美と健康を意識するなら、やはり大切なのは食べ物。自分の口から、体の中に直接届く食べ物にもっともっと気を付けることが必要です。体にいいものは増やし、悪いものは少しずつ減らしていく――それがオーガニックということ。オーガニックライフを推奨する、オーガニックブランド『nanadecor(ナナデェコール)』のディレクター神田恵実氏に、お金と手間をかけずにできるオーガニックな食事方法BEST3を教えてもらいました。
文/若松正子
エネルギー値の高い食材をとる
――“エネルギー値の高い”食材というのは、どんな食べ物のことですか?
神田 “エネルギー値が高い”というのは、単に無農薬とか添加物がないものということだけではありません。例えばシェフ=作り手が見えるレストランの食事であったり、実家のお母さんの手料理であったり、いかに“大切”に作られた食べ物かということ。オーガニックだからすべてエネルギー値が高くて素晴らしいということではなくて、誰がどんな想いで作り、それをどんな気持ちで食べるのか。要は食事を摂ること自体のエネルギーを高めることが大事なんですよ。
――では、有機の野菜とか無添加の調味料など、オーガニックなものにこだわることはない?
神田 もちろん、オーガニック野菜のエネルギーや栄養価はかなり高いので元気になります。素材をなるべくオーガニックなものにできればそのほうがいい。でも、全部それで揃えようとしたら、お金も手間もかかって大変ですよね?(笑)。だったら例えばスムージーを作るときに野菜だけ有機にして、果物は有機ではなく普通のスーパーで買ったものにするとか、ちょっとずつ取り入れていくだけでもOK。そうやって自分が口にするものに対して何が良くて何が良くないのか、感度を上げていくことが大事なんです。そうすると自然にエネルギー値の高い食べ物、つまり“質の良い食事”というものを自分の中でチョイスしていけるようになると思いますよ。
化学添加物を控える
――そして2位、これは普段から気を付けたいですよね。
神田 添加物は控えて損はありません。最近はコンビニでも塩と餅米、植物油だけのシンプルなおせんべいとかもありますから、裏側の表示を見て、できるだけ添加物の少ないものをチョイスするといいと思います。あと油の質も大事。質の悪い油は代謝が悪くなるので、ドレッシングよりも、オイルとビネガーと塩だけにするなど、摂り方をの選び方も気をつけたほうがいいですね。
――でも、今はいろんな種類のドレッシングが並んでいて、迷っちゃいますよね。
神田 そうですよね。でも、突き詰めると野菜そのものがおいしければ、ドレッシングってそんなに必要がない。さりげない味付けで良かったりするんですよ。
――そのためには添加物の多いもの、つまり濃い味付けに慣れてしまった味覚を変える必要もありそうですね。
神田 その場合は例えば朝食を手作りのスムージーにするとか、一食変えるだけでも味覚は変わってきます。あとは玄米食にするのもひとつの方法。無農薬の玄米を買っておいて、家で食べるときはそれを炊いて食べる。外食が多い人や昼はコンビニのお弁当という人は食事のどこかに玄米を取り入れて、添加物に慣れてしまった舌をちょっとずつリセットしていきましょう。
塩分と糖分の質と量に注意する
――3位の塩分&糖分を控えるのは、気をつけたくてもついつい摂ってしまいがちですよね?
神田 女性は細くてもむくみやすい人が多いですが、それは塩分の多い濃い味付けのものを食べ過ぎているのも原因のひとつです。またスイーツなどで糖分を取り過ぎてしまうのも要注意。糖分の中でも特に白砂糖は血糖値のアップダウンが激しくなって冷え性になったり、自律神経を不安定にします。そうすると、やたらとイライラしたりキレやすくなる。で、それを落ち着けるためにさらに甘いものやしょっぱいものを食べたくなってしまうんですね。
――負のループですね。
神田 そう。あと睡眠にも影響があって、眠れないのも自律神経の乱れが原因です。ですから甘いものを食べたければ、「ナチュラルハウス」など自然食のお店で売っているおやつ、甜菜糖とかキビ糖といった天然の甘みを使ったものに変えると安心して食べられます。塩分もなるべく海塩などミネラルを含んだ天然のものを使い、薄味を心掛けてください。
――でも外食やコンビニ食は、どうしても塩分・糖分過多になりますよね。
神田 塩分・糖分過多のものを食べてしまったら、そのあとの食事は薄味のヘルシーなものにするとか、差し引きしていけばいいんです。毎日気をつけるのが無理なら、週単位でバランスをとっていくとか。ストイックになりすぎず、自分の生活に合わせてコントロールしていくと続けやすくなりますよ。
ヘルシーでキレイになれるオーガニックライフを実践してみよう!
オーガニックというと、ストイックで手間のかかるものだと思われがちですよね。でも、考え方はすごくシンプルで、体や心が元気になるものを取り入れ、無駄なものは取り除いていくこと。それだけなんです。そのためのメソッドとして、マクロビオティックやローフードなど、さまざまな食事法がありますが、ずっとジャンクな食事をしてきた人はデトックスをするための時間を作ることも大切かもしれません。そのためのやり方は二通りあって、ひとつは断食道場など短期で体をリセットする方法。もうひとつは普段通りの生活をしながら、ちょっとずつチョイスを変えていくやり方です。後者の場合は有機野菜をちょっと取り入れてみるとか、シャンプーや化粧品をオーガニックなものにしてみるとか、入口はいろいろあって、大事なのはチョイスする中で自分にとって何が良くて、何に気をつけたらいいのか、見極める目=審美眼を磨くこと。磨かれていくと、だんだんと体にいいものに触れるようになり、かつ、それを心地良く感じてくるようになるんですね。それが続くと、まず体が変わってきます。体が変われば心も変化していきます。イライラが減ったり、人のミスや自分のミスを許せるようになったり、自分がゆるんでいきます。すると、例えば料理に興味がわいて外食する頻度が減ったり、お弁当を作ったり、ライフスタイル自体が変わっていく。そして最終的には人生が変わります。つまりオーガニックとは特定のアイテムや方法論ではなく、自分の体と心に対する優しさを含めたトータルケアということ。それに気づくきっかけは日常の中にたくさんありますので、ぜひ感度を高めて、自分に合ったオーガニックライフを見つけてくださいね。
写真/中川正子
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