□ キャラグミン 高坂穂乃果編~その3~

 鉄の回廊熔鉄デーモンにヒィヒィ言ってる塗人です
 まだ心は折れてません。
 今回はいよいよ塗装に入ります。
 エアブラシ塗装がメインになってきますので
 工具的にハードルが上がってしまうのですが
 模型製作を趣味としているのならいつかは手にしてもらいたい塗装用具です。
 僕が購入した10数年前よりは遥かに購入しやすい値段帯で販売されていますし
 コンプレッサーを導入することで塗装の幅も広がります。
 購入するにはそれなりの決意がいると思いますが
 塗装ってこんなに楽しいんだ!と感じていただけると思いますので
 ぜひご検討くださいませ。

 前置き長くなりましたが
 穂乃果さんの彩色開始です。

 □ サフレス塗装下地

 サフレス塗装とは。
 フィギュアを組み立てた事がある方ならよく聞くと思われるサフレス塗装
 これって何?という方の為にご説明します。
 GKを塗装する段階で、パーツへいきなり塗装をすると
 パーツ表面への塗料の食いつきが悪いので通常は「サーフェイサー」と呼ばれる
 下地材を塗装します。
 なぜ食いつきが悪いのか。
 模型用の塗料をプラモデルに塗装する際、実はほんの少しだけですが
 プラスチックの表面を「溶かして」食いついているのです。
 ところがGKの場合は素材的に「溶けない」ので塗料の食いつきが弱いのです。

 話がズレました。
 サフレス塗装とは、そのサーフェーサーをレス(吹かない)して塗装するテクニックの事です。
 GKパーツの整形色を生かし、透明感のある塗装をすることが可能です。
 現在のフィギュアの肌色塗装には無くてはならない塗装方法の一つです。
 とはいえそのままパーツに塗装したのでは、マスキングをした際に塗装面がはがれてしまう
 恐れがありますから、サーフェイサーの代わりになる下地剤を塗装する必要があります。
 パーツ色を隠さないように透明で、しかも塗料の食いつきがよくなる下地剤。
 
 答えはメタルプライマーです。

 □ メタルプライマー塗装 

 

 僕はクレオス社のメタルプライマー瓶タイプを使用していますが
 ちょっと前に成分内容が変わりまして
 人によっては少し使いにくい仕様になっているようです。
 塗料の食いつきは非常に良いのですが、臭いが強く、状況によっては
 塗布後に表面がペトペトする事があるとのこと。
 (でも僕はNewメタルプライマー普通に使っていますよ)
 そこで何か変わりになる物は無いのかと探してみましたが
 以前のクレオス社メタルプライマーとほぼ同じ使用感の物がありました。
 それが画像のニッペメタル用下塗りスプレーです。

 

 さすがに缶直で吹くのは辛いので1度瓶に出してからエアブラシで吹きつけます。
 画像は瓶に移して1日置いた状態です。
 白濁していますが大丈夫です、問題ありません。

 

 ハンドピースのカップ内にはメタルプライマー3:薄め液1位の割合のものが入っています
 透明ですよね?
 これを肌色パーツ表面に吹き付けるとどうなるのかと言いますと・・・

 

 てっかてかになります。
 これクリアコートに使えるんじゃないの?ってくらいグロスになりました。
 表面への食いつきも良好でテープで剥がれる事も今のところはありません。
 メタルプライマー無きゃフィギュア塗れないよ!と凹んでいる皆さんや
 何か代わりは無いのかな・・・とお悩みの方、1度使用してみて下さい。
 
 注意点は1つだけです
 瓶に移すには瓶の中に向けてスプレーを噴射すればどんどん中身がたまっていくのですが

 必ず1日はフタを少し空けて保管してください

 スプレーの塗料を瓶に移して塗装する際に理解していなければならないのは
 スプレー塗料の中にはガスが混入していると言うことです。
 塗料の中にガスが溜まったままの状態でフタを締めてしまうと
 最悪爆発して部屋中が大変な事になってしまいますよ。
 スプレーから瓶に移した際は、必ず
 もう1度言います 
 必ずフタを少し空けて1日置き、ガスを飛ばしましょう。
 
 □ 肌色塗装

 

