洗顔はきちんとしていて、食事も睡眠もしっかりととれているはずなのに、ニキビや吹き出物がなかなか消えない…とお悩みの人にお聞きします。「便秘や下痢になっていませんか?」
実はニキビや吹き出物が出やすい人は、腸内環境を悪くしている人がほとんどだといわれています。一見、便秘や下痢とニキビなどとは関係がないように思われそうですが、腸内環境が肌と密接にかかわりがあるのです。
ニキビや吹き出物が起こる原因
まず、ニキビと吹き出物の違いから改めて見ると、以下のような分け方をされることがあります。
ニキビ
20歳までにできる、顔面の皮膚の炎症性疾患。「思春期ニキビ」ともいわれる
吹き出物
20歳以降にできる、肌の皮膚の炎症性疾患。「大人ニキビ」ともいわれる
思春期にできるニキビは、皮脂の分泌量が原因であることが多い一方で、大人ニキビとも呼ばれる吹き出物は、生活習慣の乱れやストレスからも起こるといわれています。つまりニキビと吹き出物とでは改善策が異なるというわけです。
しかし実はニキビも吹き出物には、共通する改善策もあるのです。それは、「腸内環境を整える」ことなのです。
悪玉菌の増殖による便秘が肌トラブルの原因に
私たちの腸には約1000種類、1000兆個の腸内細菌が住んでいるといわれています。その中には善玉菌と悪玉菌、そしてそのどちらでもない日和見菌と呼ばれる菌がいます。善玉菌は私たちの身体にとって良い働きをしてくれる菌で、善玉菌が多いほど体も肌も健康的だといえます。悪玉菌は身体にとって悪影響を及ぼすものです。日和見菌は、善玉菌優位の状態では、善玉菌と同じように働きますが、悪玉菌が優勢になると、悪玉菌のように悪さをし始めます。
便秘は、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れて、悪玉菌が増殖することから起こります。悪玉菌は人間に害のある有害物質や毒素を出すのですが、その悪玉菌が増えることにより善玉菌の割合が減り、腸のぜん動運動がうまくいかず排便が妨げられて、便秘や下痢を繰り返すようになります。
こうして生まれた有害物質や有毒ガスは、便として排出されないと、腸の壁から血液中へ吸収され、血管を通じて全身に広がっていき、最終的に有害物質が肌へ向かってしまうのです。
肌から毒素を排出する際には、皮脂と一緒に毒素を出そうとしますが、毒素の影響により毛穴が傷ついて皮脂詰まりを起こしやすくなり、これがニキビや吹き出物の原因となってしまいます。
また毒素の刺激が肌の奥のメラノサイトに伝達し、メラミンの大量発生を促してシミができてしまう恐れもあります。皮脂というのは、本来肌を守るベールのような役割を果たすのですが、毒素を含んでいるため逆に肌を傷めてしまうこともあります。
したがって、便秘を早く解消、予防することが、皮脂分泌のコントロールに、ひいては美肌づくりにとても重要になってくるのです。
美肌への近道は腸の善玉菌を増やすこと
便秘を解消、予防して美肌に改善するためには、腸を外側から刺激したり、体内から刺激するために水を飲む方法などもありますが、最も効果的なのは、腸内で善玉菌を増やして、悪玉菌を減らすことです。善玉菌を増やすためには、善玉菌として働く乳酸菌などの細菌を積極的に摂取することがおすすめです。
善玉菌の代表格といえる乳酸菌は、腸内で乳酸を作ることで腸内環境を酸性にする働きがあります。腸内が酸性に傾くと、腸が刺激を受け、自律神経へ伝わって、腸の中で消化物を肛門へ移動させるぜん動運動が活発になり、スムーズな排便を促します。
乳酸菌を摂取することが便秘の解消や予防となり、そして便秘をしない体には毒素や有害物質がたまらないので、肌の調子も良くなります。
ニキビや吹き出物にはスキンケアよりも腸内環境改善を
ニキビや吹き出物を改善させようと思うと、やはりまずはスキンケアに目が行きがちです。中には、高価なものも含めていろいろな化粧品を試してきたけれども実感がなかった…という方もいたかもしれません。
そんな方こそ、ぜひ腸内環境を改善して便秘をスッキリ解消させることがおすすめです。腸内環境が整っていると、口にした食べ物や水分が腸でうまく消化吸収されて、それによって摂り入れた栄養素が腸を通じてしっかりと肌の奥へと届き、美肌へと導くのです。
腸内環境が整えば、ニキビや吹き出物を繰り返すこともなくなります。スキンケアに力を入れるよりも、善玉菌である乳酸菌を含む食品を積極的に摂取して日常的に腸内環境を整えていく。これによって腸が元気になるだけでなくて肌の皮脂分泌が正常に機能しますし、ニキビや吹き出物がない、毛穴が気にならない美肌に戻すためには最善の近道なのです。
善玉菌を増やすために摂りたい3つの食品群
乳酸菌は、ヨーグルトをはじめさまざまな乳製品に多く含まれています。最近では、日本古来の漬物やキムチなどの発酵食品にも含まれることが分かってきました。また、乳酸菌と併せてオリゴ糖や食物繊維を摂ることで、善玉菌パワーがさらにアップします。これらの食品をうまく毎日の食生活に取り入れて、腸内環境を整えましょう。
1.乳酸菌
- 植物性乳酸菌が含まれる漬物、キムチ、納豆、味噌など
- 生きて腸まで届くヨーグルトなど
- ナチュラルチーズ
胃酸などで死滅した善玉菌も、腸内にいる善玉菌のエサとなってくれますが、生きて腸まで届く乳酸菌を選ぶなどして、腸に定着できるようにしてあげると良いでしょう。
2.オリゴ糖
- 大豆、玉ねぎ、キャベツ、イモ類、ごぼう、アスパラガスなどの野菜
- バナナ・りんごなどの果物
- 豆腐、納豆、味噌、しょうゆ、牛乳など
- 大豆オリゴ糖
オリゴ糖は善玉菌のエサとなるので、ぜひ同時に摂取したいです。特に大豆オリゴ糖は少しの量でも善玉菌を増やせて、便秘解消や腸内環境を改善する働きがあります。熱や酸に強く、カロリーは砂糖の半分程度で、大豆オリゴ糖を配合したトクホ商品もあります。
3.食物繊維
- 水溶性食物繊維を含む野菜:善玉菌を増やして、腸内環境を改善する
(大麦、ライ麦、サツマイモ・人参など) - 不溶性食物繊維を含む食品:便のかさを増やし、便通をスムーズに改善する
(海藻、きのこ、豆類、アーモンドなど)
食物繊維は善玉菌のエサとなるうえに、悪玉菌が生み出した有害物質を排出させる働きがあるので、ぜひ同時に摂りたいですね。
このように、ニキビや吹き出物をはじめとしたさまざまな肌トラブルも、腸内環境を改善することによって毛穴の皮脂バランスを整えて、肌のバリア機能を高めることができます。腸内の悪玉菌を減らして善玉菌を増やすように、食事面を中心にストレスのかからない、規則正しい生活習慣を心がけてください。