化粧品犬です。
前回から、ストーリアさんが2016.3.10に発売した、 モイスト・ダイアン オイルシャンプー・トリートメント ボタニカル ダメージリペアリング の解析を行っています。
(商品名が長すぎてアメブロの字数制限にひっかかるので、タイトルはシャンプー=SP、トリートメント=TRという感じでちょっと省略しています)
今回は第2回目として、シャンプー解析編を書こうと思うのですが。
どうも長くなりそうなので、面白いネタを先に扱う今回の前編と、それ以外を網羅的に扱う次回の後編に分けることにしました(^_^;)
どうも今回の新製品はモイストダイアンにとっては大きな改革だったらしく、処方が根っこから改定されてる! のです。
この前編では、その辺りを書こうと思います。
モイストダイアンボタニカルはどのくらい進化したのか?というところですね(^_^;)
では早速始めます~。
シャンプーの基本と言えば、洗浄剤。
ここが大きく変わっているのです。
まず、これまでのモイストダイアンをみてみましょう。
2014.3.1発売のモイスト・ダイアン エクストラダメージリペア オイルシャンプーと、2015.3.5発売のモイスト・ダイアン エクストラシャイン シャンプーを例にして、裏面の処方を整理してみます。
成分が多くて、大きい表になってしまって申し訳ないんですが、以下のようになります。
洗浄剤としては両者とも似ているのが、わかると思います。
基本はラウレス硫酸とラウリルベタインの組み合わです。ラウリルベタインはよく使われている両性洗浄剤のコカミドプロピルベタインの原型にあたる両性洗浄剤で、泡立ちは良いのですが、安全性ではコカミドプロピルベタインに劣ります。更に増泡成分である、コカミドDEAも配合されています。泡立ちを重視している組み合わせですね。
泡立ちは良いですが安全性はあまり考えていなしし、脱脂力が強いため、使用感としても髪がバサバサになりそうです。
ここに、アミノ酸系洗浄剤のココイルグルタミン酸やココイルメチルタウリン等のマイルドな洗浄剤を加えて、全体の刺激を緩和し、使用感としても、コンディショニング感を出す方向に持って行く・・・そんな処方です。
またシャンプーの性格に大きな影響を与えるコンディショニング剤を見ると、エクストラダメージリペア オイルシャンプーはポリクオタニウム-10+ポリクオタニウム-7という王道の組み合わせ。これが1年後のエクストラシャイン シャンプーでは、ポリクオタニウム-10は共通ですが、これにポリクオタニウム-7ではなく各種の大量のカチオン性成分(ローカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、コロハヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、塩化ヒドキシプロピルトリモニウムデンプン、セテアラミドエチルジエトニウム加水分解コメタンパク、クオタニウム-18、クオタニウム-33)うぃk見合わせる処方になっています。
この2製品の解析は、下記エントリーで既にやったので、詳細は省きますね。
興味のある方は下記をてください。
ストーリア モイスト・ダイアン エクストラシャイン シャンプーの解析 後編
http://ameblo.jp/kesyouhinken/entry-12046694991.html
それに対して今回取り上げる、ボタニカルダメージリペアリングシャンプーはどうか。
こちらも、裏面を整理してみます。これです。
洗浄剤のパートを見ると、メインがラウレス硫酸Naから、脱脂力の低いスルホコハク酸(C12-14)パレス-2Naに変更されていますね。また同様に泡立ちが良いが両性洗浄剤にしては刺激のあるラウリルベタインが、より安全性の高いコカミドプロピルベタインに変更されています。この2成分の変更でやや泡立ちは落ちているはずですが、実用上は問題ないし、確実に低刺激になっているので、良いです。
主剤がこう変わったにもかかわらず、アミノ酸系洗浄剤は変更無く、ココイルグルタミン酸とココイルメチルタウリンが配合されているのも嬉しいところですね。というか、アミノ酸系洗浄iとしては、低刺激性のココイルアラニンTEAも配合され、更に増えています(^_^;) ココイルアラニンはピジョン ベビーソープ等にも使われている洗浄剤ですね。
そして更にここに、コンセプトにも書かれている、アルガンオイルから作られたノニオン洗浄成分:アルガン油ポリグリセリル-6エステルズが配合されているのです。この成分は化粧品犬は使ったことが無いのではっきりしたコメントは出来ないのですが、一般的にノニオン洗浄剤は低刺激な素材なので、これもかなり安全性が高いのではないかと思います。まあ、一般的に洗浄剤は、脂肪酸鎖長が12に近い程(ラウリン酸のように)泡立ちは良いので、このノニオン洗浄剤は泡立ちは悪そうですけどね(^_^;)
泡立ちが悪いと言えば、シア脂アミドプロピルベタインという、コカミドプロピルベタインの変種も配合されています。これも泡立ちは悪そう(^_^;)保湿効果は高そうですが。
そして次にコンディショニング剤のパートを見てみましょう。
これまで、
ポリクオタニウム-10+ポリクオタニウム-7
↓
ポリクオタニウム-10+大量のカチオン性原料
と進化してきたわけですが。
このボタニカルダメージリペアリングシャンプーは、どうなっているかというと・・・。
意外なことに、シンプルになってます(^_^;)
ポリクオタニウム-10の1成分のみが配合されているだけです!
オイル成分が顕著に増えているわけでも無いので、結局は洗浄剤の脱脂力が減り、アルガン油ポリグリセリル-6エステルズやシア脂アミドプロピルベタインといった、保湿効果の高い洗浄剤が増えたから、シンプルに出来たのだと思いますね。
以前のモイストダイアンのように、洗浄力の強い洗浄剤で洗ってコンディショニング剤をガッツリ髪につけるより、こっちの方が良いです!
長くなってしまったので続きは後編で(^_^;)
後編では洗浄剤以外のパートを中心に解析します。