった事にも気をつけなくてはならない。
かつて拒食であった時(ダイエット中の今でもそうか?)、お腹が空いているのに食べない、そもそも食べるという選択肢が無い、なんて事があった。
高次脳が低次脳をねじ伏せている状態(『快楽の脳科学』より)、これもあまりよろしくない。
一番難しい問題かもしれない。
普段厳しく接している象をたまにちょっと甘やかすと、制御不能になっちゃったりする。
「やめたい気持ち」が大きければ、「やりたい気持ち」もその分育ってしまう。
セルフコントロール、自制っていうと、厳しく接する事に拍車をかけてしまう気がする。
そうでなくて、象使いと象と、仲良く一緒に歩んでいかなくてはならないんだ。
つまり、さて、どうすればいいんだ?
なんかよくわからなくなってきたけど、とりあえず上記の自制心の低下を避けること、食事報酬を上げて無闇に象を刺激しないことに取り組んでいこう。
ローカーボだったかフードアディクションだったかに関するページで、「この先一生お菓子やジャンクフードを口にしないと、今すぐ決断すること。バースデーパーティーのケーキ?クリスマスのクッキー?言い訳するな、食べなければいいだけ」みたいな事が書いてあった。
非常にシンプルだけど、非常に難しい(というか、嫌だな)。
主人が誕生日に買ってきてくれるモンブランくらい、食べたいもの。
旅先の料理とか、もてなしの料理とか、病気だから断るなんてことはしたくない(何が何でも食べたいというより、そういう事をする自分が嫌だ)。
食べた時に心から満足して、それ以上食べ過ぎることもなく(象の暴走)、食べなさすぎる事もなく(象使いが怒って鞭をふるう)、普段の食生活に戻っていきたい。
それが出来たらもう本当に本物だと思う。
気性の荒い象と新人象使い、長い道のりになるだろうなあ。
なんだかしんみりしてしまったんだけど、よく考えたら悩みの大半が「食べること」だから、自分の必死さにやっぱり笑える。
『快楽の脳科学』という素晴らしい本から一部引用させて頂く。
「すこやかに生きるために環境を浄化し、適度の栄養を摂って適度な運動をしようという健康追求の行動も、まことに結構なことではあるが、行き過ぎることがある。身の回りのあらゆる菌を撲滅し、バランスのとれた栄養摂取や運動メニューの消化を自己目的化し、強迫的になるならば、それはかえって不健康である」
「心の病気の奈落に落ち込んだ人も、適切なケアとサポートがあれば、かならずそこから脱出できる。脱出に伴って自分の力で自分の人生を切り開くことができるようになるし、それまでは知らなかった喜びを味わうことができるようにもなる。つまりその奈落の底からの復活の過程に本当の『快楽』がある。『いい気持ち』は真摯な生き方から生まれると言ってよいのではないだろうか」