アラセナA軟膏とアラセナSに違いはある?
口唇ヘルペスで、病院から処方される薬のひとつ「アラセナA軟膏3%」。
ドラッグストアや薬局で似た名前の「アラセナS」という薬を見つけて、「同じ薬なのでは?」と気になる人も少なくありません。
アラセナA軟膏とアラセナSが同じ薬というのは、半分正解です。
アラセナSとは、アラセナA軟膏のスイッチOTC薬とよばれるタイプの市販薬。
つまり医薬品である、アラセナA軟膏と同じ有効成分(ビダラビン)を含む市販薬です。
医薬品としての実績と高い安全性があるからこそ市販されるようになったので、アラセナSには高い効果が期待できます。
ただし、アラセナA軟膏とアラセナSには使用上の注意に違いがあるのです。
高い効果がある市販薬だからこそ、正しい知識をもって使用することが大切です。
この記事では、アラセナA軟膏とアラセナSの違いや、ビダラビンの効果、使用上の注意について解説していきます。
【第1類医薬品】アラセナS ※セルフメディケーション税制対象商品
アラセナA軟膏とアラセナSのふたつの違い
アラセナA軟膏とアラセナSの違いは、下記の2点です。
1)アラセナA軟膏は、帯状疱疹や単純疱疹全般(唇、性器など)に使用できるのに対し、アラセナSは口唇ヘルペスにしか使えない。
2)アラセナA軟膏は初感染から使用できるが、アラセナSは再発時にしか使えない。
ビダラビンという同じ成分を含みながら、アラセナSは再発時にしか使用できない理由はふたつあります。
ひとつは、初感染の場合、自分が口唇ヘルペスにかかったと自己判断するのが難しいこと。
そしてもうひとつは、初感染では単純ヘルペスウイルスに対する免疫力が不十分なため、症状が重くなりやすいことです。
初めて口唇ヘルペスの疑いがある症状が出た場合は、必ず皮膚科を受診しましょう。
受診のタイミングは早ければ早いほど、良いです。
初期症状である皮膚の違和感(ムズムズ・ピリピリなど)が出た段階で、医師に相談してください。
また、口唇ヘルペスの再発でアラセナSを使用する場合も、早めに治療を始めましょう。
症状が出てから5日以内の使用開始が、推奨されています。
アラセナA軟膏とアラセナSの成分比較
アラセナSはアラセナA軟膏のスイッチOTC薬なので、成分や量に違いはありません。
| 販売名 | 成分と量 | 添加物 |
| アラセナ-A軟膏3% | ビダラビン(1g中30mg) | 白色ワセリン 流動パラフィン |
| アラセナS | ビダラビン(1g中30mg) | ワセリン 流動パラフィン |
有効成分のほか共通する点として、基剤にワセリンが使用されていることが挙げられます。
ワセリンは敏感肌にも使用しやすく、患部を保護してくれるので、水ぶくれや痛みが生じた口唇ヘルペスにも効果が期待できます。
流動パラフィンは、軟膏の肌なじみを良くするための成分です。
ただし表記に多少の違いがある通り、使用されている添加物は厳密には異なります。
こうした差異から、効果や副作用のあらわれ方に違いが出る可能性があることも理解しておきましょう。
アラセナAとアラセナSの有効成分「ビダラビン」とは?
「ビダラビン」は、高い抗ウイルス作用が特徴の成分です。
原因ウイルスが活動・増殖する上で欠かせない「酵素」の働きを阻害する効果などがあります。
1)ウイルスの体を構成している、タンパク質を作らせない。
2)ウイルスのDNAを作る酵素(SAH水解酵素)の働きを阻害する。
3)ウイルスのDNA複製に重要な酵素(チミジンキナーゼ)に働きかけ、増殖を抑制する。
中でも1~2はビダラビンだけが持つ効果とされており、口唇ヘルペスの原因である単純ヘルペスウイルスの増殖を抑制するのに役立っています。
アラセナSの使用上の注意点
アラセナSを使用する前に、副作用や使用上の注意について知っておきましょう。
アラセナSの副作用
以下の症状が出たら副作用の可能性があります。
直ちに使用を中止し、添付文書を持参の上、医師や薬剤師に相談しましょう。
使用継続すると症状が悪化するおそれがあります。
| 関係部位 | 皮膚 |
| 症状 | ・接触皮膚炎様症状 (外的刺激による紅斑、水疱、かぶれなど) ・刺激感 ・かゆみ等 |
アラセナSを使用できない人
・患部が広範囲である。または全身症状(発疹・発熱)がみられる。
・本剤または本剤の成分(ビダラビン)によりアレルギー症状を起こしたことがある。
・6歳未満の乳幼児(初感染の可能性が高いため)。
使用することで副作用や事故が起こりやすくなるほか、症状が悪化する可能性があります。
アラセナS使用前に相談が必要な人。
下記に当てはまる人は、使用前に必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
・医師に治療を受けたり、薬を処方されている。
・妊娠中、あるいは妊娠の可能性がある。
・授乳中である。
・本人や家族がアレルギー体質である。
・症状が重度である。
・アトピー性皮膚炎である。
アラセナSの誤った使用方法
誤った使用が原因で症状が悪化したり、副作用が起こる可能性があります。
■2週間を超える長期連用。
→2週間経っても症状が消失しない場合は、他の疾患の可能性があります。
5日間使用した段階で症状の改善がみられない、あるいは悪化している場合には、医師の診察を受けましょう。
■口唇ヘルペス以外の疾患への使用。
→帯状疱疹やニキビ、口内炎など、口唇ヘルペスではない疾患への使用は禁止されています。
■再発予防を目的とした塗布。
→症状が認められない時期の塗布は、薬の効果が期待できません。
さいごに
現状では、単純ヘルペスウイルスを体から完全に除去することが難しいです。
口唇ヘルペスの再発を繰り返さないためには、ウイルスの活性化を防ぐしか方法がありません。
ウイルスに対する免疫力を低下させないよう、疲労やストレスを溜めこむ生活や、強い日光による刺激を避けましょう。
また、風邪を引くことも再発の原因となります。日頃から体調管理を心がけることも大切です。