2. 水晶ストーリー
水晶の特徴
結晶の形を示す原石は、先端が尖った六角形の柱状となります。
水晶と聞くと無色透明な石を連想するかもしれませんが、天然の水晶ならば、内部に白っぽいスモークや他の鉱物などのインクルージョン(内包物)、クラック(ヒビ)が見られるのが普通です。内包物が見られれば、それは天然品の証であると考えてよいでしょう。
水晶とは慣習化した呼び名であり、成分的には石英(Quartz)にあたります。
石英と聞くと、岩のような白い塊を連想する方が多いと思いますが、石英の中でも六角柱状の単結晶の形を示したタイプが、一般的に水晶と呼ばれてきました。
単結晶とは、成長過程で結晶同士が合わさってクラスター状態になることはあっても、結晶の自形が分かるものです。
一方、水晶ではなく石英と呼ぶ場合は、結晶の形になっていない塊状のものや、岩石に組み込まれているタイプを指します。
ただし、これらは慣習的な呼び名ですから、はっきりした定義や線引きがあるわけではありません。
塊状の石英であっても、自形結晶が割れたり溶かされたりして破片になったものか、岩石に組み込まれていた一部分だったかの判別は難しく、こうした場合、透明ならば水晶、不透明なら石英と呼ぶ、という決め方もあります。
しかし、透明度があったとしても、岩石に組み込まれていれば石英と呼ぶのは普通ですし、同時に、漢字の雰囲気から水晶と呼ぶ人も多くなります。
今では一般的なお店等で販売されている場合は、自形結晶を示すタイプから不透明な塊状の石英まですべて含めて、広い意味で水晶という名称が使われています。
本事典における解説も、そうした広義の意味での水晶を対象にしています。
名称の由来
和名では、古くは水精と記載しました。
英名では、クリスタル(Crystal)という言葉を用いて呼ばれてきました。
古代ギリシアでは、氷のことを「krystalos(クリスタロス)」と呼び、これが英語の「Crystal(クリスタル)」の語源です。昔は、水晶とは氷が極度に凍って溶けなくなってしまった、氷の化石と考えられたからです。
クリスタルとはもともとは水晶を指す言葉だったのですが、今では「結晶」を意味する言葉になっています。
また、シャンデリアなどに用いられるクリスタルガラスや、スワロフスキーに代表される透明ビーズもクリスタルという名が付けられる場合があるため、一般的にクリスタルとは透明なものを意味する言葉になっています。
そのため、英名では、天然石である水晶と、クリスタルガラス等を区別するために、ロッククリスタル(Rock Crystal)、クリスタルクォーツ(Crystal Quartz)という呼称を用いています。
最近では、クリアークォーツ(Clear Quartz)という呼称も普及してきました。これはシトリン(Citine Quartz、黄水晶)やローズクォーツ(Rose Quartz、紅水晶)といった、色付き水晶に準じた呼び方です。
水晶の意味
パワーストーンを持つならば、水晶はまず最初に揃えたい基本の石であり、様々な用途に使用できる万能のパワーを持ちます。石の収集は「水晶に始まり、水晶に終わる」といわれます。
【古代より神聖視されてきた石】
水晶は産出地も多いことから、古くから世界各地で神聖視され、宗教儀式や祈祷、浄霊、邪気払い、病を治療するため呪術ツールとして用いられてきました。
オーストラリアの先住民であるアボリジニの間では、水晶は霊力の根源であり、宇宙は虹色の蛇が水晶のパワーを借りて創り上げたという天地創造神話が伝えられています。
ネイティブアメリカンのメディスンマンは、水晶はグレートスピリットのチカラを宿した石と考え、ヒーリングに用いました。これはアメリカ先住民に限らず、世界各地のシャーマニズムに見られる傾向です。
古代ギリシアでは、水晶玉を使って太陽光を集め、祭壇の火を付けたり、傷口の消毒をしたといいます。
もちろん、予知を得るための占術のツールとしてもしばしば用いられてきたことは、一般にもよく知られています。
【日本における水晶】
日本でも各地で水晶を産出し、とくに山梨が大きな産地でした。弥生~古墳時代には勾玉や玉が作られ、水晶を加工した工房跡なども各地で発見されています。こうした加工品は、豪族などの有力者しか持つことができなかったと思われ、大和朝廷成立後は、下賜品として使われたようです。
正倉院の中にも水晶の製品や薬としての石英が多数収納されていますし、甲府の玉諸神社は、水晶を御神体とする神社として知られています。
明治維新後は、水晶の加工品が海外にたくさん輸出され、明治天皇にも大きな水晶玉が献上されました。
山梨の職人は水晶の加工技術に優れ、世界的にも有名になりました。しかし今では掘り尽くされてしまい、現地で販売されている水晶や他の天然石は、ほとんど海外からの輸入品になっています。
