もしかしてこの肌荒れは肝臓が原因?理由や見分け方を知りたい!
WEB皮ふ科クリニック編集長のはるこ先生です!
この頃肌荒れがなかなか治らない、シミやくすみがお手入れをしているのに消えない、そんな方はいらっしゃいませんか?その肌荒れ、もしかしたら肝臓からのSOSかもしれないのです!お肌と肝臓の関係って実は結構深いのです。どうして肝臓が原因になるのか気になりますよね。理由、そして見分け方を一緒に見ていきましょう。肝臓をいたわって肌荒れを改善する方法もご紹介しますね!もしかしたら自分に当てはまるかも?と思った方、必読です。
肝臓の調子が悪いと肌荒れするのはなぜ?
肝臓は毒素を分解→無害化する
肝臓は体の中に入ったアルコールや薬物を分解して無毒にしています。アルコールは小腸から吸収されて肝臓に運ばれ、そして肝臓でアセトアルデヒドになってその後酢酸に分解されます。そして二酸化炭素と水になって体外に排出されます。薬やサプリも体にとって有用でも肝臓にとっては有毒なものです。睡眠薬を飲んで、朝眼が覚めるのは肝臓の解毒作用によって薬の成分が無毒化されているからなのです。
また体内で発生した有害物質も体外に排出されやすい形に分解しています。例えばアミノ質を分解する時には有害物質であるアンモニアが発生します。アンモニアは、肝臓に運ばれ、オルニチン回路という肝細胞の化学反応によって尿素になり体外に排出されます。
体内に摂取された有害物質も、体内で発生してしまった有害物質も肝臓は無害なものにしてくれています。
有害物質が分解されず、血液に混ざってしまう
肝臓の調子が悪くなると解毒作用の働きも低下してしまいます。体の中に入った有害物質は分解されず、そのまま血液に混ざってしまうのです。血液に有害物質が混ざってしまうと体の調子が悪くなってしまいます。
血行不良になる
肝臓の調子が悪くなると血行不良になってしまいます。肝臓はもともと血流の豊富な臓器です。体の血液全体の10パーセントから14パーセントが肝臓に流れてくるのです。そのため肝臓が疲れると肝臓に流れる血液の量も減少してしまい。全身の血行不良につながるのです。血行不良になると冷えなどの症状がでます。
栄養が体にいきわたらなくなる
肝臓は、食べたものを栄養素として体に吸収できるように変える働きもしています。炭水化物、たんぱく質、脂質という三大栄養素はもちろん、その他ビタミンなどの体に欠かせない栄養素の代謝も担っています。
例えば炭水化物から採った糖分をグリコーゲンという物質に変えて蓄えています。そして必要な時にエネルギーとして体内に放出しています。肝臓が疲れてしまうことで、こうした働きも鈍くなるので、様々な栄養がしっかり体に行き渡らなくなって疲労を感じるようになってしまいます。
皮膚は内臓の鏡、顔にでる皮膚症状
くすみ
くすみの原因は血行不良です。肝臓の疲れによって血行不良になるとハリやつやが失われて顔色がなんだか悪い?などと言われるようになってしまいます。また、肝臓は様々な栄養素、ビタミンやミネラルなどの活性化や貯蔵も行っています。
肝臓の働きが低下すると、肌に大切なビタミンBの活性化や貯蔵がうまくできず、肌もくすんでしまいます。ビタミンBを補充して、よく睡眠をとって体の疲れをとるようにするといいですよ!ビタミンBは水溶性なので、肝臓の負担にもなりにくいビタミンです。
シミ
肝臓の調子が悪くなると、シミもできやすくなります。シミの原因、「メラニン」は「グルタチオン」という成分が抑制しています。グルタチオンは肝臓で生成され、解毒作用に大きく関わりがあります。肝臓の調子が悪くなるとグルタチオンも減少してしまい、メラニンの抑制が低下してしまうのです。そのためシミができてしまうのですね。紫外線を避けて、シミケアをしておきましょう。グルタチオンが多く含まれる食べ物を食べるのも効果的です。