 メタルプライマーが乾燥したら、いよいよ肌色の塗装に入ります。
 塗装のやり方はいろいろありますが
 僕の場合はシャドウ吹きをしてから全体塗装するという方法で
 大体仕上げをしています。
 全体塗装をした後で「なんかシャドウ薄いな?」という場合は
 更に上からシャドウを吹き重ねて調整したりもします。
 個人的には塗装のやり方(ゴールへの到達の仕方)に正解は無いと思います。
 エアの圧力がとか、塗料の濃度がとか基本的な事さえ押さえておけば
 手を動かす一人一人にそれぞれの道筋が、やり方があると思うので
 恐れずどんどん塗装していってみてほしいです。
 気が付けばエアブラシの楽しさが身に染みていると思いますよ。
 またまた本線からズレました・・・
 画像はクレオス社のハンドピース「PS-270」というモデルです。
 先端の噴出孔の口径が0.2mmと細いので
 あまり意識しなくても細いシャドウ吹きが可能です。
 最近もっぱらこのハンドピースにハマっています。

 

 肌色の素、通称「秘伝のタレ」です。
 ・・・僕の通称ですが。
 僕の塗装において、全ての肌色の基となっている調合した肌色です。
 中身の内訳は

 C クールホワイト50%
 C キャラクターフレッシュ1 15%
 C キャラクターフレッシュ2 15%
 C クリアーレッド 10%
 C クリアーオレンジ 5%
 G 蛍光ピンク 5%

 上記塗料を混ぜ合わせたものです。
 (C記載はクレオス社、G記載はガイアノーツ社の塗料です)

 調合した秘伝のタレを塗料皿等に適量出して
 それに「スーパークリアー半光沢」を3割ほど混ぜて薄めます。
 薄め液で塗料を割ると、どんどん水っぽくなってしまい
 かえって塗装しずらくなるのですが
 色をクリアーで薄めると塗料の濃度を保ったまま色味を薄める事ができます。
 このやり方を僕はかなりの頻度で使用しています。

 

 準備ができたら組み付け後に見えなくなるところで色味と吹き加減の確認をしましょう。
 イメージと離れているようであれば再度色味の調整をしてみてください。
 何度も言いますが道筋の正解はありません。
 完成後の自分のイメージこそが唯一のゴールです。
 完成した姿をしっかりとイメージして、そこに向けて塗装を進めていきましょう。

 

 画像はおなかのパーツです
 上と下の際にシャドウ吹き(影付け)を行いました。
 濃すぎても変ですし、薄すぎても見えないので適度な濃さにしたいのですが
 これは感覚の問題なので何度かやってみないと身に入らないと思います。
 最初はこんなもんかな?で止めておいたほうが無難でしょう。
 足りなければ後で上から吹き足せばよいですからね。

 

 顔のパーツです
 目の上側や耳、あごの下、首の際など
 実際に影が付きそうな部分にシャドウ吹きを行います。
 そもそも何故シャドウ吹きをしなければいけないのか。
 別にしなくても良いんですよ?
 だって実際の世界には「色で影が付いている」人なんていないですし。
 ならば何故わざわざシャドウ吹きをするんでしょうか
 答えは立体感の強調です。
 起伏のある形状の深い部分に濃い色が入る事で
 より立体感が強調されて造形に深みが増すのです。
 なんのけ無に吹いている塗装も
 「そもそも何でこれをするんだろう?」の答えが分かっていれば
 より説得力のある仕上がりに繋がります。
 
 

 膝の裏にシャドウ吹きをしました
 こういう塗装が入るとただのパーツが、より足っぽくなってきます
 
 

 太ももとお尻の際にもシャドウ吹きをしました。
 このように実際に影になる部分はどこだろう?とイメージをしながら
 エアブラシ塗装を楽しんでもらえたらと思います。

 

 シャドウ吹きが終わったら、最後に上からつや消しコートをして肌色の完成です。
 え?これだけ?とお思いでしょうがこれだけです。
 元の肌色を「パーツの成形色」で代用しているので
 シャドウ吹きをしてつや消しコートを行うだけで肌色が完成してしまいます。
 これがカラーガレージキットのお手軽さでしょうか。
 とはいえそのままつや消しだけを吹いたのでは芸がないので
 下記配合の物を吹きつけました。

 C スーパークリアーつや消し 80%
 C スーパークリアー半光沢 20%
 C 黄橙色 ごく少量
 シャドウ吹きに使用した秘伝のタレごく少量
 ホワイトパール粉 ごく少量

 つや消しをそのまま吹くと当然カリカリのつや消しになるのですが

 アイドルのお肌がカリカリって何か嫌じゃないですか?

