ネドリール

どんな薬か?

 真菌を包む細胞膜にダメージを与えて、真菌を死滅させる作用がある薬です。

 アムホテリシンB製剤ボリコナゾール製剤ミコナゾール製剤は、アスペルギルス、カンジダ、クリプトコッカスといった病原真菌の発育を抑える効果があり、おもに消化管カンジダ症の治療に用いられます。腟錠もあり、外陰腟(がいいんちつ)カンジダ症の治療に使われます

 ナイスタチン製剤は、口腔(こうくう)皮膚などにおこったカンジダ症の治療に効果があり、また、抗生物質を使用し続けた場合に発生するカンジダ症(モニリア症)の治療にも有効です。とくに、消化管カンジダ症の治療に使われる薬です。

 イトラコナゾール製剤は、内臓真菌症表在性深在性皮膚真菌症に、フルシトシン製剤フルコナゾール製剤は、体の内部(肺や消化管など)におこる真菌症の治療に効果がある薬で、真菌血症真菌性髄膜炎呼吸器真菌症消化管真菌症尿路真菌症などの広範囲な病気の治療に用いられます。とくにフルコナゾール製剤は、従来の抗真菌剤の「副作用が多く、再発しやすい」という欠点を改善した薬で、効力とともに安全性も高くなっています。

 塩酸テルビナフィン製剤は、外用抗真菌剤では治療がむずかしい場合に限って用いられる内服剤で、深在性皮膚真菌症スポロトリコーシス白癬性肉芽腫(はくせんせいにくがしゅ)クロモミコーシス)、頭部などのみずむし爪カンジダ症の治療に使用されます。

副作用

①過敏症状(発疹(ほっしん)、発熱などのアレルギー症状)をおこすことがあります。

 過敏症状がおこったら使用を止め、すぐ医師に相談してください。

②吐き気・嘔吐(おうと)、食欲不振、胃部不快感、下痢、便秘、腹痛、口内炎などの胃腸障害がおこることがあります。

 そのほかに、フルシトシン製剤では、頭痛、手足のしびれ、視力低下、難聴、けいれんなどが、フルコナゾール製剤では、しゃっくり、頭重感、倦怠感(けんたいかん)、むくみ、ほてり、乏尿、ショック、急性腎不全、めまい、血液障害、けいれん、高カリウム血症、間質性肺炎、偽膜性大腸炎などが、塩酸テルビナフィン製剤では、貧血、嘔吐、疲労感、発疹、じんましん、かゆみ、関節痛、筋肉痛、顔面浮腫(ふしゅ)、脱毛、重い肝障害、横紋筋融解症などが現れることがあります。アムホテリシンB製剤では、まれに皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死(えし)症がおこることがあります。

 ボリコナゾール製剤では、アナフィラキシー様反応、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症、肝機能障害、心電図QT延長、心室性頻脈、心室細動、不整脈、完全房室ブロック、心不全、腎機能障害、呼吸窮迫症候群、ギラン・バレー症候群、偽膜性大腸炎、けいれん、聴覚過敏、耳鳴り、めまい、内分泌障害、眼障害(視神経炎、視神経乳頭浮腫:急激な視力低下、視野中央が見えない、頭痛、眼球運動痛、目の圧迫感、羞明(しゅうめい)、霧視(むし)などの症状)、胸痛、胸の圧迫感、口の渇き、悪寒、横紋筋融解症、代謝異常、神経障害、皮膚障害などがおこることがあります。

 またイトラコナゾール製剤では、むくみ、発熱、ほてり、味覚倒錯、耳鳴り、月経異常、胸痛、視覚障害、筋痛、関節痛、勃起不全、熱感、無力症、臨床検査値異常などがおこることがあります。

 このような症状がおこったときは、医師に相談してください。

ナイスタチン製剤以外の薬では、肝障害、血液障害などがおこることがあります。医師から検査を指示されることがあるので、必ず受けてください。

使用上の注意

①錠剤、顆粒剤(かりゅうざい)、液剤があって、食後の服用が原則ですが、1日の使用回数と使用時間・1回の使用量については医師の指示をきちんと守り、かってに中止したり、増量・減量しないでください。服用するときは、十分な水(コップ1杯以上の水)で飲んでください。

②あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。また、使用前に薬の効果と副作用について医師・薬剤師からよく説明を聞き、注意事項をきちんと守ってください。とくに、過去に抗真菌剤やペニシリン製剤などで過敏症状をおこしたことがある人、妊婦または現在妊娠する可能性がある人、肝臓障害、腎臓障害、血液障害といった病気がある人は、この薬を使用する前にあらかじめ医師に報告してください。

フルコナゾール製剤では、心疾患または電解質異常のある人は医師に相談してから使ってください。

 塩酸テルビナフィン製剤では、ねむけ、ふらつき、めまいなどが現れることがあるので、車の運転や危険を伴う作業には注意してください。

④この薬を服用中にほかの薬を使う必要があるときは、必ず医師に相談してください。

 とくに、グリセオフルビン製剤を使用中に、抗凝血剤を併用すると出血しやすくなり、バルビツール酸系催眠鎮静剤と併用するとグリセオフルビンの効力が低下し、経口避妊剤と併用すると、経口避妊剤の効果が低下することがあります。

 フルシトシン製剤を使用中に、骨髄抑制作用がある薬を併用したり、放射線照射治療を受けると、骨髄抑制作用が増強します。

 また、イトラコナゾール製剤フルコナゾール製剤を使用中に、抗アレルギー剤のテルフェナジン製剤、催眠鎮静剤のトリアゾラム製剤、脂質代謝改善剤のシンバスタチン製剤、免疫抑制剤のシクロスポリン製剤、強心剤のジゴキシン製剤、カルシウム拮抗剤(きっこうざい)のニフェジピン製剤ピモジド製剤酒石酸エルゴタミン配合製剤メシル酸ジヒドロエルゴタミン製剤、勃起不全治療剤の塩酸バルデナフィル水和物製剤などを併用すると副作用がおこりやすくなります。

 ボリコナゾール製剤は、ファブチン、エファビレンツ、リトナビル、カルバマゼピン、長時間作用型バルビツール誘導体、ポモジド、硫酸キニジン、シサプリド、麦角アルカロイドなどを使用中の人には使えません。また、ポリコナゾール製剤では使用中止後も羞明(しゅうめい)(まぶしさ)、霧視(むし)(霧がかかったように見える)、視覚障害の副作用が持続することがあるので、自動車の運転や危険の伴う作業(機械操作など)には十分に注意してください。