ETHICAL FASHION JAPANの分類において、オーガニックとは原則認証を受けたものを指すこととします。(2014年1月改訂版)
ここでは、「オーガニック」とは何か? なぜアパレルにおいて「オーガニック」への取り組みが必要なのか? をご紹介します。
What is Organic?
オーガニックとは有機栽培の意味。化学合成農薬や化学肥料に頼らず、有機肥料などにより土壌の持つ力を生かして栽培する農法のこと。化学農薬・化成肥料、そして環境ホルモンや遺伝子組み換え技術を避けて、自然のままの健全な食物連鎖を目指すものです。また、労働者の雇用条件・労働環境についても基準が設けられています。
アパレルにおけるオーガニックとは、有機農法で育てられた繊維を指すケース、またはその有機的な状態を保ったまま加工した製品を指すケースがあり、前者には、以下のものがあります。ただし、明確な基準があるのはコットンです。
・オーガニックコットン
・オーガニックヘンプ
・オーガニックシルク
・オーガニックバンブー など
Why Organic?
その結果、次のような問題が発生してきたのが今の社会です。オーガニック農法で育てられた繊維は、こうした問題を減らしていくことに貢献しています。
①貧困問題
・発展途上国の農民の識字率の低さから、注意書きが読めず殺虫剤や除草剤を誤って使ってしまい、健康被害につながるケースがある。
・現在の農業は主に、遺伝子組み換え品種の種の購入から始まる。発展途上国の場合、収穫を抵当にして種を購入するため、農薬を購入する段階で借金が必要になる。害虫には免疫がついてしまうため、農民たちは借金をして常により新しい農薬を借金をして購入しなければならなくなり、借金の悪循環にはまってしまう。
②児童労働
・安い労働者を雇用する目的から、賃金が高い大人の失業率が高くなり、代わりに賃金が安くて済む子どもが働かざるを得なくなる。
・労働時間は毎週70時間にものぼるため、学校も閉校しており、さらなる識字率低下の要因にもなる。
③土壌汚染
・過耕作、過放牧、過取水などによる砂漠化。
・過剰な化学肥料が土壌に残ると地下水の汚染される。土壌微生物の消滅などにより、作物を育てる土壌の力が減少する。
・益虫・益獣の減少、害虫・害獣の増加。
・除草剤への耐性がある雑草は10年ほどで新たに生えるため、継続的に新たな除草剤を開発・販売する必要がある。
⑤森林減少
・20世紀後半、開発途上国を中心に人口が増大しているにもかかわらず、人口を養うだけの食料を輸入する余裕がないのが途上国の現状。そのため、食料の増産が森林の開墾よって行われてきた。その結果、多くの森林が農地や牧草地に変えられ、森林減少の最大の原因と言われている。
About Certificate
オーガニックは厳格な基準が定められていますが、生産量の多いコットンの認証が中心です。なぜ、オーガニックに認証が必要なのでしょうか?
オーガニック・コットンは厳しい基準に従って有機栽培される綿花ですが、コンベンショナル・コットン(通常の綿)と比較して農薬や合成肥料の成分が検出されるほどの差はありません。そこでそのコットンが正しくオーガニックな農法で栽培されたかどうかを確認するため、認証を受ける必要があります。
「オーガニックコットンが体に良い」というのはよくいわれるイメージですが、実際には科学的な実証・根拠は得られていません。収穫されたものや最終製品から科学的なテストなどでオーガニックかどうかを判別することは不可能です。そこで、さまざまな実地検査機関が訪問し検査を定期的に行っています。
認証はGOTSのほかにも行っている機関があり、その基準はさまざまです。オーガニックのテキスタイル認証については大きく二つの考え方があります。
一つはオーガニックで栽培された原料繊維だから、それにふさわしい環境負荷の少ない製造加工をすべきであり、原料のオーガニック繊維の含有率も一定のパーセント以上を使用し、そのトレーサビリティーを確認しようというものでオーガニック・テキスタイル認証ではGOTSがこの考え方で主流を成しています。
もう一つはオーガニックを一定量(例えば5%でも)使えば、製品の製造加工方法は従来の方法でも良いというもの。含有率や加工方法に制限が少ないので、表現が豊かで売りやすくなります。TE(テキスタイル・エクスチェンジ、旧OEオーガニック・エクスチェンジ)がこの考え方をしています。
世界では、オーガニックコットンの基準が主には2つあり、それぞれ主眼、基準、範囲が異なります。
②Textile Exchange(旧Organic Exchange)
世界的なスポーツメーカーや有名SPAが加盟するアメリカのNPO団体で、「2012年までに全世界で供給される原綿の10%をオーガニックに」を目標に設立された。原料に一定量のオーガニックコットンを使えば製造工程は従来通りでもよいとされ、含有率の表示がポイントとなる。オーガニックコットンの生産量と使用量を増やして、有機農地の拡大を目的としているものである。
オーガニックコットンの現状
サステナブル・コットン
オーガニックコットンに対してサステナブル・コットンというタイプのコットンがあります。これは、オーガニックコットンの認証とその認証基準の厳しさを達成はできないが、従来のコンベンショナル・コットンよりは一歩エコロジーに配慮したものがあってもよいという発想から生まれたものです。オーガニックコットンの引き取り価格が高い間は、農家にとっては利益がありますが、一般綿の価格が高騰してくると、オーガニックコットンとの価格差がなくなります。そこへ認証の検査、記録の整備、認証コストなどが発生すると、農家にとっては不利な作物になります。
日本では、「プレオーガニックコットン®」という取り組みもあります。
無農薬農法開始から認定までの3年間は、オーガニックコットンとして認定されないうえに、収穫量が減ってしまいます。また、オーガニックコットンのように買い取り値が上がらず、農家は通常の約20%から30%の収入減となってしまいます。そんなオーガニックに認定される前のコットンを、「プレオーガニックコットン」としてプレミアムをつけて買い取ることで、農家のオーガニック移行にかかる経済的負担を軽減し、オーガニックへの移行をサポートしています。
オーガニックコットンの市場
Textile Exchangeが毎年レポートを出しています。2012年度はコチラ。これに基づき、NOCが概略を紹介しています。
オーガニックコットンの特徴的数値
・繊維生産量…138,813トン
・昨シーズンとの比較…8%減
・世界の生産量にインドが占める割合…74%
・生産国…18か国
・オーガニックコットン耕作地面積…316,907ha
・オーガニックコットン農家の数…214,905