#259(大学編)……ターンオーバー
深体 71
青葉 73
「2点差ああーーーーーーーーーー!!!!!」
「また深体大が追い詰めたぞ!!」
昨年の深体大勝利のキーマン・諸星がいよいよその得点力を
発揮しだした。再び2点差に詰め寄る。
牧 「さあ! もう一本だ!!! 今度こそ追いつくぞ!!」
「オウ!!!!!!!!」
道谷《深体大が同点にリーチをかけました!! 試合開始以降
一度もリードを許していない青葉、ついに追いつかれてしまうのか》
塚本《牧君の3点プレイと諸星君のスリーポイントシュート、
深体大はじわじわとですが、確実に得点差を縮めてきてますよ》
深体大ベンチ、そして深体大応援団の声が大きくなる。
「ディフェンス!! ディフェンス!!!」
「オオオオオオオーーーーーー!!!」
つられて観客の声援も大きくなる。王者の背中を押す。
「もう一本止めろーーー!!!!」
「追いつけ、深体大!!!!」
記者席の弥生。
「深体大ベンチの声が大きくなってきたわ。ここをひとつの
ポイントと捉えたわね。追いつけるか、また青葉が突き放すか、
重要な局面だわ」
中村がうなずく。
「次の一本、どっちが取るか、大事だぞ」
青葉の攻撃。
中・外何度かボールを回した後、左45度の天崎へ。
道谷《さあ、好調の天崎にボールが入りました!》
青葉ベンチから声が飛ぶ。
「天崎!! 行けええ!!!!」
「もう一本、決めろ!!」
牧 (そこから1対1か。やはり去年とは違うな)
対峙するのは伊達健太。
1年生同士のマッチアップ。
観客席の須形。
「あの時と同じだ。天崎さん対伊達健太!」
荒石、ニヤリ。
「全国か。アイツらはずっとやり合ってたよな」
ダム!!!
天崎のカットイン!!
「行った!!!!」
伊達、併走するがコースを止めきれない。
(くっ…、本当に速い…!!)
牧が出る。 (行かせん!)
宮城 「今度は早めのヘルプだ!」
(よし)
天崎、すかさず外の藤真にパス。
赤木 (やはり、勝負どころは藤真か!)
が…
バシイイイ!!!!
藤真の目の前でボールが弾かれた。
「な…!!!!???」
道谷《あああっと!! 諸星だ!!!!》
塚本《これは読んでいました!!! ナイススティール!!》
「あああ!!! ターンオーバー!!!」
牧 「よーーし!! 諸星」
「オウ!」 諸星がボールを拾い、牧に手渡す。
(甘いぜ、1年!)
「ヤベ…!!」 天崎、猛ダッシュで戻る。
(本当に目つけられてる…!!)
ダム!!
牧が突進!
道谷《さあ、深体大の速攻だ!!》
塚本《これは大きい!! 同点のチャンス!!》
青葉コートには、藤真。
そして戻ってきた天崎。
牧、二人に向かって突っ込む。
(止めに来てみろ!)
「1対2だ!!」
「いや、牧なら行くかもしれん!!」
しかし、藤真はシチュエーションを見極める。
「天崎! 諸星を見てろ!!」
天崎 「え!?」
牧 (……!!)
天崎、サイドに眼を広げる。
外を諸星が走ってきていた。
慌てて、ディフェンスポジションを修正。
(あぶねー。牧に寄ったら出されてた…)
宮城 (よく見てやがる…!)
弥生 (一瞬の判断力が凄い…!!)
牧 (てことは、俺と勝負か)
藤真 (来い!!)
キュ!
牧、一瞬スピードを緩める。
キュキュキュ!!!!
そして、ドリブルをしながらステップを刻む。
「ハーキー!!!」
※ハーキー……ドリブルをしながら高速でステップし、
ディフェンスの体勢を崩してから抜きに行く技術
その時
バシィィィ!!!!
牧 「……!!!?」
背後から牧のボールがはたかれた。
(なんだと…!?)
牧が振り向く。
「神…!!!!」
道谷《神が弾いた!!! 後方からのカット!!!!》
こぼれ球、すかさず藤真が拾う。
「よーっし!! カウンターだ!!!」
塚本《またターンオーバーだ!! 青葉が止めた!!》
「うわあああ!!! どっちも守備がスゲエ!!!」
「こっちもターンオーバー!! 同点にはさせない!!」
青葉のカウンターアタック。
藤真から神へ。
そして、神からゴール下の森重へ。
「一気に前!! ゴール下だ!!!」 「森重!!」
青葉ベンチ、祈りにも似た声。
「森重ーーーーーー!!」
「頼む!! 決めてくれ!!!!!」
ローポスト付近。ゴールを背にしてボールを持った森重。
背後に河田美紀男。
ダム!!
森重、背中で河田を押し込みに行く。
が、
河田美紀男 (ググッッ!!!!)
押し込ませない!
森重 (うぉ、重てえ…!)
杉山 「おお、行かせない」
赤木 「あの体重が河田弟の最大の武器だ」
ダム!!!! キュ!!!!
ならばと、森重、高速ターン。
「出た……!!!」
ドン!!!!
「!!!!!!????」
森重が高速ターンで河田弟をかわした瞬間だった。
ヘルプディフェンスと接触。
河田兄が倒れている。
『ピピーーーーーーーーー!!!! 青15番!!(森重)
オフェンスチャーーーージ!!!!』
レフェリーがコブシを前に突き出す。
深体大ベンチが爆発。
「うおおおおおおおおおおーーーー!!!!!」
「河田さん!!!! ナイスディフェンス!!!!」
牧、握りコブシ。 「よーーーっし!! 河田!!」
河田美紀男 「兄ちゃん!!」
河田雅史が弟の尻を叩く。 「オウ!」
藤真 (深体大……)
道谷《なんと、またもやターンオーバー!!!!》
塚本《いきなり両軍の得点が止まりましたねえ。2点差から
互いに譲りません。凄いディフェンスです!!》
道谷《これは森尾さん、お互い次の一本が大きいと
踏んだのでしょうか?》
森尾《そうですね。まだ時間はありますが、詰め寄るのと
実際に追いつくのは違いますからね。深体大はチャンスを
逃したくはないでしょう》
記者席の弥生。
「バックラインの1対1が目立ってきたと思ったら、今度はそれを
互いに止めだした…。天崎君も牧君も決められなかった」
町田がコブシを握っている。
「最後は森重君まで…。凄い緊張感のあるディフェンスですね。
もう試合展開が読めないですよ…。1回の攻撃ごとに局面が
変わっていくようなゲームだ…」
弥生 「やはり、追いつくかどうかが、まずはポイントね…」
諸星がレフェリーからボールを受け取る。
牧に手渡す。 「行こう、牧」
牧 「さあ、追いつくぞ!!」
三連続ターンオーバー。
4thクォーター、最初の勝負どころがやってきた。