 僕は嫌なので少し半光沢クリアーを混ぜてカリカリすぎないように調整しました。
 また、黄橙色を混ぜる事で肌色に黄味を持たせ日本人ぽくし
 シャドウ色を混ぜることでシャドウとパーツ全体の色をなじませています。
 成果が出ているかどうかは見る人により違うかもしれません
 ですが「こういう理由でこれを調合したんだ!」って方が楽しいと思います。
 楽しくなければ続かないですしね。
 パールを混ぜている理由はつや消しにほんの少しパールを混ぜると
 面が膨張し柔らかそうに見えるので肌色のフィニッシュには毎回盛り込んでいます。

 これを始めたきっかけは女性のお化粧を間近で見たときに
 この質感何とか表現できないかな?と思ったのが始まりでした。
 塗装のヒントはいろいろなところにありますので
 これは!と思ったらすぐメモして、後で試していたりもします。
 
 □ マスキング
 
 

 肌色が乾燥したらマスキングに入ります。
 マスキングとは「塗装したくない部分を覆い隠す」作業のことです。
 模型製作ではマスキングテープやマスキングゾルを使用するのが一般的です。
 今回はテープを使用して塗装した肌色部分をマスキングします。

 使用する工具は画像の5点です
 ・マスキングテープ
 ・デザインナイフ
 ・金属製定規
 ・ピンセット
 ・カッターマット
 
 パーツ表面にテープを貼り付けて、形状にそって切り出す方法をありますが
 それは本体の塗装パートでご紹介します。

 

 マットに適度な長さのテープを貼り付けて
 デザインナイフで使用しやすい大きさに切り出します
 僕は18mmのテープを横に3等分し
 それを1.5cm位に切り出して使用しています。

 

 ピンセットを使って指の肌色形状に合わせてしっかりと貼りこみましょう。
 テープに隙間があるとそこから塗料が漏れこんでしまいます。
 
 

 指の先端部分も貼り漏れがないようにしっかりと貼りこみます。

 

 忘れがちなのが手の甲です。
 テープの大きさを調整し、隙間なく貼りこんであげましょう。
 肌色のマスキングは両手の指と手の甲です。
 
 □ サーフェイサー塗装

 

 次はサーフェイサーの塗布をします。
 サーフェイサーとはざっくり言えば液状のパテです。
 パーツ表面の小さな傷を埋めてパーツ表面の状態を均一化し
 塗料の食いつきを良くしてくれる下地剤です。
 また乾燥後はつや消しのライトグレーになるので
 下地処理で漏らした傷や気泡などを発見しやすくなります。
 画像はボークス社のGK用サーフェイサーグレータイプです。
 GKを塗装する際はこれが一番使いやすいと思います。

 

 では実際に吹いてみましょう。
 缶を良く振って、中身をしっかり撹拌させてからパーツとの距離を20cm位とり
 シュッシュッと吹きつけます。
 一気にシューッと吹くとパーツにサフが乗りすぎてしまうので
 シュッシュッと小気味よく吹くのがポイントです。

 

 パーツ全体がサフで覆われてグレーになりました。
 サフ吹きをするパーツは髪、クリアパーツ、肌色部分以外の
 服や靴のパーツです。

 

 乾燥後にチェックをしたところ
 スカートのパーツに駄肉を発見しました。
 これはシリコン型がむしれてしまい、そこにウレタン樹脂が流れ込んでしまって
 出来たものです。
 生産回数を重ねているシリコン型はパーツを型からはがす際に
 パーツにシリコンがくっついてしまうのです。
 割とよくある現象ですが本来は不要なものです
 400番の紙やすりできれいに処理してしまいましょう。

 

 下地処理と同じ要領で磨いてあげれば大丈夫です。
 パーツ全部のサフを落とす必要はありません、駄肉の部分のみでOKです。
 きれいになったら再度サフを吹いてあげましょう。

 

 サフを吹きなおしました。
 きれいになっていればサフ吹きは完了です。

 

