ナース目線の検査②(大腸内視鏡)

看護師 スケサブロウ★さん
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現在、大腸癌の増加によりTV番組やメディアでも「大腸内視鏡検査」についての紹介がされることが多くなりました。検査自体が「つらい」「恥ずかしい」などある為、症状が進行するまで検査自体を躊躇される方も多いのが現状です。

2013年人口動態統計の年間推計(厚生労働省)によると、日本人全体で死亡要因1位の「がん」の中でも女性は1位・男性は3位となっています。年間上昇傾向にある大腸癌ですが、早期発見すれば「治る癌」とも言われています。早期発見が重要なのです。

検査の特徴

どのような場合に検査を受けるのか
  • 健康診断などで検便を行い、「便潜血陽性」の場合
  • 自覚症状がある(下血・下痢と便秘を繰り返す・腹痛があるなど)
  • 胃内視鏡検査の追加・補助検査として(胃に多量のポリープが見つかった場合)
  • 過去にポリープ切除を行っている/大腸手術後の経過観察として

腸内清浄化での戦い

大腸内視鏡検査において重要とされる事は、「観察しやすい環境を作る」こと。

常に便にさらされている状態にある為、事前に「低残渣食」(消化した際に便カスとして残りにくい食事)の摂取や緩下剤・経口腸管洗浄剤を服用し、腸管内を空の状態にします。

ヒトの臓器の解剖生理を考えてみてください・・・口から肛門までの長さ。それをすべて空にするって、簡単にはいきません。

<前処置>
  1. 前日:検査食を摂取
  2. 前日夜:下剤を服用
  3. 当日朝:腸管洗浄剤を服用(ゴライテリー液とも呼ばれます)

当然ですが、トイレと友達です。患者さんによっては、トイレの中で飲みながら出す・・方もいるようです。

外来の患者さんは、「自分で前処置ができる」前提の方ですが、入院患者さんの大半は違います。検査の為だけに入院されてくる方もいらっしゃるのですが、なかなか飲めず・・戦いの朝が始まります。まるで「飲み屋で一気飲みを勧める人」のようだなぁ、と感じることもあります。

認知症の患者さん、高齢の患者さん・・・夜勤明けに当たりたくない!そう思うことも。

ここで重要な事。急激な排泄で脱水や血圧低下・迷走神経反応に伴う、いわゆる「排便ショック」にも注意してください。

排泄物が黄色透明な液体になると(便器の底にカスが沈殿していない)、無事前処置完了になります。

腸管洗浄剤が飲めない、飲んだけどきれいになっていない場合には、高圧浣腸の追加や直接医師が検査時に洗浄しながら挿入を進める等の対応がされます。

経口腸管洗浄剤、なぜこんなに飲むの?

水分は、ふつうは腸管で吸収されます。しかし、洗浄剤は塩化ナトリウム・塩化カリウム・炭酸水素ナトリウム・無水硫酸ナトリウムなどを配合しています。腸管内と等張になるよう作られていて、腸は一定量の電解質は吸収しますが残りは吸収できずに排出する機能を持つ事から、これらの作用を利用したのが腸管洗浄剤です。

電解質がいっぱい入っている為、味に問題が。そこでレモン味などに調整がされていますが、受け付けない人は吐いてしまう場合もあります。注意が必要です。

また、腸閉塞が疑われるようなひどい便秘の方には注意!腸管穿孔や完全閉塞をきたし緊急手術なんてこともゼロではないことも頭に入れておきましょう

検査の流れ

前処置が終了すると、いよいよ検査です。

準備■検査用パンツ(おしり側に穴が開いている紙のトランクス)に着替えます。■金属類は外しておくよう説明します。(ポリープ切除の際には電気メスを使用します。その際金属類をつけている部位に火傷をおこす可能性がある為です)
処置台へ移動■左側臥位で準備します。■患者さんは緊張しています。声掛けを。(おしりからの検査ですので羞恥心に配慮)
前処置①(状況による)
ブスコパン®筋注鎮静剤投与
■消化管機能抑制の為に使用しますが、禁忌(緑内障・前立腺肥大・心疾患)もあるので既往歴などに注意します。使用しない場合もあります。■不安が強く検査がスムーズに受けられないと判断された場合は軽い鎮静剤を注射する場合もあります。
内視鏡挿入■キシロカインゼリー®をたっぷりつけた内視鏡をゆっくり挿入していきます。■患者さんには口をすぼめてゆっくり息を吐く様に説明します。■内視鏡は回盲部まで腸管を空気で膨らませながらゆっくり挿入されていきます。■挿入時の位置・方向により体位を左側臥位⇒仰臥位⇒右側臥位と変更しながら進みます■回盲部まで達すると、今度はゆっくり内視鏡を抜きながらモニターで観察していきます。■ポリープ/出血/憩室の有無などくまなく観察し、必要時処置を行います■内視鏡抜去後は、肛門周囲が汚染されているので清拭し終了。
検査終了■ゆっくり起き上がり、衣服を整えます
検査終了後の注意■鎮静剤を投与している場合は、ふらつき・転倒に注意。休憩する時間を設けましょう。■腹部が膨満している場合もあり(検査時に膨らませた空気がたまっている場合もあるのでその場合はトイレを勧めます)

内視鏡検査での処置色々

胃内視鏡検査・大腸内視鏡検査では様々な処置が行うことができます。

ホットバイオプシー■より小さなポリープやくびれのないポリープに対し、高周波通電か可能な鉗子(つかむ道具)でつまんで切除します。切除と止血が可能。
ポリペクトミー■粘膜上皮に局所的隆起した病変(ポリープ)に対し、スネア(針金を丸くした形状など様々)をポリープの根元にひっかけ電流を流して焼き切り、鉗子で回収します
内視鏡的粘膜切除術(EMR)■隆起が少なく平坦な早期の腫瘍などに対し、粘膜下層に生理食塩水などを注入して粘膜下層を肥厚させ、高周波スネア等で切除します
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)■粘膜下に生理食塩水を注入し盛り上げ、粘膜専用のITナイフ®などで粘膜をはがすように切除します。
止血■ポリープや病変部を切除した場合、出血部位に専用クリップではさんで圧迫します。クリップは時間が経過すると自然脱落し、排泄される場合が多いです。■患部にエタノールを注入し血液を凝固させる場合もあります
硬化療法■食道静脈瘤に対し、硬化剤を静脈瘤に注入し、粘膜ごと脱落させてしまう処置です。
その他■ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影術)■EST(内視鏡的乳頭括約筋切開術)■EBD(内視鏡的胆道ドレナージ)■PEG(内視鏡的胃瘻造設術)■食道拡張術(食道バルーン使用)

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