今回はなかなか読み比べ甲斐がありました。

まずは民報、民友の1面から紹介。

◇福島民報
大見出し『福島U9連覇』『民報杯サッカー いわきFC破る』
〈福島Uはスーパーシードとして決勝から登場した。前半16分にFW金弘淵選手のゴールで先制。延長前半9分には途中出場のFW樋口寛規選手が勝ち越し点を挙げ、接戦を制した。〉


◇福島民友
大見出し『福島Uが9連覇』『いわきFC惜敗』
〈県内唯一のプロチームとして「特別シード」として決勝から登場した福島に、今年2月の本格始動からわずか半年ながら決勝に駒を進めたいわきが挑んだ。〉


と、明確に主語の違った、自分のスポンサードしているクラブを推す内容、まるでスペインの『マルカ』と『ムンド・デポルティーボ』のようで面白い。これを福島の地方紙がやる時代が来たんですね…。なお、民友では編集日記で、Jリーグの開幕と同じように歴史的に意義のある試合だったと伝えています。


では両紙の別面から福島に関する部分を抜粋。


◇福島民報

スポーツ面
大見出し『福島U 王者の底力』『延長戦 樋口決勝ゴール』
〈気温は30度を超え、両チームの選手に疲労の色が濃く見え始めた延長戦。虎視眈々と得点機を狙っていた樋口は相手守備陣の足が止まり始めたのを見逃さなかった。自陣からの攻撃参加で右サイドに駆け上がったDF酒井高聖から折り返しのクロスボールが上がると素早い反応を見せた。マークを振り切り、ボールに右足を合わせ、ゴールに流し込んだ。〉
小見出し『頭で先制点 好機も演出 福島Uの金弘淵』
〈終盤には接触プレーでけがをしていた左すねを再び痛めたが、最後まで前線からボールを追い、幾度も好機を演出した。〉

社会面
大見出し『初の頂上対決 激闘』『福島U プロの意地見せる』『いわきFC 経験の差あと一歩』
小見出し『大会最多 2320人「手に汗握る」』

コメントまとめ
樋口「点を取るのが仕事。自分の役割は分かっているから」「天皇杯はJ1クラブとも対戦できる楽しみな大会。一戦一戦集中したい」
金「良い時間帯に決めることができた」「チーム内のポジション争いも激しくなっているが今日のようなプレーを見せ、試合に出続けたい」
栗原「樋口の得点能力はチームで一番。やってくれると信じていた」
酒井「ゴール前に誰かが詰めていると信じていた。勝利に貢献できてうれしい」(決勝点のアシストを振り返って)
戸川「いわきの選手は体力があった。絶対に負けられない試合で高聖が最高の働きを見せてくれた」


◇福島民友

スポーツ面
大見出し『福島U 王者の底力』『樋口、延長に千金弾』
小見出し『金弘先制点、チームに勢い』『信じた酒井 決勝アシスト』
〈記者の目 ゴール前の制度で明暗
 いわきFCのシュートが17本だったのに対し、福島ユナイテッドFCは11本。ゴール前でのプレーの精度が勝敗を分けた。
 試合が始まり主導権を握ったのはいわき。ボール保持して試合を支配する「ポゼッションサッカー」を掲げる福島に豊富な運動量で高い位置から激しい守備を仕掛け、自由にパス回しをさせなかった。攻撃面ではサイド攻撃やミドルシュートでゴールに迫ったが、クロス、シュートとも制度を欠いた。
 押し込まれていた福島だったが、カウンター気味のスピードある攻撃から先制点jを奪った。前半はいわきのシュートが8本、福島は4本。決定力で上回った福島がリードした。〉

社会面
大見出し『2強時代 到来』
小見出し『死闘、ファン熱い声援』

コメントまとめ
樋口「狙っていた。ゴールした瞬間はあまり覚えていない」
金「運動量と勢いのあるチームだったが、負けるわけにはいかなかった」
栗原「8連覇中でプロとしてのプライドがあった。いわきFCは良いサッカーをしていた」
酒井「ボールを蹴れば誰かが決めてくれると思った」「練習の成果が生きた」


スポーツ新聞はスポニチ、ニッカン、報知の3紙から抜粋。

◇スポニチ福島県版
大見出し『ユナイテッド 延長意地の9年連続天皇杯』
小見出し『〝専門外〟右SBで酒井決勝クロス』

・右サイドで先発した若武者の頑張りが歓喜をもたらした。延長前半9分「自分が出たら相手もつかまえにくい」と酒井は意を決して右サイドを駆け上がった。すでに右足はつっていた。
・日本代表DFの兄・高徳顔負けの、鋭く大きな弧を描いたボールは、中で待ち受けていた樋口にピタリ。
・本職はセンターバックだが、チーム事情でサイドバックで練習する機会が増えた。全体練習後は率先してクロスの練習を行い、制度は日々向上。
・守備でもサイドを起点にしてくる相手に対し、キーマン左ウイングの片山にほとんど仕事をさせなかった。

コメントまとめ
酒井「ハードな試合をものにできたのは自信になる」「相性が良いみたい。良い場所になりました」(富山戦に続いての会津でのアシストに対してのコメント)
戸川「サイドでもあれだけ意欲的にできるメンタリティが良い」(酒井の意識の高さを絶賛)
栗原「上昇気流に乗るきっかけにしたい」


◇ニッカン東北版(いわき寄り)
見出し『いわきFC J3福島に延長惜敗』

福島「この1勝で上昇」 
〈薄氷を踏む勝利だった。1-1の延長前半9分、右サイドからのクロスをFW樋口が冷静に決めて勝ち越した。「絶対負けちゃいけない相手だった」と振り返った。リーグ戦では直近3連敗中だったこともあり、栗原圭介監督は「この1勝で上昇気流に乗っていきたい」と笑顔を見せた。〉


◇スポーツ報知東北版
見出し『福島U「J3だけどプロだ」 延長制し9年連続県代!!』

〈 Jリーガーのメンツにかけても、福島Uは負けるわけにわいかなかった。1-1で突入した延長戦の前半9分、途中出場のFW樋口寛規が、DF酒井高聖からの折り返しに右足で合わせた。「とにかく1点を取ることしか考えなかった。取れなければ僕が出る意味がないので」。栗原圭介監督が「点を取る才能を、彼は持っている」と絶賛した通り、ドンピシャのボレーシュートで決勝点を奪った。
(中略)
 「(天皇杯県代表選で)ここまで8連覇し、J3だけどプロだ、というプライドをどう示すかだった」と福島U・栗原監督。この日は〝県NO1〟に輝いたが、両クラブの競り合いが今後の福島サッカー界を盛り上げそうだ。〉


以上、ざっと振り返りましたが、一般紙では大々的に取り上げられ、スポーツ紙でも限られた中でもしっかりスペースを確保していたことからも、この一戦の注目度の高さが窺い知れます。そんな試合を制した意味はやはり大きかった。

1回戦の相手は群馬県代表のザスパ草津チャレンジャーズ。ホームで迎え撃つ形になります。ここで勝って2回戦に進むのはもちろん、勢いを途切れさせないように頑張ってほしいですね!