そのニキビ…実はカビかも!?
「あっ、肌に赤いプツプツが…ニキビができてる…いやだな~」と感じた経験はありませんか?そのうち自然と治るだろうと思っていだけれども、なかなか治らない。ちょっと待ってください。もしかしたらそのニキビ、実は肌カビが原因かもしれません。肌カビが原因だとしたら、放置しておくと皮膚病に悪化する可能性も……。
ここではその肌カビの原因や治療法について、私、水野が解説していきます。まずは肌カビがどんなものかをきちんと知って、対策をしていくことが治療の第一歩です。
カビが原因で起こる病気
実際にカビが原因で起こる病気って、どんなものがあるんですか?
意外と身近に潜んでいて、知らないうちに病気になっていることもあるのよ!
アッキーも一度は耳にしたことがある病気ではないかな?ここで詳しく解説するので、一緒にみていきましょう!
皮膚真菌症の種類
真菌とはわかりやすくいうとカビ。つまり皮膚真菌症とは、カビが原因で発症する皮膚病です。
皮膚真菌症は主に2種類に分類されています。1つは、浅在性真菌症(せんざいせいひふしんきんしょう)。もう1つは深在性真菌症(しんざいせいひふしんきんしょう)です。違いは、カビの繁殖が皮膚の表皮か、真皮以下であるか、ここがポイントです。皮膚は大きく分けて3層構造になっており、一番上が表皮、真ん中が真皮、そして一番下が皮下組織になっています。浅在性真菌症は、カビの繁殖が、一番上の層の表皮(角層,毛,爪)に留まって発症します。一方、深在性真菌症は、カビの繁殖が、真ん中の層以下の真皮で発症します。
今回は、皮膚真菌症の中でも浅在性真菌症に分類されている白癬菌、カンジダ、マラセチア菌について詳しくみていきます。
白癬菌
そもそも白癬(はくせん)とは、皮膚糸状菌というカビによって発症する感染症です。皮膚糸状菌というカビによる感染症のため、別名、皮膚糸状菌症とも呼ばれています。この白癬を起こすカビという意味で皮膚糸状菌を白癬菌と呼ぶこともあります。
白癬菌が起こす代表的な皮膚の病気は、水虫。足に白癬を起こすので足白癬とも呼ばれています。股に白癬ができるのはいんきんたむし(股部白癬)。股以外の体にできる白癬をぜにたむし(体部白癬)と呼ばれるものがあります。体のどの部位にできるかによって病気の名称は変わりますが、白癬菌によって発症するというメカニズムは同じです。
カンジダ
カンジダは消化管や膣など性器周辺の粘膜、皮膚に常時存在している菌です。健康な人の体にも存在しており、通常の日常生活を送る分には問題を起こしません。ただ、疲れやストレスにより体の免疫が低下しているときにカンジダ菌が異常繁殖して、カンジダ症を発症することがあります。よく耳にするのが、膣カンジダではないでしょうか。膣カンジダを発症すると、膣やその周辺がかゆくなったり、白い酒粕状のおりものが出たりします。
マラセチア菌
マラセチア菌は、皮膚に常時存在している菌でカビの一種です。皮脂や湿気の多い場所を好みます。このマラセチア菌が増殖すると、マラセチア毛包炎と呼ばれる皮膚病を発症することも…一見単なるニキビに見えるため、区別しにくいですが、一般的なニキビと比べてあまり痛み、かゆみを伴わないのが特徴です。
このマラセチア毛包炎に関してはのちほどさらに詳しく説明します。
カビが皮膚に繁殖する理由
カビが皮膚に繁殖する理由は、生活環境による影響が大きく関係しているといわれています。カビは、高温多湿な環境を好みます。また、皮膚に汗や皮脂の汚れが残った状態もカビの大好きな環境です。こういった状況下でさらに疲れやストレスで体の免疫力が低下すると、カビが皮膚に繁殖しやすくなってしまいます。ですのでカビを寄せ付けないために、日ごろから身体を清潔に保つことが大切です。とくに汗っかきの人や脂性肌の人は要注意です。
皮膚真菌症の治療法
皮膚真菌症の治療は、薬による治療が主です。塗り薬による治療と、部位や症状によっては飲み薬による治療がある場合も。
| 菌の種類 | 通常の治療 | その他の治療 |
|---|---|---|
白癬菌 | 抗真菌薬を約1ヶ月間投与で治るといわれている。 | 痛み、腫れ、赤み、膿などの細菌感染症がある場合は抗菌薬の内服も使われる |
| カンジダ | 症状が出ている部位の乾燥、抗カンジダの塗り薬で2週間程度で治るといわれている。 | |
| マラセチア | 約2週間、抗真菌薬の投与で治るといわれている。 | 広い範囲に症状がでている場合、内服薬が推奨される。(塗り薬は塗り残しの可能性があるため) |
いずれの症状も薬で治療すれば治るといわれています。しかし、自己流で治そうとすると危険です。必ず医師の指示のもと薬を服用して治療に努めるようにしましょう。
薬での治療もさることながら、自分自身で皮膚真菌症にかからないようにすることも大切です。カビの温床をつくらない環境づくりをすることで予防できますので、日頃から常に身体を清潔にしておきましょう。
体にできるニキビもカビの可能性が!
