炭のことをもっと知ろう!

まずは、炭の基礎知識を
押さえておこう
炭は、間伐材や雑木が原料で森林保護にも役立つ、地球にやさしい自然素材です。
そんな炭を、夏冬問わず一年中使いこなすために、まずは炭の基礎知識からチェックしていきましょう。
炭には「黒炭」と「白炭」がある

炭は、その製法の違いによって「黒炭」と「白炭」に分かれます。

白炭とは妙な名前ですが、炭焼き窯から出す前に温度を上げて、最後に灰をかぶせて一気に鎮火させた炭のこと。この時に付着した灰が白っぽく見えることから、白炭と呼ばれています。またそれ以外の、窯の穴を塞いで鎮火させた炭が黒炭。燃料としては、黒炭は着火しやすい。白炭は火持ちが良く火力の調整がしやすいという特徴があります。

「備長炭」ってどんなもの?

よく聞く備長炭は、17世紀に紀州(和歌山県)の備中屋長左衛門が開発したとされる、白炭の最高級品です。

もともと備長炭には「原料はカシ」「硬度15度以上」などのJAS規格(日本農林規格)が定められていました。しかし、炭ブームや規制緩和の流れの中で、平成9年に撤廃されてしまいました。そのため、近年は南洋備長(東南アジアからの輸入炭)やオガ備長(おがくず由来原料)といった、製法だけを真似た炭が増えています。中には100円ショップで売られているものや、和歌山県を経由しただけの「紀州備長炭」もあるので、注意が必要です。

「遠赤外線」が出る仕組みって?

ところで炭の最大の特徴は、何と言っても煙も炎も出さずに燃えること。これは、窯の中で酸欠状態のまま高温(いわゆる蒸し焼き)にして、木の成分から酸素や水素だけを取り除いているからです。

遠赤外線をよく発するという炭の特徴も、炭がほとんど炭素のカタマリであることから生まれます。炭はこの性質によって、燃焼時に500~1000℃もの高温になるからです。ただし、常温の炭からは、それほど遠赤外線は出ていません。

なぜニオイや化学物質が取れるの?

また、有名な炭の脱臭・吸着パワーは、蒸し焼きにすると炭の内部に、1ミリのさらに1000万分の一という単位で無数の穴が生まれることに由来します。これを表面積に直すと、炭1グラムでなんとテニスコート1面分(200~400平方メートル)にもなるとか。

ニオイの素(分子)や化学物質がこの穴に近づくと、両者の間には「分子間力」が働き、各分子は穴の中に引き込まれます。いわばスポンジのような仕組みで、炭はニオイや化学物質を吸着するのです。


クヌギ炭
黒炭の最高級品。美しい断面と樹皮に特徴。
正式な茶道では、クヌギ炭だけを用いる。
備長炭
白炭の最高級品。カシ(とくにウバメガシ)
が原料。硬度が高く、叩くと澄んだ音が。
竹炭
モウソウチクが原料。燃料には向いていないが、手頃な価格と脱臭力で人気急上昇。
オガ炭
原料はおがくずを形成したオガライト。
外食産業で使われている炭の多くがこれ。
ホワイト
オーク炭
オークとはすなわちカシ。これは使用済みの
ウイスキー樽を再利用したもの。
ナラ炭
黒炭、白炭、両方出回っているがこれは黒炭。国産原料では最もポピュラー。



炭のあれこれ活用法
ご飯に
炊飯器に入れると、遠赤外線効果とカルキ臭除去の効果でおいしく炊きあがります。
▼向いている炭
備長炭・竹炭
揚げ物に
備長炭や竹炭を鍋に入れて揚げると、遠赤外線効果でカラッと します。
▼向いている炭
備長炭・竹炭(揚げ物)

カビ・ダニ予防に
衣装ケースに入れておくと、梅雨時に除湿効果を発揮します。
(乾燥時期は逆効果になるので注意して。)
▼向いている炭
黒炭・竹炭
消臭・空気浄化に
アンモニアの多いトイレ、化学物質の多いクルマなど、各場所に最適な炭を。
▼向いている炭
場所による

温度(℃)
おもに吸着する物質
500前後
●モノアミン類(肉や魚のニオイ)
●アンモニア(トイレ臭)
700~1000
●ホルムアルデヒド(有害化学物質)
900~1000

●トルエン、キシレン、ベンゼン(有害化学物質)
●ノネナール(加齢臭)
●インドール、スカトール(放尿臭)


お風呂に
水質浄化作用は24時間風呂でとくに効果的。遠赤外線効果で体がほかほか温まります。
▼向いている炭
備長炭・竹炭
飲料水をおいしく
ポットに入れると、カルキ臭除去と微量ミネラルで「おいしい水」に。
▼向いている炭
竹炭
花瓶に
水の有害物質や塩素が取れ、微量のミネラルも加わり、花がいきいき元気に。
▼向いている炭
備長炭・竹炭


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炭の違いを知って使えば、
もっと効く!
トイレや冷蔵庫の脱臭には、黒炭を

新潟薬科大学の及川紀久雄教授らは、炭の焼成温度と吸着物質の関係について、上の表のような研究成果を発表しています。

先ほど、炭の脱臭・吸着能力は「分子間力」と書きましたが、500℃前後で焼かれた炭にはもうひとつ、化学的な力によるものがあります。熱分解が不完全であるため、炭の表面に「酸性官能基」が残り、これがモノアミン類やアンモニアなどのアルカリ性物質を吸着するのです。この付近の温度で焼かれた炭としては、黒炭が該当しています。

したがって、たとえば冷蔵庫やトイレの脱臭には、黒炭のほうが適しています。トイレでは上の方に置くと、空気よりも軽いアンモニアをよく吸着します。冷蔵庫ではキッチンペーパーなどにくるんで野菜室に入れると、エチレンガスも吸収してくれ、野菜の鮮度がアップします。

シックハウス対策には、竹炭がおすすめ

いっぽう、有害化学物質の吸着能力が高い900~1000℃で焼かれた炭には、黒炭の一部と白炭が該当しますが、この中でも手に入りやすい備長炭は、ちょっと値が張るのがネックです。

そこで「竹炭」に注目してみましょう。竹炭は、1グラムで約450平方メートルの表面積をもち、及川教授らの研究では、とりわけホルムアルデヒドの吸着能力が高いとか。したがって、部屋に多めに置けばシックハウス対策になります。ペット臭など、いろいろなニオイも吸い取ってくれます。ただし部屋にはふつう何十種類もニオイがあるので、黒炭や白炭も合わせて配置すると、より効果的です。

また、見逃せないのは、炭の「調湿効果」です。調湿とは、湿度が高いときには除湿を、乾燥時は加湿を行ってくれること。この効果は、黒炭と竹炭が優れています。



木酢液・竹酢液ってどんなもの?
木炭を焼く窯の煙から抽出・蒸留される木酢液(竹炭なら竹酢液)の主成分は、酢酸、フィチン酸などのフィトンチッドです。
こちらの「森の恵み」もまた有効活用させる炭焼きは、じつに無駄がありません。フィトンチッドは、植物が何億年もかけて進化させてきた防衛機能の一種です。したがって、木・竹酢液が殺虫剤(園芸用)として効くのはある種当然ですが、木・竹酢液には推定で数百種類の成分があると言われており、そのためかどうか、美肌効果がある、アトピーに効く、花粉症に効く、水虫に…など、ありとあらゆる効能が報告されています。
有機JAS法で木・竹酢液の使用が今も認められていないのは、それら1つ1つの成分がよくわからないことがネックになっています。


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