現在日本で商業的に水晶が採掘されている場所はありません。
ちなみに日本の国石は水晶です。
【現代生活に欠かせない水晶】
水晶は圧力を加えると一定の周波数で振動する性質があり、極めて安定した物質であるため、水晶発振子として様々な機器に組み込まれています。典型的な例はクォーツ時計です。その他、ラジオ、携帯電話、テレビ、CDプレーヤー、パソコンや車なども含め、ほとんどの電化製品に水晶デバイスが組み込まれています。
こうした機器に使われる水晶は、一定の品質で大量に必要とされるため、ほとんどが人工的に合成された水晶です。
【水晶は調和の石】
パワーストーンの中には非常に個性的なタイプもあり、人によっては合う石・合わない石といった相性の問題が出てくる場合があります。しかし水晶はそうした突出した偏りがなく、エネルギーの性質がニュートラルで、波動の放出も安定しているため、ほぼ誰でも無理なく使用できる石です。
水晶のエネルギーの中心的な暗示は、「調和」です。水晶パワーを使った効果効用はたくさん語られていますが、その多くは「調和」という観点から解読できます。
例えば、水晶の効果として筆頭にあげられるのは、浄化作用です。
水晶のエネルギーは、人のオーラ、精神面、肉体面など、様々な側面から、「本来あるべきでないもの」を排除しようとします。別の言い方をすれば、水晶エネルギーは、その場を「本来あるべき状態」に戻そうとします。その一環として、不必要であったり害毒になりそうな要素が浄化されることになります。同時に、心身の各側面を統合してバランスを取り直そうとします。
結果として、水晶を持っていた人のオーラが修復されたり、細胞が浄化されたり、全体性が回復することで、病が治まる方向に向かうことがあるでしょう。
人間に関するだけでなく、水晶の置かれた空間についても同様です。水晶エネルギーは、その場を本来あるべき姿に戻すために波動調整を行い、その場を害する波動を排除しようとします。それが邪気払いや浄霊につながり、結果として場が清められたという現象に達するわけです。
各種あるパワーストーンの浄化やエネルギーチャージに水晶が使われるのも、同様の理由です。酷使されて疲れた石を水晶の上に置いておくと浄化され、チカラを回復するとされます。
また、多種類の石を混ぜて使う場合は、水晶もその中に入れることによって、バラバラになりがちなエネルギーに調和をもたらし、バランスの取れた状態に調整してくれるとされます。
【水晶と瞑想、想念の具現化】
水晶は祈祷や瞑想の道具としてあまりにも有名です。
水晶を持って瞑想すると深く瞑想できるといわれますし、意識の拡大、チャクラのクリーニング、スピリットガイドとの通信、前世の探索、次元旅行、創造力を高める、テレパシーや透視能力を高める・・・、といった効果効用が語られる例は枚挙に暇がありません。
水晶が祈祷や瞑想の道具として定評があるのは、まるで水晶玉が太陽光を一点に集めるかのごとく、持ち主の集中力を高め、精神エネルギーを集約して次元を超越する媒介物となりやすいためなのでしょう。加えて、他の石と違い、水晶は持ち主の意図をプログラムしやすい石であるとも考えられます。
つまり、水晶は人の精神を集中させ、想念という名のエネルギーパターンを受け取り、それを高める増幅器としての役割を果たすことが得意なわけです。
水晶を通した人の想念は、高次の波動となってスピリットの世界に放たれ、言わば光通信のようなイメージで高次のガイドとつながったり、想念が現実化する原型を創り上げていくことになるのでしょう。
結果的に現実世界にいる人間に良いアイディアがもたらされたり、シンクロニシティが起こりやすい環境設定がなされ、「運が良い」と感じる出来事が起こったり、願いが叶ったりしやすくなると考えられます。
集中力を高める効果は、勉強や仕事の時に役立ち、記憶力を増すことにもつながるでしょう。消極的な性格で困っていたり、ひとつの物事に集中できない傾向にあるなら、一度水晶のエネルギーを感じてみてください。
なにより、自らの願いが叶ったイメージを水晶に投影することで、恋愛、仕事、金運財運、健康、受験など、さまざまな祈願成就のサポート役となってくれるに違いありません。
ただし、水晶を通して放った想念は、まず自分に還ってくる性質があります。ネガティブな想念を放つと、自分を害することにつながるので注意が必要です。
余談ですが、失われた古代文明として伝えられるアトランティスでは、科学技術が高度に発達し、それは水晶エネルギーによって支えられていたとまことしやかに語られています。
もしかしたらアトランティスが一夜にして亡んだのは、本来「調和」を焦点としている水晶エネルギーを、加害的な用途に使おうとしたために自らを破壊の対象にしてしまったのかもしれません。
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