ニキビの原因はアクネ菌
ニキビの原因の1つとしてよくあげられるのが、アクネ菌。アクネ菌と聞くとそれだけで悪い菌のように思われがちですが、実際はそうでもありません。実はアクネ菌はすべての人の皮膚に常時存在している菌なのです。ただアクネ菌には善玉と悪玉があり、この悪玉アクネ菌がニキビを悪化させます。アクネ菌は空気が入らず、皮脂の多い場所に住み着きます。
通常、皮脂は毛穴から排出されますが、毛穴が詰まって、出口が塞がると毛穴内部に皮脂が溜まっていきます。この詰まった毛穴の内部こそ、悪玉アクネ菌が住み着きやすい環境そのもの。悪玉アクネ菌が詰まった毛穴の内部に入り込み、皮脂をえさにして繁殖し続けることが影響で、ニキビが悪化するといわれています。
ニキビに見えていてもマラセチア菌が原因かも
ニキビといえば、アクネ菌が原因であることはお伝えしてきました。しかし、実は体にできるニキビは別の菌が原因である可能性があります。その菌は、ずばりマラセチア菌。このマラセチア菌によるカビが原因で、ニキビができていることもあるのです。マラセチア菌によるニキビは顔ではなく、身体にできやすいのが特徴です。
この類の身体のニキビはマラセチア毛包炎とも呼ばれます。マラセチア毛包炎はマラセチア菌の異常繁殖により、毛穴が炎症が起こすことで発症するといわれています。
マラセチア毛包炎の症状
マラセチア毛包炎は一般的なニキビと区別しにくいですが、特徴があります。
- 赤く、やや光沢のあるブツブツ
- 均一にひろがる
- かゆみ、痛みは少ない
- 押してもつぶせない、中身が出ない
ニキビの症状と非常に似ていますが、マラセチア毛包炎はニキビとは異なり自然治癒によって治ることが少ないです。ですのでニキビっぽいけど、なかなか治らないという人はマラセチア毛包炎を疑ったほうがよいかもしれません。
マラセチア毛包炎の治療方法
マラセチア毛包炎は薬で治せるといわれています。マラセチア毛包炎かなと感じたら、まずは医師に相談しましょう。ニキビだと思って放ったらかしにしておくと、悪化してしまうことも…
医師の診断ののち、マラセチア毛包炎だった場合は抗真菌の塗り薬を利用して治療していきます。症状によっては飲み薬を利用することもあります。約1ヶ月か2ヶ月程度で症状は改善しますが、あくまでもこの期間は目安です。人によって違いますので参考としてとらえてください。
症状が改善したとしても再発もしやすい病気でもあります。再発しないように、自分自身で対策することも大切。マラセチア菌は皮脂の多い場所や、湿気が多い場所を好みますので、日頃から肌を清潔に保つことを心がけましょう。とくに、汗ばむ季節は要注意。この時期は比較的マラセチア毛包炎になりやすい時期ともいわれていますので、汗をこまめにとることを意識して肌を清潔にしましょう。
頭皮のフケやかゆみもカビの可能性あり!
