ホーム > 砂糖 > 機構から > 最近における粗糖以外の砂糖の輸入動向について

最近における粗糖以外の砂糖の輸入動向について

最終更新日:2010年3月6日


[2002年8月]


 海外から日本へ輸入される砂糖は、そのほとんどが粗糖で、国内精製糖メーカーで精製され、ユーザーや消費者のもとへ届けられます。その他、数量的には少ないのですが、海外から直接ユーザーや消費者に届けられる砂糖に、精製糖や氷砂糖、角砂糖などがあります。近年の健康指向を背景としたオーガニックを謳った砂糖や、ベルギーワッフル用角砂糖など、日本の流行によって特殊な砂糖の輸入量が変化してきています。
このような粗糖以外の砂糖の全国における輸入動向について、取扱量が最も多い東京事務所から紹介します。


1.粗糖以外の砂糖とは

 現在、我が国の砂糖の消費量は年間約230万トンであり、そのうちの約3分の2を輸入に依存している。輸入される砂糖を 「砂糖の価格調製に関する法律(以下、「糖価調製法」と略す)」 によって分類すると、まず “分みつ糖” と “含みつ糖(黒砂糖等)” に大別され、糖価調製法の対象となる分みつ糖は “粗糖(精製糖の原料)” と “粗糖以外の砂糖” に分けられる。
 粗糖以外の砂糖は、精製糖、特殊糖、角砂糖、氷砂糖、混合糖に分類される。
 これらの糖価調製法上の定義を要約すると、
・精製糖-甘しゃ又はてん菜を原料とする分みつした砂糖で、精製工程を経たもの及び化学的に純粋なしょ糖。
・特殊糖-甘しゃ又はてん菜を原料とする分みつした粉糖・香味着色糖・顆粒糖・原料糖(乾燥状態でしょ糖の含有率が98.5度以上)、液糖(分みつした砂糖水)及びその他の糖(甘しゃ又はてん菜以外を原料とする分みつした砂糖)の総称。
・角砂糖-角砂糖その他これに類するもの。
・氷砂糖-氷砂糖その他これに類するもの。
・混合糖-上記の砂糖と砂糖以外の糖(ぶどう糖等)を混合した糖。
 とされている。
 つまり、粗糖以外の砂糖とは国内における精製工程を経ず直接ユーザーに消費される砂糖のことである。


2.砂糖の輸入動向

 表1にあるように近年の砂糖の総輸入量は約150万トンであり、このうちの0.1%程度が粗糖以外の砂糖の輸入である。これらの砂糖は、5~6年程前までは主として外国料理専門店やホテル等における使用、食料や医薬品の試験・研究用等の特殊用途として輸入されていた。しかし、最近、粗糖以外の砂糖のうち、精製糖と角砂糖の輸入量にこれまでにない特徴的な動きが見られるので、その内容を紹介したい。

表1 砂糖の輸入量の推移
事業年度
糖種
8910111213
粗 糖1,617,8451,684,6971,512,3601,482,9391,539,4991,528,570
粗糖以外9252,2781,6691,2911,6211,450
 うち精製糖31117287490742398
うち特殊糖224485209199217344
うち角砂糖6651,6711,168593652694
うち氷砂糖334479
うち混合糖221535
合 計1,618,7701,686,9751,514,0291,484,2301,541,1201,530,020
(注) 事業団売買実績のうち調製金の納付対象数量

(1) 精製糖の動き
グラフ1 オーガニック表示された砂糖の輸入動向
 精製糖のうち、オーガニックシュガー(有機砂糖)の輸入は、昨今の消費者の健康志向を背景とした有機農産物及び有機加工食品の需要に対する高まりのなかで増加してきている。
 グラフ1は、オーガニック表示のされた砂糖の輸入量を原産国別に示したものである。
平成8年度にわずかだった輸入量は、翌9年度には一気に450トン強へと増加した。これまでの年間輸入量のピークは12年度で約750トンとなっている。13年度においては約370トンと減少に転じているが、これは12年度時点で500トン程度あったパラグアイ産が、平成13年4月の改正JAS法の施行(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律;輸入有機食品についても国内産と同様に有機JASマークの添付が義務付けられた(参考資料参照))により途絶えたことが要因となっている。