グルタチオンが多い食べ物
- アスパラガス
- ブロッコリー
- アボカド
- スプラウト
- オレンジ
- いちご
- レバー
- 豚ヒレ肉
- まだら
- 赤貝
などです!野菜や果物、肉や魚介類様々な食材から取れるので、バランスもよくなりますよ。
※よく耳にする「肝斑(かんぱん)」は女性ホルモンが関係するシミで、肝臓の働きとは関係ありません。シミの形が「肝臓に似ているから」ついた名前なので注意してくださいね。
乾燥肌
乾燥肌も肝臓の調子と密接な関係にあります。保湿をしてもなかなか治らない乾燥肌は肝臓の調子が悪いことが原因の可能性があるのです。肝臓の調子が悪くなると栄養素が体に行き渡らなくなってしまいます。細胞にも栄養が行き渡らなくなるので、肌の細胞も栄養不足になってしまいます。
そうなると肌の代謝がうまくいかなくなり、保湿する力も衰えてしまうので乾燥してしまうのです。
ニキビ
肝臓の調子が悪くなると、代謝機能も低下してしまいます。そうすると処理しきれなくなった老廃物は、うまく排泄されなくなってしまいます。排泄されない老廃物は肌に現れます。大人になって、頬など皮脂の少ないところにできるニキビは肝臓からきている可能性があります。油の多い食事を続けた時など、ニキビがやたらとできた覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ニキビケアと同時に脂っこい食事や甘いものの食べ過ぎに注意すると改善されていきます。
湿疹やかゆみ
湿疹やかゆみも肝臓の機能低下からきていることがあります。肝臓の働きが悪くなってしまうと解毒作用も低下してしまいます。そのため解毒できなかった毒素が体内に滞りがちになり、皮膚に湿疹などの皮膚炎の症状として現れてしまうのです。
また毒素のためかゆみも起こります。かゆみ止めを使ってもかゆみが治らない時は、肝臓の調子が悪くなっている可能性があります。
かゆみ症状で、顔だけではなく全身がかゆい、という時は内科の病気が隠れているかもしれないので注意が必要です。肝臓病の患者さんでは3人に1人がかゆみを訴えたというデータもあるので、かゆみが続く時は病院へいきましょう。
肝臓に関連するかゆみには「オピオイド」という体内の物質が関係していると言われています。オピオイドはモルヒネに似た鎮痛剤として知られているのですが、肝臓病の人はオピオイドバランスが崩れて、かゆみを強く感じると言われています。
他にも気をつけたい肝臓疾患の症状
その他に肝臓病の症状では
- 体がだるい
- やたらと眠い
- 体重が減る
- 食欲不振
- 足がむくんでだるい
- 微熱がある
- 息切れ
- 白っぽい便が出る(脂肪便と言います)
などが見られます。
肌荒れの症状の他にこのような症状が見られたら肝臓が原因の可能性があります。
肝臓疲れを労わって肌荒れ改善する方法
肝臓疲れを労わって美肌を取り戻しましょう!肝臓疲れをいたわる方法を説明します。
添加物やアルコールなどを避ける
肝臓の解毒作用も、次から次へと添加物やアルコールが入ってくると追いつかなくなってしまいます。
加工食品など添加物の多い食べ物はなるべく摂らないようにしましょう。ジャンクフードも控えるようにします。アルコールも肝臓には負担が大きいものです。お酒の席は楽しいけれど、飲み過ぎには注意が必要です。肌の調子が悪い時は、お酒を飲まないということも必要ですよ。
肝機能を改善する食べ物を食べる
肝機能を改善する食べ物を積極的にとりましょう!
