うつくしい人・ことば・ヒント
Twiggy|ツィギー
松浦美穂が提案する、あらたな美へのアプローチとは?
本来の美しさを見つめに、いま、原点回帰へ(1)
サロンワーク以外にも雑誌や広告写真をはじめ、ヘアスタイリストとしてコレクションのバックステージやヘアショーのイベントで活躍し、つねにモードシーンを牽引しつづけるヘア・アーティスト松浦美穂さん。そんな彼女が手がけるヘアケア製品とあり、2009年に発表された第一弾シリーズ“ユアサンクチュアリ”は美容界をはじめ大きな話題となった。そして昨年、さらに進化を遂げた最新ヘアケアシリーズ“エピキュリアン”が誕生した。また、サロンではこの春よりあらたな取り組みをスタート。なんと店舗3階にオーダーメイドトレーニングとトリートメントを提案する総合美容サロン Salon de twiggy(サロン ド ツイギー)をオープンした。あらゆる角度からアプローチすることでトータルビューティを提案するツイギー。その構想について聞いた。
Text by FUJITA Mayu(OPENERS)Photographs by TAKADA Midzuho
テーマは“原点回帰”、完全オーガニックのヘアケアシリーズ誕生
──新作ヘアケアシリーズ エピキュリアンと第一弾シリーズ ユアサンクチュアリとのちがいとは?
前作のユアサンクチュアリではナチュラル製品でありながら、お客さまがそれまで使ってきたシャンプーと変わりない泡立ちや手触りのなめらかさを感じてもらうために、動物性たんぱく質を使用していました。世間で言うところの“ナチュラル製品”なのですが、“厳密”に言うと“100パーセントオーガニック”ではなかった。
今回のエピキュリアンシリーズでは動物性たんぱく質を一切使用しない、完全植物由来のいわゆる“オーガニック製品”をつくりました。テーマは“原点回帰”。植物の力だけで満足の泡立ちや手触り、香りのよさに挑戦しました。
たとえばシャンプーの泡立ちは10種類以上のアミノ酸で実現したり、スタイリング剤に必要なタンパク源はエンドウ豆から採取した成分を使用しています。また、通常シャンプーは9割が水で、残りの1割が香りや洗浄成分など、という比率で作られているのですが、エピキュリアンは全体の9割を占める水の半分が国産ダマスクローズを使ったローズ水なんです。そうすることで手触りのなめらかさや、合成香料を使わずして豊かな香りを表現しています。朝つみ独特のみずみずしい香りは、男性でも抵抗なく使用していただけますよ。
シリーズとともに登場したヘアトニックは、ハイブリッドです。こちらは2年ほど前からサロンのスパで使用していたもので、あまりに好評だったため今回商品化することにしたんです。ある大手化粧品会社で30年以上育毛養毛剤を研究されてきた、その分野のエキスパートである皮膚臨床薬理研究所の鈴木先生とともに生薬とハーブを使ってつくり上げたトニック……これは効きますよ(笑)。いま髪にハリがないと感じている方だけでなく、未来の元気な髪を育てるためにもぜひお薦めしたいアイテムです。
“本来の自分の髪”がわからなくなっていませんか?
──エピキュリアンシリーズは髪だけでなく、身体にも使用できるそうですね。
シャンプーは全身洗浄料に、ヘアミストは化粧水に、グロスジェルはネイルジェルに使用できます。店頭ではジェルが人気があるようですね。ネイルジェルって指の腹で爪の周りに塗り込んだあと、指の腹に残ったジェルがなんとなく気持ち悪くて、手の平を拭きたくなりませんか? 私はそうなんですけど、もったいないですよね。
このグロスジェルは指の腹に残ったジェルをそのまま髪のツヤ出しとして使えるので、爪も髪も美しく、無駄なく手の心地悪さも解消できて、とっても便利なんです! ミストやオイルも同様に、スタイリングしながら肌もうるおうなんて、お得な気がするでしょう(笑)?気軽に楽しんでもらえるように前シリーズに比べ価格も抑えました。
肌にも使えるようすることで、より生活のなかに溶け込めると思ったんです。これらの製品は川に流しても水を汚さないオーガニックな内容成分だけでなく、容器は燃やしてもCO2の排出を精一杯、ギリギリまでおさえたバイオマスプラスチックでできています。オーガニック製品を使う、地球環境に配慮するって、ちょっと意識してしまうけど、何気なく身のまわりに置いていたものが、じつはサスティナブルな製品だった、ということなら自然に受け入れられると思うんです。そういった製品が知らず知らずのうちに増えていく、それって自分にとっても地球にとってもうれしいことですよね!
──“エピキュリアン”とはどういう意味ですか?
ドイツの哲学者ニーチェの言葉に由来します。“エピキュリアン”は“享楽者”“快楽主義”といった意味で使われることが多いのですが、それってじつは誤解なんです。
古代ギリシャの哲学者 エピキュロスが語源となっているのですが、彼は生きていくうえでの快楽を追求しました。そして辿り着いた快楽の頂点は“満足”と呼ばれる贅たくだったわけですが、その“贅たく”に必要なものは、小さな庭、そこに植わっている数本のイチジクの木、少しばかりのチーズ、3~4人の友人たち──これだけで彼は充分に贅たくに暮らすことができました。
私が今回エピキュリアンシリーズに込めたメッセージはまさにこういうこと。美しくなりたいという想いから、いいと言われるものはとにかく取り入れてみる──女性は好奇心旺盛ですから、誰だってそうだと思うんです……って私がまさにそうなのですが(笑)。みなさん、これまでにあらゆるものを試されてきたと思うんですけど、そのうちに“本来の自分の髪”がわからなくなってしまう場合がとても多いんです。