最近頭皮のフケが増えた、しかもかゆい…こんな症状を単なる乾燥のせいだと思っていませんか?じつはカビが原因で頭皮のフケやかゆみが起こることもあるのです。
頭皮のフケやかゆみと同時に、顔や体にも湿疹が起こっている場合は、脂漏性皮膚炎という病気かもしれません。この脂漏性皮膚炎は、先程もご紹介したマラセチア菌が原因の1つだといわれています。
すでにお伝えしたとおり、マラセチア菌は皮脂の多い環境を好みます。もともと頭皮は皮脂の分泌量が多いため、マラセチア菌が繁殖しやすい環境。それに加えて汚れもたまりやすく、どうしても不潔になりがちなので脂漏性皮膚炎が起こりやすいのです。
早めに気づくことが大切なので、具体的にどんな症状なのかしっかりみていきましょう!
脂漏性皮膚炎の症状
脂漏性皮膚炎は皮脂の分泌が多い箇所で起こります。
頭皮、髪の生え際、眉間・眉毛、鼻のわき、耳の中・うしろ、背中、脇の下、前胸で発生しやすいといわれています。
頭皮に現れる症状
初期に起こる症状はフケの量が増えるといわれています。髪の毛を洗いたてにもかかわらず、すぐにフケがでてしまう症状は注意が必要です。症状がすすむと炎症やかゆみが出始め、悪化すると湿疹、かゆみが止まらなくなります。かゆみのせいで皮膚を掻くとぽろぽろと剥がれおちていくケースも。
ここまでは一般的な症状ですが、さらに重度になると、かさぶたができ始める、黄色い液体がでてくる、ついには脱毛も起こり得るといわれています。ただ脂漏性皮膚炎と脱毛の関係性は明らかになっていない部分もあるため、脂漏性皮膚炎が直接の脱毛の原因とは言い切れないようです。
顔や体に現れる症状
一般的な症状としては、皮膚がかさつきがちになる、肌の赤み、かゆみです。悪化すると痛みも伴うようです。赤い斑点が広がり、場合によっては皮膚がぽろぽろと剥けていくことも特徴です。
お伝えしたとおり、皮脂の分泌が盛んな場所に起こりやすいため、顔だと鼻のわき、耳のうしろは要注意。身体であれば脇の下、太ももの付け根。皮脂分泌が多いうえに汗もたまりやすい部位なので、発症しやすい箇所とされています。基本的には頭皮に起こる症状と非常に似ています。
脂漏性皮膚炎の治療方法
セルフケア
セルフケアでできることは、肌を清潔にすること。基本的なことではありますが、これが非常に大事です。マラセチア菌が繁殖しない肌環境にするためには、過剰な皮脂を取り除く必要があります。毎日の洗顔や洗髪で余分な皮脂を取り除く、適切なケアをしていくことが欠かせません。頭皮の脂漏性皮膚炎には抗真菌薬剤入りのシャンプーでのケアもおすすめです。
コラージュフルフルネクストシャンプー
こちらは持田ヘルスケア社が販売している抗真菌薬が配合されたシャンプー。皮膚科のサイトでも紹介されており、抗真菌薬が配合されたシャンプーとして有名です。頭皮のタイプ別にあわせてつくられているのが特徴です。頭皮のべたつきが気になる人はさらさらタイプ、頭皮の乾燥が気になる人はうるおいタイプと選べるのがうれしいポイント。さらにトライアルセットもあるので、お試しで使ってみたい方にもおすすめです。
さらさらタイプ、うるおいタイプともにフケ・かゆみが止まったというコメントが見受けられますね。効果に個人差があるとはいえ、脂漏性皮膚炎の症状をシャンプーで抑えられることは非常にうれしいですね。毎日の入浴でケアが可能なので、手間がかからないところも長期で続けやすいポイントです。また、皮膚科の先生からのすすめというコメントも数多くあり、シャンプー自体の効果・信頼性が高いこともうかがえます。
皮膚科での治療
マラセチア菌が原因の1つであるため、マラセチアの異常繁殖を抑えるために抗真菌薬が使われます。ただ炎症がひどい場合は、先に抗炎症剤(ステロイド外用剤)を塗って、炎症を鎮めることが先決。
まず抗真菌薬でマラセチア菌の繁殖を食い止め、脂漏性皮膚炎の根本原因を取り除くことが現在の有効な治療法とされています。
抗炎症薬はあくまでも炎症を抑えるためのもの。ステロイドは速攻性があるので、すぐ治ったように感じるかもしれません。しかし、脂漏性皮膚炎は発症すると慢性化しやすいため、一度治ったとしても再発することが十分にありえます。完治するためには薬だけに頼るのではなく、自分自身でのケアが必要不可欠です。
肌カビの原因は日常に潜んでいる!
