ムダ毛処理は、もはや女子の常識。
脇や腕だけではなく、最近ではVIOの脱毛もすっかり定番化している。
そしてさらに驚くのは、近頃では男性もムダ毛を気にするようで、ひげや体毛の処理がメンズエステの人気メニューのひとつになっているのだとか。
そんな私たちからは「ちょっと恥ずかしい」存在として認知されているムダ毛だけど、このムダ毛を大胆にも一種の「アート」にしてしまった男性がいる。
アメリカはアイダホ州在住のマイク・ウルフさん、35歳男性。
彼は人知れず、大きな悩みを抱えていた。その悩みとは……「体毛が濃い」ことだ!
しかもこの濃い体毛、一番濃い場所がなんと「背中」。
大学時代に人より毛の量が多いことに気が付き、周りの友達と比べてみたけど、確かに濃い!
面白いくらいに毛が生えてきていたという。
「ああ、どうしよう」そう思いつつ、背中という場所柄剃るわけにもいかず、そこからひっそり10年も「せな毛」を伸ばし続けてしまったのだ。
そんな彼に転機が訪れたのは、2008年。
この濃いせな毛をなんとかしようと友人のハーデングに頼み、この生い茂ったせな毛を、星条旗の模様に剃ってもらったことがきっかけだ。
そして、彼は仕上がりを見て感動した。
「なんて完成度が高いんだ!」と。
「背中にこんなにも毛が生えている男がいたら、普通はからかうけど、今度はそんなせな毛を輝かせてあげたかった」
彼にとってせな毛はともに人生を歩んできた、大切な体の一部なようだ。
この「せな毛アート」。
さらに何かに使うことはできないかと、彼が考えた先はカレンダーの制作。
なんともクレイジーな!
しかし、カレンダーの中身をのぞいてみるとそのクオリティーはかなりのもの。
勇気を出して見てみると、そのせな毛から表現される奥深いアートにうっとりしてしまう。
きちんとカレンダーとしての役割も果たすべく、それぞれの月に合ったデザインを採用しているとはお見事!
1月のページには「NEW YEAR」の文字が、10月のページには「ハロウィン仕様」となったせな毛アートがページを飾っている。
ちなみにこの1年分のカレンダーを制作するのに費やした時間はなんと4年!
一度毛を剃ってから、また毛が育って次のアートができる状態になるまでに4ヶ月はかかるようで、1月から始まったカレンダー制作が終了したのは、なんと4年後だった。
彼の挑戦は、カレンダーの完成だけでは終わらない。
なんと今度は、そのカレンダーを販売して、収入の一部をケニアの孤児院に寄付されるような仕組みをつくったのだ。
ケニアにはまだまだ十分な教育が受けられない子供たちが多く、中等教育を受けられる子どもの数は半分にも満たない。
学校自体は2003年から無料化されたが、教科書や制服、文房具の購入費用、さらには、校舎の改築から、備品の購入まで負担をしなければならないため、結局多大な費用がかかってしまうことが原因のひとつだ。
この支出は、まだまだ教育よりも生きることに精一杯なケニアの人々にとって、とても簡単に支払える金額ではない。
そんなケニアの人々を救うべく、彼はケニアの子どもたちの教育をサポートする手助けをしている地元の協会『Gates of Hope』と手を組んだ。
『Gates of Hope』は、ケニア支援のためのきちんとしたパイプを持ち、せな毛カレンダーの収益の一部をケニアの孤児院にきちんと届けてくれる強力なパートナーとなった。
まずは、まだまだ知られていないケニアの現状を知ってもらわなければならない。
そこで、彼はそんなケニアの現状を彼らの活動を通して知ってもらうべく、自身のホームページに協会の紹介を大々的にし、彼のホームページを訪れた人が、自然と協会のページもクリックしてくれるようにしむけたのだ。
事実、制作までの面白ストーリーも相まって、彼のクレイジーなせな毛カレンダーのうわさはメディアでも取り上げられるほど話題になった。
それにより、ホームページのアクセス数は増加。
そして、興味本位でホームページを訪れた多くの人々が、どんなカレンダーか見るのと同時に、そこにでかでかと紹介されている『Gates of Hope』のページもクリック。
彼らの活動を世に知らしめることにも成功したのだ。
もちろん、彼へのちょっとした興味から、せな毛カレンダーを購入した人もたくさんいる。
その収入の一部を寄付することによって、ケニアの人々の教育の手助けへと繋がったことは言うまでもない。
ここまでくると、コンプレックスであった彼のせな毛はちょっとしたジョークでは済まされない、すばらしいポシビリティーを持ち合わせた偉大なる「毛」へと変貌を遂げたのではなかろうか。
ちなみに、この「せな毛」カレンダー。
彼のウェブサイトより、アメリカ国内だけではなく、国外からも購入可能だから気になる方はぜひ。
日本から買う場合は30ドル。
なんともお手軽なお値段だ。
自分のコンプレックスであったせな毛を強さに変え、さらには、地球の反対側の子どもたちまでを救ってしまった彼。
少しクレイジーな方法だが、私たちにチャリティーへの新たなかかわり方を示してくれたのかもしれない。
現在彼は結婚をして、子どももいるという。
そして、彼の妻は彼のせな毛が大好きだと毎日のように彼に話しているそうだ。
彼はせな毛というコンプレックスを克服し、さらにそれを武器にすることによって、自らの自信へと繋げてしまった。
自分がコンプレックスだと思っていることを恐れずに認め、プラスに変え、さらにそのコンプレックスで誰かを救うことができたら、それはもう、コンプレックスではなく、きっと自らの誇りになるだろう。
続けて読みたい記事:『全米最強の髭男は俺だ。』
ーBe inspired!
いいね!しよう