AGAコラム
みなさんはザガーロという薬をご存じでしょうか。脱毛症の抑止に効果があるとされるプロペシアの後発薬として開発され、日本では2015年に厚生労働省からの認可を受けた医薬品です。先行薬のプロペシアよりも高い効き目があるとされ、抜け毛や薄毛を防いでくれるだけでなく、実際に髪の毛が生えてくる育毛や発毛への効果が期待されています。
ザガーロは、男性型脱毛症(AGA)を治療するために開発された医薬品です。この薬の主成分は、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンの増加を抑える働きをもつ、デュタステリドという化合物でできています。ジヒドロテストステロンには、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を促す働きがあり、皮脂が分泌されすぎると頭皮にある毛穴をふさいで、発毛を妨げたりうぶ毛しか生えてこなくなったりする場合があります。
デュタステリドは、5-αリダクターゼの生成を抑えることで、ジヒドロテストステロンの増加を防ぐ作用を持っています。
ザガーロは、前立腺肥大症の治療薬としても使われている薬で、世界102ヵ国以上の国で使用されて安全性が確かめられています。お隣の国韓国では、2009年からすでに医薬品としてAGAの治療に使われていて、日本ではグラクソ・スミスクライン(GSK)社より2016年6月から販売が始まりました。
ザガーロは、細長い形状のカプセル型の錠剤で、1日1回の服用で効き目があります。容量には、0.1mgと0.5mgのものがあり、0.5mgのほうが発毛に対する効果が高いので、通常は0.5mgのものが用いられます。
ザガーロの最も大きな特徴としては、脱毛の進んでいる部分から太く強い毛がたくさん生えてくるということが挙げられます。20歳~50歳の男性を対象とした臨床試験では、頭頂部の直径2.54cmの円内で非軟毛が生えてきた本数は、使用4週目の段階で0.1mgを飲んでいた人が63.0本、0.6mgを飲んでいた人が89.6本となっていて、丈夫な毛髪が生えてくる可能性がとても高いことが分かります。
注意しなければいけないことは、ザガーロは男性のAGA(男性型脱毛症)に対してのみ有効であるということで、それ以外の脱毛症や女性の薄毛、円形脱毛症に対しては効果がありません。また、リバウンドの危険性がなく、長期間服用することで抗体ができて薬が効かなくなるといったことがないことも分かっています。
ザガーロを服用するときには、いくつかの注意点があります。1日1回、1錠飲むということを守りましょう。食事の影響は受けないので、好きなときに飲むことができます。
20歳未満の未成年については、安全性が確認されていないため処方ができません。また、女性や子供にたいしての使用も禁忌になっています。ザガーロの主成分であるデュタステリドは、人間の皮膚からも吸収されてしまうため、カプセル内から成分が漏れないように、取り扱いには注意が必要です。
また、カプセルを開けて中身の薬剤だけを取り出して飲むと、口腔咽頭粘膜を刺激する恐れがあるため、カプセルは開けずにそのままで服用しましょう。デュタステリドは、体内で代謝されるまでの時間が長く、血液中に長期間薬の成分がとどまっています。ザガーロの服用中と、服用後の6カ月間は献血をしないようにします。
ザガーロは、男性ホルモンを抑える働きがとても強く、場合にはよっては乳房が膨らむ女性化乳房や、乳房・乳頭の痛み、乳部の不快感といった副作用が起きることがあります。性欲が減退したり、精子の数が減る、といった症状を招くこともあります。
ザガーロの服用中には、前立腺特異抗原(PSA)の値が2分の1程度にまで低下してしまうので、前立腺がんの検査でPSAの測定を受ける人は、検査医にザガーロを飲んでいることを告げなければいけません。
男性がこの薬を服用した場合、これらの副作用が起きる確率は、全体の10.9%になることが臨床試験の結果から分かっています。
また、ザガーロを妊産婦が服用したり、カプセルの中身がこぼれて妊婦の体に触れてしまったりすると、胎児の生殖器官が発育不全を起こしてしまう危険性があります。ですから、女性や子供の手が届かない場所に保存しておくことが望ましいです。
デュタステリドを主成分とするザガーロは、フィナステリドを主成分としたプロペシアと比べると、約1.6倍の発毛効果があることが実験から分かっています。これは、5-αリダクターゼには1型と2型があり、フィナステリドは2型しか抑えることができないのに対して、デュタステリドは1型と2型の両方を抑えることが可能なためです。
2型の5-αリダクターゼを抑える働きは、ザガーロはプロペシアの3倍、1型については100倍以上の効果があります。どちらもジヒドロステロンを増加を抑えるという点では変わりませんが、プロペシアが薄毛の進行を抑える働きを主としていたのに対して、ザガーロでは積極的に発毛をうながす効果があるとされています。
海外では、ザガーロ0.5mgとプロペシア5mgの薬剤を用いた臨床試験で、ザガーロを服用した人のほうがプロペシアを服用した人よりも約30%も発毛効果が高くなる、という結果が出ています。
AGAの治療に高い効果を発揮するザガーロですが、この薬の効果を見るためには、最低6ヵ月間の服用が必要だとされています。また、女性の脱毛症や抗がん剤の副作用による脱毛症には効果がありません。ザカーロは、先行薬のプロペシアと同様に副作用のリスクが少なく、安全性が高い医薬品です。プロペシア以上に発毛・増毛を促進する働きが強いため、今後のAGA治療に対する選択肢のひとつとして期待されている薬です。
ここまで読んでくださった方へ
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