- ブロッコリーやかぼちゃ 緑黄色野菜をしっかりとる。
- しいたけやえのきなどキノコ類 食物繊維もたっぷりと。
- 豆腐や納豆 など植物性たんぱく質をとる。
- 鶏の胸肉や白身魚など動物性たんぱく質をとる。
- 牡蠣 良質のミネラルをとります。
また、ビタミン豊富なローズヒップティーやハイビスカスティーを積極的に飲むのもいいと言われています。
※しじみには肝臓にいい成分が含まれていて、昔から肝臓に良いと言われていましたが、最近の研究ではかえって肝臓に負担をかけるというデータもあるそうです。それはしじみに含まれる鉄分が原因と言われています。
漢方
肝臓に良いとされている漢方があります。症状や体にあった漢方を飲んで肝臓を労わります。漢方もお薬なので、合わないと肝臓の負担になってしまいます。飲む前にお医者さんによく相談すると安心ですね。
| 漢方薬名 | 向いている症状 |
|---|---|
| 大柴胡湯(だいさいことう) | 体力があって肩こりや便秘、口の中が粘つく人。みぞおちの左右を押すと痛い。 |
| 小柴胡湯(しょうさいことう) | 大柴胡湯より症状が軽めで便秘のない人。 |
| 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう) | 体力は普通でのぼせやすい、肩こりや疲労感のある人。 |
| 四逆散(しぎゃくさん) | 体力は普通で、脇腹がはる人。イライラや不眠のある人。 |
| 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) | 体力がなく疲れやすい人。 |
| 人参湯(にんじんとう) | 体力がなく、胃の具合の悪い人。 |
血行促進
血行を促進して肝臓をいたわりましょう。ぬるめのお風呂に入ると血行が促進されます。注意するのは熱いお湯に入らないこと。内臓の血液が減ってしまい逆効果になります。また食事のすぐあと入るのも胃の負担になってしまうのでやめておきます。
ウォーキングやストレッチなどの運動も血行促進に効果があります。毎日無理のない程度で続けるのが効果的ですよ。
肝臓をカイロで温める、というのが効果的だと推奨しているお医者さんもいます。肝臓のある、右腹部あたりにカイロを服の上から貼るだけ。体も温まるので試してみるのも手ですね。
腸内環境の改善
実は便秘も肝臓を疲れさせる原因となるのです。腸に排出されないまま長時間便がとどまっていると、腸内は悪玉菌優勢となっています。悪玉菌はアンモニアなど有害物質を生産してしまいます。アンモニアは腸から吸収され、血液で肝臓まで届きます。肝臓は一生懸命解毒してくれるのですが、アンモニアの量が多くなって、処理に疲れてしまうのです。
ですから便秘は肝臓のためにも禁物です。改善方法としては、ヨーグルトや納豆など善玉菌が多く含まれた食品を取ること、水分と食物繊維をしっかりとること、体をよく動かすことです。どうしてもダメな時は便秘薬もいいですが、習慣にならないようにしましょう。
腸と肌荒れ
腸と肌荒れにも深い関係があります。便秘で腸内が悪玉菌だらけになり腸年齢も更けてしまいます。腸内で発生した有害物質は腸から血液中に流れ、全身に運ばれてしまうので肌も荒れるのです。腸もきれいにすることで美肌を取り戻すことができますよ。
その他にも肝臓をいたわる方法ってありませんか?
あります!
・睡眠をしっかりとること。
・食べ過ぎないこと。
・禁煙をすることなどです。
心当たりがある人は気をつけてくださいね!
肝臓を疲れさせる生活習慣
毎日忙しく過ごしていると、知らないうちに肝臓を疲れさせる生活習慣になっているかもしれません。ちょっと自分の生活習慣を見直してみましょう!
アルコール
肝臓を疲れさせるのはやはり「アルコール」です。お酒の席は楽しいけれど、飲む量は適量を心がけましょう。たくさん飲むと肝臓はアルコールの分解で疲れてしまいます。
肝臓が解毒できるアルコールは「1日平均純アルコール20g」です。ビールだと中瓶1本、ワインだと180ml程度です。飲むときはこの量くらいにしておきます。アルコールを飲まない日を作るのはもちろん、疲れているな、という時は飲まないようにしましょう!
