スバルが昨年12月に発売した新型「インプレッサ」。「東京オートサロン2012 with NAPAC」には、メーカー純正ドレスアップ・パーツを装着した5ドアの「インプレッサ スポーツ」と、STIがチューンした4ドアの「インプレッサ G4」が出展されていた。新型になってターボ・エンジン搭載モデルがなくなってしまったインプレッサは、今後どのようにカスタムされていくのか。インプレッサについてはスバルの方に、STIが手掛けるチューンド・モデルに関してはSTIの方に、それぞれ訊いてみた。
まずご紹介するのは、新型になって「スポーツ」というサブネームが付けられた5ドア・モデル。マットなシルバーに塗り分けられた純正エアロ・パーツは、フロント・バンパースカート、サイド・ストレーキ、エアロスプラッシュ、ルーフ・スポイラーの4点。加えてメッシュのフロント・グリルが装着されている。鮮やかなオレンジ色を用いたシートは、スエード調のシートカバーを付けたもの。シート自体はノーマルだ。ここまではすでにスバルから発売されている純正アクセサリーの一部であり、販売店で購入・装着が可能になっている。
さらにこのクルマでは、シートカバーに合わせてステアリング・ホイールとシフト・ノブのレザーをオレンジ色に張り替え、インテリアの随所にピアノブラックのパネルが嵌め込まれていた。フォグランプ周辺のフレームやシャークフィン型のルーフ・アンテナ、ボディ・サイドに貼られたデカール等は参考出品となっている。
足回りは主にSTIが担当。コイルスプリングのみを交換し、18インチ・アルミホイールを装着。215/45R18サイズのアドバン dbタイヤを履く。
そしてもう1台、4ドア・モデルの「G4」は、スバルのモータースポーツ部門を担当するSTI(スバル・テクニカ・インターナショナル)が手掛けたものだ。フロント・アンダー・スポイラーはスバルの純正アクセサリー、スカートリップはSTIからすでに販売されているものを装着。さらに参考出品ということで、STIがデザインしたサイド・アンダー・スポイラーとトランク・スポイラーが取り付けられている。
サスペンションはSTI製コイル・スプリングを組み込み、ドリルド・ローターとステンメッシュ・ホースでブレーキを強化。当然パッドも交換されている。ホイールは5ドア同様18インチだが、こちらには同じヨコハマ・タイヤでもスポーツ性を重視したアドバン・スポーツが選択されていた。ボンネットの下に装着されたフレキシブル・タワーバー、ラジエター・キャップ、スポーツ・オイルフィルターはすでに発売済みとのこと。スポーツ・マフラーはこれから販売が検討されるようだ。
まず、STIの担当者の方に訊いてみた。
これらのインプレッサ、エンジンはノーマルですか?
「ノーマルのままです」
インプレッサは新型になってターボ車もなくなってしまいました。今後、エンジン本体に関してはSTIといえども手は付けないというお考えですか?
「いいえ、今後はNA(自然吸気)もやっていかなきゃならないと思っています。BRZも出ますし」
新型に搭載されているFB型エンジンは、自然吸気のままでどのくらいパワー・アップが可能でしょう?
「それはまだこれからですから(笑)」
個人的なお気持ちということで結構ですので(笑)、どのくらいの数字を目指せるとお思いですか?
「やろうと思えば、まあ...230psとか。そのくらいはいけるんじゃないでしょうか。あくまで私個人の感想ですよ(笑)。ただし、環境(性能)との兼ね合いもありますから、簡単にパワーを上げられるというものでもありません」
今回、STIチューンに5ドアではなく4ドアのG4が選ばれた理由は、やはり走り重視のチューニングにはセダン・ボディの方が剛性等の面で有利だからでしょうか?
「いえ、その辺は乗ってみると(4ドアと5ドアで)ほとんど変わりません。今回は見た目でG4を選びました(笑)」
チューニングを担当するSTIという側から見て、新型インプレッサは旧型と比べていかがですか?
「走りに関して、対策されているという印象です。サスペンション・アームの肉厚なんかも強化されていますし」
次にスバルの方に訊いてみた。
先代インプレッサは、標準モデルが発表されたときにすでにWRXが追加されることを隠そうとしていませんでしたよね。新型インプレッサにも、今後さらに高性能なスポーツ・バージョンが追加される予定はあるのでしょうか?
「今のところ、ないですね」
ターボ・モデルはやめてしまうのですか?
「それは、また別のモデルで」
全然違う車種が開発されているということですか?
「それはまだ言えませんが(笑)」
時代の風潮というものもありますし、スバルは4輪駆動+ターボという高性能モデルの開発をやめてしまうのではないかと心配するファンもいると思うのですが。次もあると思ってよろしいのですね?
「やめてしまうわけではありません。次もあります」
お話を聞いた印象だと、どうやら次期「WRX」はインプレッサと分離され、独立したモデルになるという噂は本当のようだ。ハイ・パフォーマンスな走りはそちらに任せ、その分、インプレッサでは「上質な乗り心地」と「快適性重視」の方向で、年次改良もカスタマイズも進めていくということらしい。
これまでのインプレッサは、スバルのCセグメントを担う主力モデルでありながら、どうしてもWRXという特別なモデルが注目され、標準モデルの印象が薄かったことは否めない。両者が分かれてそれぞれ別の道を歩むということは、双方にとって良い結果につながりそうだ。WRXの呪縛から解き放たれたインプレッサが、独自の魅力で新たなファンを獲得していくことに期待しよう。
ギャラリーでは2台の新型インプレッサに加えて、2012年ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦予定車である「インプレッサ WRX STI S206」の勇姿もご覧いただきたい。スバルとSTIは、このマシンで昨年に続きクラス優勝2連覇を狙う。
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