発売当初は品切れも起きるほど、おっさんたちを狂喜乱舞させたあの騒動から1年。世間的にはCDが売れないと嘆かれることがもはや珍しくも何ともなくなった今でも、ロックレジェンドに対するマーケットはまだ熱いぞということが露見した騒動でもありました。

 ブートレッグ・シリーズの第9集に当たる『The Witmark Demos 1962-1964』と、ファーストから『John Wesley Harding』までの8枚のアルバム(9 discs)のモノ・ヴァージョンボックスセットにした『The Original Mono Recordings』がそれぞれ10月に発売されることは、既に多くの人が知るところでしょう。

 『The Witmark Demos』についてはまた近いうちに触れるとして、本日取り上げたいのは『The Original Mono Recordings』の話。

 一方日本では音源こそ欧米と同一なれど、ソニーのお家芸とも言えるオリジナル米モノLPを再現した独自の紙ジャケ仕様、さらに日本盤オリジナルLP(ステレオ盤)に付属していた帯も再現。ブックレットの和訳も付くことになった。こちらも5000セットの限定生産で、ばら売りは無し。

 昨今の円高の影響は大きく、輸入盤が異常に安いのだ。アメリカ盤は今のところ日本のAmazonが最も安く、9月10日現在で10,963円となっている。他の輸入盤を取り扱うショップでもせいぜい13,000円程度に設定されている。しかるに日本盤は当初25,000円とされていた。いくら精巧な紙ジャケ仕様とはいえ、倍以上の価格はいかがなものかと、国内のファンを悩ませる要因となっていた。

 その声が届いたのか、今日になってソニーから価格改定の発表があった。当初発表されていた25,000円から25%近くも値下げし、18,900円になったのだ。理由としては特殊仕様を予定していた箱が通常の紙製になったなど「制作上の都合」が挙げられている。ただ正式な発売のアナウンスから半月以上経って価格を下げるのは異例なので、輸入盤との価格差が考慮されたことは充分考えられる。まあ、これで日本盤を求めるファンの購買意欲が高まるのは間違いないだろう。

 上記が日本盤。9月10日現在、Amazonではまだ価格改定はなく、在庫なしの状態。

 【追記】9月15日段階で、正式に価格が改定されました。現在は18,900円になっています。

 上記アメリカ盤は先週一旦Amazonで注文できなくなったが、今週になって在庫が復活し、私はあわてて注文した。アメリカ盤の生産数は定かではないものの、それほど潤沢ではないだろう。昨年のビートルズ・モノ・ボックス同様、発売日前に売り切れることも予想されるので、注文はお早めに。日本盤が安くなったとはいえ、アメリカ盤が圧倒的に安いことには変わりはない。

 さて、ディランのモノ・ボックスに関連したアイテムはこのCDだけではない。アメリカではアナログ盤でも同時発売されることになっている。

  • 発売日: 2010/12/07
  • メディア: LP Record
  • 購入: 1人 クリック: 8回

 盤がアナログになった以外、CDとの違いは無いようだ。言うまでもなく、この時代のディランの音楽はCDで聴かれることを想定して作られていたわけではないのだから、本来意図された再生メディアはアナログなのだ。そう言われるとアナログで聴いてこそ、という気もする。私は未だにアナログ偏重なところがあって、盤質の良いレコードならCD以上に優れた音で聴けると信じて疑っていない。我が家のチープな再生環境でさえ、その差は明らかなのだ。とりあえずCDは注文済みだが、アナログも押さえておくべきかと考えている。

 ただアナログモノ盤は、2004年にSundazedが重量盤でリイシューしているんだよね。しかも今回のボックスには含まれない『Greatest Hits』まで含めて。もちろん音源は今回のリマスター音源とは違うのだが、ガレージ系などガッツのある音で定評のあるSundazedなので、聴き応えはあるはずだ。調べたら今でもカタログが残っていた。

 これはファーストから『Nashville Skyline』までのオリジナルアルバムと、『Greatest Hits』をセットにしたボックス。イギリスでしかモノ盤がリリースされなかった『Nashville Skyline』だけはステレオだが、それ以外は全てモノだ。これが今度のアナログ・モノ・ボックスより安く手に入るのは魅力だ。しかもSundazedはばら売りもしているので、好きなアルバムだけチョイスすることも可能。うーん、もう少し悩むとするか。

 ディランのモノ関連アイテムは実はまだある。1枚ものの『Best of the Original Mono Recordings』なるタイトルも同時に発売される。これもアナログ同様日本盤は発売予定が無いようだ。

  • 発売日: 2010/10/15
  • メディア: CD
  • 購入: 1人 クリック: 18回

 全15曲の収録曲は次の通り。

1. Song to Woody

2. Blowin' in The Wind

5. It Ain't Me Babe

6. Subterranean Homesick Blues

7. Mr. Tambourine Man

8. Like a Rolling Stone

9. Tombstone Blues

10. Positively 4th Street

12. Just Like a Woman

13. I Want You

14. I'll Be Your Baby Tonight

 元々発売されていた『Greatest Hits』に準じる内容で、ここには『Greatest Hits』に入っていた全10曲がそっくり収録される。シングルのみ発売でアルバム未収録の(つまり今回のボックスセットに入らない)「寂しき四番街」が含まれるのが味噌。これだけでまた頭を悩ませねばならない。

 残る5曲は「ウディに捧げる歌」(『Bob Dylan』収録)、「自由の鐘」(『Another Side Of Bob Dylan』収録)、「トゥームストーンブルース」(『Highway 61 Revisited』収録)、「アイル・ビー・ユア・ベイビー・トゥナイト」「見張り塔からずっと」(いずれも『John Wesley Harding』収録)で、ボックスセットと重複する。

 ボックスセットまでは手が出ないライトユーザーか、ボックスセットだけでは満足できないヘヴィー・ユーザー向けだろう。


 日本盤の価格が突如下がったり、当初アナウンスされていなかったベスト盤が登場したり、ディランのモノボックス関連商品については混乱が起きており、ファンは情報収集に追われている。ここへ来て、さらに混乱を引き起こすアイテムが判明した。今度は特典ディスクだ。

 一方日本盤購入者には応募特典としてこのライヴ・ディスクが配られることが正式に決まった模様。ソニーの特設ページによると、「『ザ・ブートレッグ・シリーズ第9集:ザ・ウィットマークデモ』と『ボブ・ディラン・モノ・ボックス』の国内盤W購入特典として」商品に封入されている応募券を送ると全員にプレゼントされるとのこと。

 さあ、特典目当てに日本盤を一気に両方注文しちゃいますか?それとも不確実でも米Amazonに賭けますか?ディランファンの悩みは当分尽きそうにないですな。

 現在判明している『Concert from 1963 at Brandeis University』の収録内容は以下。

"Honey Just Allow Me One More Chance" (Incomplete)

"Talkin’ John Birch Paranoid Blues"

"Talkin’ World War Three Blues"

"Talkin’ Bear Mountain Picnic Massacre Blues"

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