砂糖や脂肪たっぷりの食事
お酒を飲まなくてもお砂糖や脂肪たっぷりの食事をとっていれば肝臓を疲れさせてしまいます。量が多ければ多いほど肝臓は糖や脂肪の代謝に忙しくなり、大きな負担になってしまいます。ジュースなどの甘い飲み物や、クッキーやケーキなどのスイーツ、ポテトフライや唐揚げなどの脂っこい食べ物はほどほどにしましょう!
ストレス
ストレスを抱えているのも肝臓にはよくありません。肝臓はストレスで生じる活性酸素に弱い臓器なのです。ですからストレスは積極的に解消しましょう。肝臓が不調だと怒りっぽくなる人もいるようです。どうも最近イライラしすぎる、怒りっぽい、という時はストレスが溜まっている可能性があります。ストレスはやけ食いや睡眠不足も招きがちなので、運動したり、趣味に打ち込んだりして解消してくださいね。
過剰なサプリや薬も肝臓を酷使する
体に良さそうなサプリやお薬ですが実は肝臓を酷使してしまうのです。あれにもこれにも効きそう、といろいろな種類のサプリをたくさん飲むのはやめておきましょう。肝臓の解毒作用を忙しくさせてしまいます。またサプリには添加物が入っている場合もあります。これも肝臓が解毒しなければならないので、サプリを摂るときは気をつけましょう。
また、ビタミン剤のビタミンAやEは脂溶性で肝臓に溜まってしまいます。体に良さそうですが、飲み過ぎは肝臓の負担になります。たくさん飲めばいいというものでもないので、用法用量をきちんと守りましょう。
お薬はお医者さんでもらった量を適切に飲んでいれば大丈夫ですが、長期にお薬を飲む場合などで調子が思わしくない時は相談をする方が安心ですね!
喫煙
喫煙も肝臓を疲れさせます。タバコを吸って体内に入った有毒物は全て肝臓が処理をしてくれます。タバコに含まれるニコチンは、肝臓の血流を減らすというデータもあります。タバコを吸う人は、1日に何本か吸うことが多いので絶えずニコチンなどの有毒物が肝臓に届くことになります。そうなると、肝臓は休まる時がなくひっきりなしに解毒をしなくてはなりません。そのため肝臓が疲れてしまうのです。
タバコは肌そのものにも悪影響です。肝臓のためにもお肌のためにも、禁煙をおすすめします。
肌荒れから想像される肝臓疾患
肝臓の疲れで必ずしも肌荒れや皮膚炎などの症状がでない場合もあります。肌荒れがないから肝臓が大丈夫!と過信せずに肝臓を労わる生活をしましょう・
また健康診断を毎年受けていいて。いつも肝臓の検査値は正常範囲だから大丈夫!という時でも油断は禁物です。正常範囲であるものの徐々に数値が上がっている、ギリギリの値だ、などの傾向が見られたらちょっと気をつけておきましょう。肝機能が低下している可能性があります。
肌荒れからはどのような肝臓疾患が考えられるかも説明します。
- しつこいかゆみ ⇒「原発性単純性肝硬変」(自己免疫異常による疾患) 「肝臓がん」「肝硬変」など
- ニキビ、肌荒れ ⇒「脂肪肝」など
- シミ、くすみ ⇒「肝炎」など
思い当たる肌荒れがあるなら病院へ検査に行こう
最近シミができた、くすみがケアしても取れないとか、やたらとニキビができる、乾燥するなど思い当たる肌荒れがもしあったら、病院に検査にいきましょう。他に疲れやすい食欲がないなどの症状がある時も病院で相談してみましょう。検査は最初は血液検査の場合が多いので、それほど負担になる検査はありません。他にはレントゲンや超音波検査があります。また健康診断の数値がなんとなく不安だという場合も、病院へいきましょう。