犬の体臭や口臭が気になったとき、その原因はなんだと思いますか?
体が臭くなったのはシャンプーをさぼっているからで、口が臭くなったのは歯磨きをさぼっているから。
確かに、そういう理由で体臭や口臭がきつくなることはありえることです。しかし、体が汚れている、歯垢が落ちていないなどの、目で見てわかる汚れがないにもかかわらず、犬が臭くなることがあります。それは、ニオイを発する原因が体の中にあるからです。
「臭い犬」と「臭くない犬」がいる不思議
犬を飼うと家の中が犬臭くなるから、犬は飼わない。
犬が臭くならないように、最低でも週に1回はシャンプーをしている。
こんな話しを聞くたびに、犬を飼っていない人だけでなく、犬を飼っている人までもが犬の体臭について誤解しているのだと驚かされます。
犬は本来、あまり臭くありません。と言っても猫ほど全身を念入りにセルフグルーミング(ペロペロと自分の体をなめてきれいにすること)するわけではありませんから、まったくの無臭という意味ではありませんが…。
しかし、それは人間も同じことですよね。人それぞれに体臭があるように、犬にもそれぞれの体臭があります。
しかし、犬とは本来、家の中を臭くしてしまうほどの強い体臭を持たない生き物なのです。
ところが、体臭や口臭がきつい犬は数多く存在します。それも、野良犬だとか、飼育放棄されて汚物にまみれているような犬ではありません。
きちんと可愛がられているにも関わらず、です。中には臭くならないように2~3日おきにシャンプーしている犬までいて、体臭とシャンプーの香りが混ざり合ってしまい、かえって不気味なニオイになっていることも珍しくありません。
ところがその反面、1年に1回シャンプーするかしないかという、ほとんど洗っていないにもかかわらず、まるで体臭や口臭が気にならない犬も数多くいます。いったい、この差はどこから生じるものなのでしょうか?
犬の体(体臭)や口(口臭)を臭くするものの正体
犬にしろ人間にしろ、食べたものは胃を通過し、腸を通過し、その過程で必要な栄養素を体に吸収しながら、最終的には残りカスが糞として排出されていきます。そして、食べたものの種類や質の良し悪しによって腸内環境が変わることは、私たち人間が一番よく知っていることですよね。犬の体内でも、同じことが起きています。
総合栄養食として栄養バランスの整ったドッグフードを食べさせているのに、犬の腸内環境が悪くなるのはおかしい、と思われるかもしれません。
しかし、いくら犬に必要な割合で五大栄養素が含まれていたとしても、そこに使われている原材料の質に問題があるとしたら、腸内環境が悪化しても不思議はないと思いませんか?
そう、犬の体臭や口臭をきつくする原因は、ズバリ言ってしまえば食べ物!
ドッグフードに由来していることが多いのです。
腸内環境の悪い犬が臭くなる理由
肉食獣寄りの雑食動物である犬にとって、一番大切な栄養素は動物性タンパク質、そしてその次が脂質です。ところがこの肉類と脂質の質が悪いと、犬の腸内で悪玉菌が増えてしまう原因になるのです。
悪玉菌が増えるとタンパク質などからアンモニアや硫化水素などの有毒物質が作り出されるようになります。これらがますます腸の働きを鈍らせ、大腸粘膜の血管から吸収されて血液とともに全身を駆け巡ることに。その結果、独特の腐敗臭を持つ有毒物質が毛穴から漏れ、体臭がきつくなってしまうのです。これは口臭にも同じことが言えます。腸内で産出された腐敗菌が血液に入って呼気に混ざると、犬の口は臭くなります。歯周病ばかりが口臭の原因ではありません。
腸内環境を改善することの重要性
腸内に善玉菌が多い犬の糞は、驚くほど臭くありません。その反対に悪玉菌が優勢となり、腸内で有毒物質が多く産出されている犬の糞はにおいます。しかし、問題は悪臭だけではありません。
下痢や便秘だけではなく、有毒物質が血液とともに全身を駆け巡るということは、皮膚病やアレルギーを引き起こす原因となり、免疫力が低下することによってウィルスに感染しやすくなるのです。また、腎臓や肝臓などの機能低下にもつながりかねません。
つまり、体臭や口臭の問題を根本から解決させることは、思っている以上に愛犬の健康に直結していることなのです。
体臭と違って口臭の主な原因は歯周病が多い
口臭が強くなる原因のほとんどは、歯周病によるもの。家庭犬の80%が患っていると言われるほど、歯周病は犬に多い病気のひとつ。
だからと言って、たかが口臭だろうと甘く見てはいけない。歯周病をそのままにしておくと、歯肉から出血したり、歯がグラグラになって硬いものを食べられなくなることもある。また、さらに悪化すると全身麻酔をしたうえで処置を施さなければいけないケースもあり、犬のカラダに大きな負担をかけてしまう。
歯周病はどの犬にも起こり得る病気。でも、きちんとケアさえしていれば予防できる病気でもある。
歯周病を予防するに、歯磨きが一番
毎食後の歯磨きを日課にして、愛犬の歯周病を防ぎたい。
ただ、歯磨きが苦手な犬は意外と多い。そこで、歯磨きに慣らすきっかけ作りとして有効なのが、歯ブラシにピーナッツバターを塗って〃歯ブラシⅡおいしいもの″と犬に認識させる方法。犬は一生懸命に歯ブラシを噛むので、歯ブラシの感触に慣れてきたころにそっと持って動かしてみる。そうすれば、いつの間にか愛犬は歯磨き嫌いではなくなっているはず。
ドッグフードは原材料の品質が優れたものを
一口にドッグフードといっても、その中身は同じではありません。愛犬の健康を考えるなら、やはり重視するべきはその品質です。まずは以下の点に注意して、ドッグフードの原材料を比べるところからはじめるとよいでしょう。
肉の種類がきちんと記載されているか?
質の悪い原材料を使っているドッグフードは、肉の種類が明確にされていないことがあります。「チキン」「ビーフ」「サーモン」「ターキー」などのように、どういう種類の肉類がタンパク質として使われているのかを、きちんと確認しましょう。
消化に悪い穀物が使われていないか?
質の悪いドッグフードの多くに、かさ増しを目的としてトウモロコシや小麦などの穀物が多く含まれています。犬の内臓は穀物から充分に栄養が吸収できるようにはできていません。分解して栄養を吸収する前に排出されてしまうだけならまだしも、消化の悪さが胃腸に負担をかけることになるのです。
食欲増進のための油脂が使われていないか?
脂質は犬にとってタンパク質の次に必要な栄養素ですが、正しい栄養素としての目的とは別に油脂が使われているドッグフードがあります。これはドッグフードの粒に後からニオイの強い油脂をふきつけて、犬の食欲をかきたてることを目的としたコーティングです。原材料の質が高いドッグフードはそのようなコーティングがされていないため、ニオイも強くないし、見た目にもほとんど油っぽさがありません。