ニキビの治療は皮膚科でも受けることができます。
炎症や化膿を起こしてからでなく、初期段階の白ニキビや黒ニキビのうちに受診することで悪化を防いだり、ニキビになりにくい肌にするためのアドバイスももらえますので、選択肢の一つとして考えてみてください。
また、健康保険が適用されるため、治療費を抑えられるのもメリットです。
皮膚科で行うニキビ治療とは?
炎症や化膿している赤・黄ニキビは、むやみに潰そうとせず、皮膚科で診てもらうことをお勧めします。
不充分な自己処理は細菌感染などかえってひどくしてしまう恐れもあるからです。
結果的には早く治すことができますので、まずは適切な治療を受けてからスキンケアで美肌づくりに取り組むとよいでしょう。
投薬によるニキビ治療
ニキビに対する投薬治療としては、ニューキノロン系やリンコマイシン系の抗生物質が中心となります。
これらは炎症の原因である悪玉アクネ菌を排除する働きがありますので、特に赤・黄ニキビには有効です。
また、抗生物質以外で最近注目されているのがディフェリンゲルに代表されるレチノイド製剤。
角質を柔らかくして毛穴を詰まりにくくする作用があるので、初期の白ニキビや黒ニキビのうちに使うとよいでしょう。
ニキビをできにくくするだけでなく、抗菌剤を併用すれば炎症や化膿を起こしている部位にも効果的とされています。
塗る前にしっかり保湿をすることで深部にまで薬効成分が届くので、医師や薬剤師の指導に従って正しく使うようにしましょう。
「体の内側から治す」ためにマクロライド系・テトラサイクリン系の内服薬が処方されることもあります。
これらは副作用が少なく、さまざまな種類の菌に対する効果が期待できるとして、特に炎症がひどい場合に使われることが多いようです。
漢方薬も対症療法としてではなく、体質改善のために近年医療機関でも取り入れられるようになってきました。
かつては西洋医学とは相容れないものとされていましたが、最近では積極的に処方する医師が増えています。
ニキビ治療においても、抗生物質やディフェリンゲルのような即効性はありませんが、再発を繰り返す時や免疫力を高めてニキビのできにくい肌にするのに向いているとされています。
皮膚科で採用されている代表的な漢方薬には、
桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)
血流の改善、老廃物の排出促進、ホルモンバランスを整える
- 清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)
- 荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)
- 十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)
いずれも炎症の緩和・抑制などがあります。
また、「生理前にニキビがひどくなる」「特にフェイスラインのニキビが治りにくい」といった人は、特にホルモンバランスの乱れが心配されます。
このタイプのニキビは低用量ピルを服用すると軽減することが多いようです。ピルというと「避妊のための薬」というイメージがあるかもしれませんが、現在は副作用もほとんどなく、月経不順や月経前症候群(PMS)の改善にも効果的とされています。婦人科での受診・処方が必要になりますので、皮膚科と併せて受診してみてください。
注射によるニキビ治療
炎症がひどい・しこりができているといったニキビの中でも重症化したものや、ニキビの痕がクレーター状になってしまった場合に有効なのが注射治療です。
- ケナコルド(ステロイド剤)
- プラセンタ
- ヒアルロン酸
などを患部に直接注入するので、ちょっと抵抗がありますがそれだけの効果は得られるでしょう。
ケナコルドは炎症を鎮めたり、しこりのある部分を柔らかくする働きがあります。
医師の技術が問われますので、実際の施術例などを事前によく確認しましょう。
プラセンタやヒアルロン酸は美容成分としておなじみですね。
アンチエイジング治療にも使われるプラセンタは、抗炎症作用だけでなく肌全体のコンディションを整えるのにもよいでしょう。
ヒアルロン酸はニキビ痕を平らにならす働きがあり、3~4回に分けて注入するのが一般的です。
しかし、注射治療は対症療法でしかありません。
「これさえ打てばニキビは治る」と短絡的に考えないようにしましょう。医師に勧められた場合は、本当に必要なのかどうかきちんとした説明を求めてください。
ニキビによる炎症やしこりは見た目の問題もあり、辛いものです。筆者にも経験がありますが、「治るのなら何でもする!」という気持ちにもなるでしょう。ですが、あくまで症状を抑えるための緊急処置ととらえるべきです。
ニキビを根本から治そうと思ったら、生活習慣や食事の内容など、「ニキビになりにくい」肌や体質をつくることから始めてくださいね。
圧出治療によるニキビ治療
白ニキビや黒ニキビに有効とされる治療法です。
別項でも適切に行えば自己処理も可能と紹介しましたが、より確実性を求めるのであれば皮膚科で処置をお願いしましょう。
皮膚を消毒し、針かレーザーでニキビに極小の穴を開けて面皰圧出器(コメドプッシャー)で内容物を押し出します。
炎症や化膿を起こしている場合でも、中身を完全に出してしまえば治まりますし、レーザーを使えば皮脂腺もダメージを受けて過剰な皮脂分泌も改善されるとされています。
レーザー治療によるニキビ治療
レーザーによる治療は健康保険の適用外であることが多いので、事前に問い合わせるようにしてください。
症状に応じて照射するレーザーの種類も異なりますが、最も一般的なのは CO2(炭酸)レーザー。
レーザーメスとしても知られていますよね。皮膚科では圧出治療の際にニキビに穴を開けたり、ニキビ痕を滑らかにするのに使われています。
この他、アレキサンドライトレーザーやエルビウムヤグレーザー、フラクショナルレーザーなどがあります。皮膚科や美容外科によっては導入していないものもあるでしょう。
ニキビそのものを治したいのか、できにくくしたいのか、あるいは痕を何とかしたいのか…医療機関選びは自分の目的をはっきりさせることも大切です。
まとめ
今や「ニキビぐらいで病院なんて…」という時代ではありません。
若い頃ニキビで苦労した親世代は、子どもたちに同じ思いはさせたくないと積極的に治療を受けさせているほどです。
改善や治療の選択肢が増えているのですから、活用しない手はないでしょう。