肌カビの原因となっている生活習慣を見直して、改善できることをこつこつやっていきましょう!
毎日の生活で気を付けたいこと
清潔に保つ
耳にタコができるくらいお伝えしていますが、肌を清潔にすること。これは肌カビを増やさないために必要不可欠です。今回ご紹介した3つの菌はどの人の肌にも常に存在している菌ですが、過剰に増えると悪影響を及ぼす菌です。そして過剰に菌が増える原因は、肌に皮脂が多い、汗や汚れで肌が不潔になってしまう。主にこれらが原因といわれています。
そのため、まずは肌をきれいに保つこと。毎日の洗顔や洗髪、入浴で余分な皮脂、汚れはきっちり落としましょう。
脂っこい食事を控える
身体の内側からのケアも大切です。身体の内側からのケアの1つとして大切なのは、食事。とくに脂っこい食事は控えたほうがよいでしょう。
脂っぽい食事はお肌の皮脂分泌を高めてしまいます。動物性脂肪の多い食品(バターや脂身の多いお肉など)などは控えて、皮脂の分泌をコントロールしてくれるビタミンB2(レバー、うなぎなど)、
ビタミンB6(まぐろ、バナナ)が多く含まれた食品を積極的に摂りましょう。
カビの繁殖を防ぐNG行為
髪の自然乾燥
お風呂あがりで髪の毛が濡れたままの状態は、頭皮が温かく、かつ湿気が多いというカビが繁殖するのに最適な環境。髪の毛を濡れたままにしておくと、言うまでもなく非常にカビが増えやすくなります。髪の毛はドライヤーでしっかり乾かし、放置しないようにしましょう。
メイク道具を洗わない
毎日使うメイク道具は清潔に保てていますか。直接肌につけて使うファンデーションのパフやチークブラシは、雑菌の温床となりがちです。
化粧品の成分だけでなく皮脂や汚れも付着しているため、それが何カ月も蓄積されると雑菌だらけになります。とくにファンデーションのパフなどは、1週間に1度は洗うか、使い捨てを使うことをおすすめします。
寝具を取り替えない
寝具を洗わないまま使い続けるのも、雑菌が繁殖し続けて不衛生です。人は、冬でも毎晩はコップ1杯の汗をかくといわれており、汗、ほこり、皮脂をシーツが吸収してくれています。そのため、洗わずのままだと雑菌が繁殖しやすい絶好の環境になります。1週間に一度は洗濯するように心がけましょう。
洗顔をしすぎている
肌が脂っぽいからといって、1日に何度も顔を洗ってはいませんか?じつはその行為、かえって肌に余計なダメージを与えている可能性があります。
過剰な皮脂は肌カビの温床となるので、気を付けなければいけないのですが、適度な皮脂もお肌を守るためには必要なのです。そのため皮脂は落としすぎず、丁寧に洗顔をすることで、肌環境を整えていく必要があります。
肌や頭皮のかゆみは早めに治療しよう
肌カビが原因で起こる病気について色々みてきました。どの病気も一度発症して悪化すると、なかなか治りにくいやっかいな病気です。慢性化しないためには、早期発見・対策が重要なポイントです。最近肌や頭皮がむずむずする日が続くな~と感じたら、早めに皮膚科に行きましょう。医師の指示のもと治療し、自分でできる肌カビ予防も徹底して行いましょう!