(2) 角砂糖の動き
グラフ2 輸入角砂糖の用途
 特徴的な輸入量の推移を見せたのが、ベルギーワッフル用角砂糖である。ベルギーワッフルは、ベルギーの伝統的な菓子で、柔らかい甘さとシャリシャリとした食感が特徴であり、これは生地の中にベルギー産の小粒の角砂糖を使うことにより生み出される。国内におけるベルギーワッフルのブームは平成8年頃から始まり、9年度(ワッフル用角砂糖輸入数量、約1300トン)をピークに、その後だんだんと沈静化した。現在のベルギーワッフル用角砂糖の輸入量は、ブーム以前の状態にほぼ戻ったかたちとなっている。
 一方、ホテルや喫茶店等で使用されるフランス産角砂糖が、年間400トン程度恒常的に輸入されている。(グラフ2参照)

(3) その他
 氷砂糖の輸入量はわずかであるが、そのうち約半数がコーヒー・紅茶またはカクテル用として使用される「棒付き氷砂糖」である。また、粉糖や香味着色糖などの特殊糖は、大半が個性的な菓子等を製造する際の原料用として輸入されている。


3.まとめ

 わが国における砂糖の輸入量は、粗糖については減少しつつも年度による大きな変動はないが、粗糖以外の砂糖については精製糖や角砂糖の近年における動きように時々のブーム等によって変動が見られる。 昨今消費者が食品への安全性を重視する傾向のなかで、オーガニックシュガーの輸入が一時的ブームで終わるのか、あるいは継続していくのか、今後の動向が注目されるところである。

〔参考〕
改正JAS法の下での輸入有機農産物に係る取扱い
1.「有機砂糖」等の表示規制のあり方
 (1) 有機農産物のJAS規格に適合するものであるかどうかについて検査を受けた結果、これに合格し、JASマークの貼付されたものでなければ、「有機砂糖」等の表示をしてはならないこととなる。
(2) 有機農産物のJAS規格と関連して規制の対象となる表示は、「有機砂糖」、「砂糖(有機農産物)」、「砂糖(オーガニック)」、「砂糖(有機農法)」 等である。
2.輸入有機農産物の取扱い
  輸入農産物への 「有機」 表示についても、国内産のものと同様、表示規制の対象とし、「有機」 表示のされた農産物にJASマークが貼付されていない場合には、輸入業者はこれを販売してはならないこととなる。(JASマークが貼付されていないものは、「有機」表示を除去しない限り販売できない。)
 輸入有機農産物にJASマークを貼付するには、以下の二通りの方法がある。
(1) 外国生産工程管理者によるJASマークの貼付
 登録外国認定機関(*注)による認定を受けた外国生産工程管理者がJASマークを貼付
*注 JAS制度と同等の格付制度を有する外国において、国内の登録認定機関と同様の要件を満たす機関として農林水産大臣が登録するもの
(2) 認定輸入業者によるJASマークの貼付
 有機農産物についてJAS制度と同等の格付制度を有する外国において、当該国の制度の下での認証を受けた有機農産物であって、そのことについて当該国の政府機関等が発行する証明書が添付されているものについて、登録認定機関による認定を受けた輸入業者がJASマークを貼付
3.罰則その他の処分
 (1) JASマークの貼付に係る違反;1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
(2) 「有機」 表示に係る違反;
 表示の除去、販売の禁止等の命令
 (命令に従わなかった場合、50万円以下の罰金)





Copyright 2016 Agriculture & Livestock Industries Corporation All rights Reserved.