筋肉づくり 最近のオリンピックやプロスポーツをはじめとするスポーツは、多くの感動を与えてくれます。それは、選手の見事なプレーによるところが大きいのですが、その裏には、高度な戦略や技術だけでなく、基礎的な身体づくりによる効果が大きいのです。アメリカ大リーグでのホームランの新記録や最近のマラソンの驚異的な新記録の影にも、その身体づくりが大きく貢献しているものと思われます。 一方、数年前に大ブームを巻き起こした「ダンベル体操」に見られるように、筋肉づくりが、スポーツマンだけでなく健康づくりにも重要だという認識が広がってきました。ダンベル体操に関しては、筋肉トレーニングで基礎代謝を高め、その結果、脂肪が燃焼すると紹介されたため、日本中で大ブームを起こしました。 ここ最近では、健康づくりにウォーキングなどの有酸素運動はもちろんのこと、筋肉づくりも重要であるとの認識が高まってきました。それは、生活習慣病などの発症の原因にインスリン抵抗性が大きく関与しており、運動や筋肉の量 ・質が糖の取り込みに関係していることが次第に明らかになってきたからです。筋肉を鍛えることは脂肪の蓄積を抑制することになりますので、肥満が原因で発症する多くの生活習慣病などの予防や治療にも結びつきます。 また、筋肉づくりは、筋肉の萎縮による足腰の衰えを防いだり、骨の強化にも役立ちます。 このように筋肉づくりは、健康・スポーツに大きく関わっていることが伺えます。 5大栄養素って何? 筋肉づくりのポイントは、食事と運動、そして、休養をプラスし、その組み合わせがポイントです。 5大栄養素はそれぞれ身体にとって重要な役割を果たしています。それ以外にも食物繊維は腸内の老廃物を排出するはたらきを持つなど、健康の維持と増進に役立つ成分としても重要です。 [5大栄養素] | 栄養素 | 働き | 主な食品 | | タンパク質 | 筋肉・骨・内臓などの成分 | 魚、卵、肉、大豆製品 | | 糖質 | エネルギー源 | ご飯、パン、麺 | | 脂質 | 貯蔵エネルギー | 油脂類、バター | | ビタミン | エネルギー代謝の補助 | 野菜、果物 | | ミネラル | 骨・筋肉づくりのサポート | 魚介類、野菜、海藻 | 食事のバランスの目安として、ピラミッドの面積の多いところほど多く食べるような食事が理想であることを示しています。 [食事指針ピラミッド] 成長期の子どもにタンパク質が重要! 成長期は、身長の伸びや体重の増加などの著しい時期です。骨や筋肉の発達、身体の内臓組織の発育のためにも積極的なタンパク質の摂取が重要です。また、摂取されたタンパク質が効率よく身体づくりに利用されるためには、ビタミンやミネラルなど、タンパク質合成を促す栄養素の摂取も必要です。 丈夫な骨をつくるのにタンパク質が重要?! 骨のためにカルシウムとよく言われますが、丈夫な骨はコラーゲンの材料となるタンパ ク質とカルシウムが結合してつくられますので、タンパク質は欠かせません。 骨づくりは、睡眠中に分泌される成長ホルモンの刺激で活発になりますので、夕食に タンパク質とカルシウムを摂取するのが効果的です。 成人や高齢者でもタンパク質は必要! 身体は、常に新陳代謝を繰り返し、古くなったものと新しいものを作り替えて身体を維持する努力をしています。タンパク質は、身体を維持する材料として常に必要なのです。また、タンパク質は、老化に伴う筋肉の減少防止にも大切です。 タンパク質は生活習慣病に関係がある! 動脈硬化や糖尿病など生活習慣病の発生の原因には、血液中のブドウ糖や脂肪の筋肉による分解力が弱まることにあります。中高年以降の、タンパク質合成力の低下や筋肉量 の低下、代謝活性の低下がその原因です。ですから、積極的にタンパク質を摂取して筋肉の増加と活性化を図ることが健康維持につながります。 タンパク質の摂取はどれくらい? 一般の成人では、1日の所要量が体重1kgあたりおおよそ1g前後です。成長期の子どもやハードなトレーニングを行っている人、また重労働を行っている人、妊娠授乳期の女性などは、これ以上(2~3倍)の摂取が必要です。一般の人の目安は、成人男性(体重65kg)70g、成人女性(体重50kg)60g程度です。 タンパク質摂取の注意点! タンパク質の摂取で大切なのは、その量と質です。動物性タンパク質はアミノ酸のバランスがよく良質なタンパク質ですが、同時に脂肪分も多く含まれていますので、肉や魚ばかりでは脂肪も余計にとってしまうことになります。 納豆や豆腐などの植物性タンパク質や牛乳・乳製品などバランス良く摂取することが望ましい食べ方です。 筋肉づくりには運動・休養・食事を組み合わせれば簡単! - 筋肉づくりの食べ方
- 折角の食事もタイミングによっては、筋肉づくりの効果に影響を及ぼします。
図のように、タンパク質は運動直後に摂取するとその合成が活発になり、筋肉により多くのアミノ酸の取り込みができます。また、食前にウエイトトレーニングを行うと成長ホルモンの分泌が上昇し、より効果的です。さらに、睡眠は成長ホルモンの分泌を促しますので、睡眠前に簡単なウエイトトレーニングを行い、十分な睡眠をとることがポイントです。 - やる気を起こす食べ物
- 最近の調査によると、サラリーマンの10人に1人は朝食を食べていないようです。朝食は1日の活動に最も影響を及ぼしますので、絶対欠かすことができません。1日の始まりの食事は、身体を目覚めさせ、やる気を起こす食事をすることが朝食のポイントになります。
そのためには、まず、身体が温まるような食べ物をとることです。卵や魚などのタンパク質はやる気の源です。脂肪とタンパク質はエネルギーの利用を促進させますので、これらを組み合わせると良いでしょう。 - 筋肉づくりはプロポーションづくりにも効果的
- 筋肉づくりのためには、食事と睡眠、筋肉トレーニングの組み合わせが重要ですが、トレーニングもただ重たい負荷をかける様な運動だけでは理想的なプロポーションはできません。最近では、ある1部分のみを痩せさせたいと願う人が多いようですが、実際には部分やせはできません。でも、筋肉づくりは、余分な脂肪が除けるばかりか、健康的で理想的なプロポーションづくりが可能になります。
具体的には、身体全体の筋肉をまんべんなく鍛えていきます。決して重い負荷をかける必要はありません。自分の体重を使ったトレーニングや、ダンベルを用いる場合は、女性では、1~2kg、男性でも2~3kgで十分です。トレーニングは、1部分に対して、連続して10回行えるくらいの負荷とスピードの組み合わせで1日に1セット~2セット行います。できれば、週に3回以上、継続的に行うと効果がでてきます。 筋肉は1日に作られる量が決まってますので、100回も200回も行う必要はありません。翌日に疲労を残さない程度がいいでしょう。 |