「耳掃除を毎日やらないと気が済まない」「ムズムズするから1日に何回も耳掃除をしてしまう」
耳掃除が大好きな方は意外と多いものですが、それは本当に耳垢でしょうか?
血が出て、耳の中にかさぶたができてしまうほど掃除してしまう方。
取る必要のないものまで取っていませんか?
耳の中にかさぶたができる原因
耳掃除をやりすぎると「外耳道炎」や「外耳道湿疹」といった、かさぶたができる疾患を引き起こすことがあります。
「外耳」とは、耳の入口から鼓膜までの部分のこと。
耳掃除をする部分でもありますが、耳垢をつくる耳垢腺や脂腺があるのは耳の入口から1/3ほどのところまで。
つまり、耳垢は耳の入口付近のみにしかないので、外耳の奥まで耳掃除をする必要はないのです。
外耳道炎
耳掃除のやりすぎなどで外耳に傷ができ、そこから細菌が侵入すると炎症を起こします。
外耳道炎の症状
- 痛み
- かゆみ
- 耳だれ
- かさぶたができやすくなる
さらに、以下の症状が加わることもあります。
- 耳閉感(耳が詰まる感じ)
- 耳鳴り
- 難聴
とくに「かゆみ」は外耳道炎の初期症状としてよく見られるため、悪化する前に対処するなら、かゆみの段階で気付く必要があります。
外耳道炎になる原因
外耳道炎は傷から細菌が侵入することが原因ですが、多くの場合、耳掃除のしすぎが関係しています。
外耳道炎になってかゆみが出ると、ついつい強く掻いて悪化させてしまいます。
外耳の皮膚はとても薄く、デリケートなのでかゆくても掻かないことが大切です。
外耳道炎の治療法
外耳道炎は、軽症なら1~2日で自然治癒していきます。
しかし治りにくかったり悪化したり、何度も繰り返すというようなら原因がほかにあることも考えられます。
糖尿病や免疫疾患、がんの末期などで全身状態が悪いときに、外耳道炎も併発しやすいようです。
治療には抗生剤やステロイド剤の軟膏、点耳薬、内服薬などが病院の判断で処方されます。
また感染したものが細菌ではなく真菌(カビ)であることもあり、その場合は抗真菌薬を使う必要があります。
外耳を清潔にしておくことも大事で、病院で洗浄が行われることもありますが、やはり外耳を刺激しないように気を付けることが重要です。
外耳道湿疹
湿疹というと皮膚にぶつぶつができて、かゆみを伴うものですが、外耳道にできることもあります。
外耳道湿疹の症状
- 強いかゆみ
- 炎症により赤くなって水疱ができる
- 水っぽい透明な耳だれ
- かさぶたになってポロポロと剥がれ落ちる
強いかゆみが特徴ですが、掻いてしまうと余計に悪化してしまうので、我慢することが大切です。
患部が乾燥し、かさぶたが剥がれると治癒へと至ります。
外耳道湿疹になる原因
外耳道湿疹は、外耳になんらかの刺激が加わることで発症します。
こちらも耳掃除のし過ぎが大きく関係していて、掻きすぎて皮膚が剥がれ、皮膚炎を起こすことが多くなっています。
ほかには中耳炎による耳だれ、金属やシリコンなどアレルギー物質による接触性皮膚炎、耳垢腺や脂腺の分泌異常、アトピーなどが原因となることもあります。
外耳道湿疹の治療
外耳道湿疹は繰り返し発症しやすいため、原因を特定してそれを避けた生活を送ることが求められます。
治療にはステロイド剤などの薬が使われますが、やはり大事なのは、かゆくても掻かないこと。
掻いて傷ついて、そこから細菌が侵入してしまうと悪化するので気を付けましょう。
耳掃除に注意!
いらないものと思われがちですが、耳垢には3つの大事な役割があります。
- 自浄作用・・・外的要因から守る
- 保湿作用・・・乾燥から守る
- 抗菌作用・・・細菌から守る
耳垢のタイプは2つ
耳垢には乾燥タイプと湿潤タイプの2種類があり、日本人に多いのは乾燥タイプで8割以上にもなると言われています。
乾燥タイプ
乾燥タイプの人は耳かきを使うことが多いと思いますが、先端の硬いものは外耳を傷つける恐れがあるためおすすめできません。
いくら乾燥しているとはいえ、ガリガリ引っ掻いてしまうと細かい傷が付いてしまい、外耳炎になりやすくなります。
綿棒を使うか、先端が柔らかい素材でできている耳かきもあるので、探してみて下さい。
湿潤タイプ
湿潤タイプの人は、耳垢腺や脂腺が人より多いため耳垢も作られやすく、綿棒を使うことが多いと思います。
それでも年に2~3回ほど、耳鼻咽喉科で耳垢を除去してもらえば十分との見解もあります。
綿棒で耳掃除をすると、かえって耳垢を奥に押し込んでしまうこともあるので、やりすぎには注意しましょう。
耳掃除の仕方
本来、耳垢は口の開閉動作などによって自然と外へ送られていくような仕組みになっています。
耳垢が溜まるということは、どこか別のところに問題があるということなので、一度、耳鼻咽喉科で診てもらうと良いでしょう。
自分で見るのが難しい部分に、耳かきや綿棒を入れて耳掃除をするというのは、実はとても危険な行為なのです。
皮膚の薄い外耳は、ちょっとした摩擦でも皮がはがれてしまうことがあり、出血してかさぶたをくり返します。
かさぶたは無理に剥がそうとせず、ベビーローションなどで保湿をして放置し、自然に剥がれてくるのを待ちましょう。
かさぶたにならないようにする、正しい耳掃除の仕方というものがあります。
耳掃除の回数
耳掃除の頻度は、2週間に1回程度、月に2回で十分といわれています。
毎日耳掃除をしていた方は、しばらくムズムズ感があるかもしれませんが、グッと我慢してみましょう。
耳掃除をする場所
奥の方まで耳かきや綿棒を入れている方も多いと思いますが、目安は耳の入口から1 cmのところまでです。
奥まで掃除しようとすると、耳の粘膜や鼓膜を傷つけてしまう危険があるので注意しましょう。
耳掃除をする姿勢
耳かきをする際に、膝枕で横になってする方も多いですよね。
しかし横になった状態だと、掻きだした耳垢が耳の奥にこぼれ落ちてしまうことがあります。
耳掃除をする時は、座った状態になるように心掛けると良いですね。
また耳掃除をするときは、子どもが突然抱きついてきたりしないか、周りを確認した方が良さそうです。
予想していなかったことが起こって鼓膜に穴が開いてしまった、という方もいるので注意して下さい。
耳鼻咽喉科での耳掃除
耳掃除は医療行為の一つとして、耳鼻咽喉科でも行われています。
耳鼻咽喉科では、耳の中を見るための耳鏡や細い耳かき、場合によっては吸引機なども使われます。
耳垢が溜まりやすいという人は、検査もかねて一度、耳鼻咽喉科で耳掃除してもらってみても良いのかもしれません。
さいごに
耳の中にかさぶたがあるということは、出血して傷が付いているということです。
普通の皮膚と同じように、耳の中を保湿するところから始めるといいですね。
かさぶたが悪化して重大な病気を引き起こしてしまう前に、正しいケアをするように心がけていきましょう。