何よりも診断が大切
老人性イボ(脂漏性角化症)は、1~5㎜ほどの大きさのものが中心ですが、中には1㎝を超える大きなものもあります(写真が参考)。
色は、肌色よりわずかに濃い茶色~こげ茶色です。
主にできやすい場所は、顔のフェイスライン、体の下着や服でこすれやすい部分、鼠径部(脚の付け根)などです。
茶色いので、シミだと思っている人も多数いますが、触れた感触でその違いがわかります。
こちらの写真の方のように、横からお顔を見た時に茶色いシミのように見えます。
拡大してみると、皮膚の表面よりちょっと盛り上がっている様子が良くわかります。
同様に、こちらの方も完全に皮膚より盛り上がっています。イボと分かりやすい症例です。
こちらの方は、色も薄く盛り上がりが少ないので、ぱっと見は「シミ」かしら?と思う方です。
でも、よく見るとわずかに皮膚から盛り上がっていて、表面がざらざらしていますよね。
そうです、この茶褐色のものはシミではなく「イボ」なのです。
まずはセルフチェック!
シミの特徴
・茶色いところが全くの平らで、表面はなめらか
老人性イボの特徴
・茶色いところが周りの皮膚よりわずかに盛り上がっていて、表面が少しざらざらしている
ほとんどのいぼとシミは、セルフチェックで判断できると思います。
たまに、シミなのかな? 老人性イボなのかな? どちらなのかしらと、見分けることが難しい茶褐色斑がありますが、それもそのはずで、シミが長期にわたって紫外線にさらされたのちにイボに変化するというケースもあるからです。
シミなのか、老人性イボなのか……を見極めるのはとても大切です。
なぜなら、シミなのか老人性イボなのかで、治療方法や使うレーザーなどが全く異なるからです。
シミであれば、塗り薬+美白剤のケアで自宅でもキレイにすることができます。
しかし、老人性イボは、自宅でのケアでは全く取れることがなくクリニックでのケアを受けることが、何よりもキレイになる近道です。
老人性イボにいくら美白剤を塗ったって、色も取れなければ盛り上がりも改善しませんので、本当にお金の無駄遣いになってしまいますから、ご注意ください。
老人性イボなのか、シミなのか迷ったら皮膚科で診察を!
ご自身の茶褐色斑がシミなのか、老人性イボなのかで迷ったときは、悩むよりも皮膚科で診断を受ける事をお勧めします。
一般的な皮膚科でも診断は可能ですし、最近ではスマートフォンやパソコンを使って、ご自宅にいながら「遠隔診療」で診断を受けることもできるようになりました。
遠隔診療は、皆さんが普段お使いのLINEアプリからカンタンにご利用いただけます。
老人性イボの除去方法
セルフチェックあるいは、診察にて診断もついたところで、それでは実際の治療方法についてご説明します。
老人性イボは、皮膚よりも若干盛り上がっているものなので、盛り上がっているところを取り除く(削る)方法が基本です。
削ると言っても、皮膚のごく浅いところを削るだけなので本来は傷が残ることはありません。
ただし、治療する医師の技術によって、深く削ってしまった場合などには傷が残りますので、治療を受ける医療機関をしっかり選ぶことが重要だといえます。
液体窒素による冷凍凝固術(保険診療)
保険診療で治療でき、どこの皮膚科でも可能なため手軽に受けることができる治療です。
メリットは
・1回1500円程度(3割負担)と安価なこと
・どこの皮膚科でも治療可能
【液体窒素での治療例】
デメリットは
・ヒリヒリした痛みがある
・痛みは、1日ぐらい続く
・同じ場所に数回の治療が必要
・取れるまでトータルで数か月かかることもある
・2~4週間隔で治療
・1~2㎜ほどの小さないぼは取れないことがある
・炎症後色素沈着とよばれるシミができる
炎症後色素沈着(シミ)は液体窒素療法を行った方の9割ほどに見られる副作用です。
このシミは、
・イボが取れて1か月ぐらいするとシミが出てくる
・取れるまでに半年~1年ぐらいかかる
・自費の美白剤を使用した方が早くとれる
・1~2㎜のイボを治療すると、イボよりも一回りも大きいシミになる
という困った事態になります。
しかも、炎症後色素沈着は自費治療となるため、数万円~数十万円ほどの治療費がかかります。
炭酸ガスレーザーで削る(自費)
特別なレーザーを使うので、そのレーザーを持っている医療機関でないと治療ができません。
メリット
・1回の治療でイボをとることができる
・イボの大きさと同じ大きさで取ることができる
・液体窒素に比べて炎症後後色素沈着ができにくい
デメリット
・治療後1週間ほど軟膏処置+テープ貼付が必要になる
・1つ1つ麻酔の注射をするときに痛みがある
・1つのいぼを治療するのに、数分程度かかるので、軟十個も治療すると時間がかかる
・医師の技量によっては、深く削りすぎて傷が残る可能性がある
・自費診療のため、費用が数万~数十万円ほどかかる
費用がかかりますが、1回で治療が終わることやシミになりにくいことを考えると、炭酸ガスレーザーの方がおすすめと言えます。
*注意:炭酸ガスレーザー治療の方がシミになりにくいですが、炎症後色素沈着を起こすこともあります。
この場合の炎症後色素沈着は、比較的程度が軽いことが多く、クリニックで処方している「シミ取りクリーム」だけで改善してきます。 シミ取りクリームをご要望の場合は、 LINEにて遠隔診療をクリック!
大きい、色が極端に黒いケースは皮膚がんも考えて切除
老人性イボは良性の腫瘍ですが、似たような見た目の皮膚がんもあります。
・基底細胞癌
・有棘細胞癌
・悪性黒色腫
この中でも悪性黒色腫は全身に広がって致命的になる皮膚癌で、シミや老人性イボと間違って治療されて問題になるケースも報告されています。
老人性イボだと思っていたら、数か月で倍ぐらいに大きくなったり、黒っぽく色が濃いイボの場合は皮膚がんを疑うことが必要です。
この場合は、削ったりするのではなくしっかり切除をして検査をすることが安全策。
全体を切除すると、大きな傷が残ってしまう場合は、イボの一部を4㎜程切って検査に出す「皮膚生検」という方法を選ぶことも可能です。
急速に全身に茶褐色のイボが広がる場合は胃がんなどの内臓がんに注意
そしてがん関連でもう一つ注意が必要なものがあります。
それは、数か月で急速に体のあちこちにイボが広がり、かゆみを伴う場合。
これは「レーザー・トレラ徴候」と言われていて、
・老人性イボが6か月程度で急激に沢山できる
・数百~数千個できる
・内臓癌、とくに 胃がん、大腸がん、肺がん、乳がんが隠れている可能性が高い
事を特徴とします。
老人性イボは自宅でケアより、自宅で遠隔診療がおススメ
結局、老人性イボは皮膚がんや内臓癌が隠れている可能性もあるので、安易に自宅ケアをするよりも、きちんと診断・クリニックでの治療が安全かつキレイになる近道と言えます。
診断だけなら、自宅にいながらスマホでできるようにもなりましたので、まずは下記から治療の第一歩を始めてみてはいかがでしょうか。