概要
日本の国宝である神社仏閣に対して、キリスト教系カルト教団の創始者が寺社内に油を撒いて荒らし回った、なんとも罰当たりな事件である。
被害にあった国宝や重要文化財などの、建造物や仏像などの染みの修復について、原状回復が可能なものもあり、4月上旬に被害が発覚した京都の二条城や東寺では、有機溶剤を塗って浮かび上がった油を紙で吸い取って油を分解する薬品で、染みを取り除くことに成功しているが、文化財の修復専門家によれば「完全に修復するのは難しいだろう。早くしないと黒い染みとなって残ってしまう」と指摘しており、完全な除去は非常に困難な状態である。
犯人についての謎
犯人は、アメリカ在住の韓国系帰化人の医師である金山昌秀。
韓国人名は金昌秀(キム・チャンス)。
17歳の時に洗礼を受けてキリスト教徒となり、昭和54年に日本国籍を取得し、渡米し産婦人科医となった。
被害にあった寺社の所在地は広範囲にわたるが、医者としての経済力もまた、各地での犯行を可能としたと考えられる。
犯人には逮捕状も出ており、警察は帰国次第に逮捕する方針であり、『週刊新潮』ではすでに名前や写真(モザイク無し)まで公開されている。
にも関わらず、なぜか日本の大手新聞社やテレビニュースなどのマスコミメディアは、どこも情報を公開していない。
マスコミでは「日本人医師(日本国籍を取得しているため間違いではないが)」とだけ表記され、民族的出自や氏名については言及しなかった。
そのために、韓国系のキリスト教徒という情報だけが独り歩きしてしまい、全く無関係な韓国人李起龍氏が牧師を勤める都内の教会「バプテスト会東京教会」が風評被害に遭ってしまった。
容疑者段階で報道できないのなら、他の犯罪者に対しても同じ基準でないとおかしいのだが……
20130706 IMMJapan決起大会東京
事件発覚前も犯行をほのめかすような発言を講演会でしている(54:51)。油をかけて清めたと語っている場所は城の内部だが「ここにも」と語り、浄化すべき、そしてそれを実行した場所として寺社仏閣も挙げている。
また、「霊の目が開かれると(神社の)しめなわから悪霊がぶらさがっているのが見える」「神社を参拝してはいけません。神社は悪霊の巣窟です。油できよめました」「神社に行くと呪いを受ける」などと、日本古来の伝統文化である神道や神社に対する敵意を剥き出しにした発言や、意味不明な警告を繰り返し、多くの犠牲者を出した東日本大震災について「天のお父さまのみ心」などと言い放っている。
キリスト教徒が大迷惑
犯人は油を撒いたことについて、「聖霊様の命令で清めるため」などと称していたという。
本人の教会のウェブサイトや動画ではたびたび「霊の戦い」という語句が現れるが、これは米国プロテスタント系の思想の一つであり、典拠となっている聖書章句は
「悪魔の策略に対抗して立ちうるために、神の武具で身を固めなさい。わたしたちの戦いは、血肉に対するものではなく、もろもろの支配と、権威と、やみの世の主権者、また天上にいる悪の霊に対する戦いである。」『エペソ人への手紙』6:11-12
である。
彼らはこの章句を、
と解釈しており、ジョン・ストットやピーター・ワグナー等の論者によれば、人々が非キリスト教的信仰(と彼らがみなすもの)を信じたり行ったりする大きな原因がこの悪霊であるのだとしているという。
その解釈では、他宗教やニューエイジ、スピリチュアリズムだけでなく、カトリック等の聖母マリア崇敬もその実態は女神崇拝であるとして、背後には「天の女王」という悪霊がいるとしており、この「天の女王」は日本神話に登場する天照大神や、インド神話に登場するカーリーなど、世界のいろんな女神と同一視されている。
かなり危なっかしい解釈ではあるが、ここまでなら宗教上の話であり、憲法と法律で保障される「信教信条の自由」の範疇であるとされ、「マリア崇敬は女神崇拝」というのは無神論者も言っていることであるが、問題は実践方法である。
キリスト教では聖書にある『病者の塗油』や『香油の女』などの話から、香油を用いることは祝福の意味合いがあり、それに転じ「穢れを祓う」という解釈もされているのだが、今回の事件を受けた多くのキリスト教関係者たちは、「聖書と関係ない行為」と怒りの表明を出して非難しており、世界中のキリスト教徒が誤解を受けかねない惨事となった。
行動の背景
上述の「霊の戦い」では「霊的地図」というものが用いられており、これは町内の地図に戒律違反を行う(堕胎やオカルト書を販売している等)場所を記したものである。これに悪霊の存在を強調する思考が重なると、例えば我々にとってはのアジトの所在地が地図に書かれているような凄みを持つ事になる。
犯人の発言にある「東日本大震災は“日本の君”の首を折るために神が起こした」の『日本の君』とは、上述にある女神と悪霊の関連付けと同じく、日本という国を支配する悪霊という意味で、天皇を指しているとされる。
「霊の戦い」論者にとっては辛い事に、世間には聖書に反するもので溢れ返っている。最近ではキリスト教の国々ですらキリスト教の力は弱まっているのである。ここから「自分達の教会以外は全てマフィアの拠点、暴力団事務所、過激派やカルト教団のアジト(に匹敵する悪の巣窟)であり、我々はそれらに取り囲まれている」という認識が生まれる訳である。
クリスチャンですら原罪を持ち完全に罪から脱却することが困難な以上、彼ら自身も常に彼らから干渉され、しかもそれを防ぐ事はできず、出来ても次の罪(悪霊)が現れる。ここから生じる強迫観念はグループの結束と宗教への傾倒を生む。
祈ったり身内で集会してればいいのかもしれないが、それで世間が変わるわけでもない。中にはそれだけで我慢できず、外の世界でそれを強調する者も現れる。
ピーター・ワグナーはエペソ(エフェソス、上記の手紙と関連する聖書の地名。現トルコ)で「天の女王と戦う祭典」を行った。聖書によると、かつてここでは女神アルテミス信仰が盛んだった為、選ばれたわけである。
トルコは現在イスラム教国であるため、また祈りの言葉を4時間叫ぶだけだったため、特にトラブルは生じなかったようである。
ではもし、非難する対象の宗教が現在も信じられている土地で、祈るだけで済まなかったらどうなるか、それが今回の一連の事件だと言えよう。
被害に遭った寺社
東大寺
清水寺
鹿島神宮