 ベスト横の繋いだ部分なども確認しておきましょう。
 今回はうまく行ったようでつなぎ目の跡は見えません。
 もしもつなぎ目が見えているようであれば隙間に瞬間接着剤を擦り込んで
 硬化後に400番の紙やすりで磨き、再度サフを吹いてあげましょう。

 □ 白吹き
 
 

 サフを吹いて乾燥した状態のブーツのパーツです。
 ここから白を吹いて本格的な塗装前の最終状態となります。
 サフの上から色を塗装していく事も出来ますが
 白や黄色など明るい色はグレーの上から塗装すると
 下のグレーが勝ってしまい、きれいな発色になりません。
 ですので発色を良くするためにサフの上から白を吹くのですが
 今回のモチーフはもともと白い衣装を着ています。
 ですので白吹きと本塗の白を同時に処理してしまいます。

 使用するのはクレオス社のクールホワイト
 これが発売になってからというもの、僕は白吹きはこれしか使いません。
 とても隠蔽力が強いので、たとえ下の色が黒くても
 みるみる白になっていきます。

 

 これが白塗り後のパーツです。
 びっくりするぐらい真っ白になります。
 塗料の濃度が適正ならばエッジ(角)の部分が薄くなることもほぼありません。
 同じようにサフを吹いたパーツ全てに白を塗ってあげましょう。
 白は他の色に比べて乾燥に少し時間がかかります(クリアーや黄色も同様です)
 乾燥は十分とるようにしましょう。
 僕は白吹きをしたパーツは24時間は置くようにしています。
 乾燥が十分でないとマスキングをした際に表面が荒れてしまったり
 塗膜表面が凹んでしまったりします。

 せっかくきれいに塗装したのに悲しい事故が起こらないよう
 早く塗りたい気持ちを抑えて、待ち時間は塗装プランを練ったり
 次の模型の下地処理にあてると良いと思います。

 □ 狩人塗り
 
 このブログを熱心に見ていただいている一部の皆さんには今更ですが
 これをやらずにはいられないのでご紹介です。
 白吹きしたパーツの上に白のパールを吹きつけてパールコートをしてしまう塗装方法
 通称「狩人塗り」です
 ・・・なんかムズムズしますが気のせいでしょう。
 
 

 画像のパーツは白の乾燥後にクレオス社の

 C ダイヤモンドシルバー 30%
 C スーパークリアーⅢ 70%

 これを表面に吹き付けたものです。
 最終的なフィニッシュの際に、このパールの粒子感を生かしたまま仕上げる事で
 ライブステージ衣装のような質感が出せるよう下地として塗装しておきました。 

 普通パールコートは最終段階で行う工程です。
 ですがそれではパールのギラギラする質感が勝ってしまい
 使える個所は限られてしまいます。
 下地にパールコートをし「下地のパール質感を生かしたまま」上から彩色を重ねることで
 通常とは違ったパール効果が得られる。
 これが狩人塗りの根本です。
 パールコートするのは、帽子・帽子に付く羽・上半身服装・スカート・下着です。
 ブーツや手袋はまた違う質感を与える予定なので
 パールコートはしていません。

 最終的な完成ビジョンをしっかりイメージし
 そこへ向かうにはどのような塗装工程が必要なのかをきちんと把握すること。
 これはとても大切な事です。
 難しい事抜きにしても、あれこれ考えている間も楽しいですからね。
 
 今回はここまでです。
 次回は服の塗装に入ります、本体塗装自体は次回で終了予定ですのでお楽しみに。

 それでは!

 塗人
 
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初めまして。
初めましてといいながら、トレフェス有明の塗装講座で2回ほど最前列真ん中に陣取り、お話させて頂いたことありますが・・・某メーカーのブログをみながら、∀ー○randでガレージキットを作り始めた自分としては、このブログの開幕は本当にうれしいです!狩人塗りもいつもやってますし、今作っているキットは、アレインの赤塗装を参考にして塗りました。これからも、ブログ期待しています!
2015-09-01 Tue 21:10 | URL | 監督 [ 編集 ]
監督様
更新頻度は低いかもですが、ご期待に沿えるよう頑張ります!
2015-09-02 Wed 10:30 | URL | 熱気塗人 [ 編集 ]














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