ピルの副作用・肝斑の原因と対処法

ピルを飲んだ時に起こるまれな副作用として、肝斑が挙げられます。肝斑の発生には、女性ホルモンが少なからず影響しています。ピルは女性ホルモンの含まれた薬ですから、服用の際には肝斑との関わりが気になりますよね。ピルと肝斑の関係についてみていきましょう。

副作用:肝斑・そばかす・色素沈着

肝斑はピルの副作用なの?肝斑の対処法が知りたい

ピルを飲み始めてから頬にシミが...ひどくなってしまわないか気になる

ピルを飲んだら顔にシミが…。これって治せる?(30歳・女性)

生理痛改善のためにピルを飲み始め、3週間経ちました。最近、両方の頬(左右対称)にモヤっとしたシミができてしまいました…。ネットで調べてみると、「ピルを飲むと肝斑ができやすくなる」といった情報が見つかり、今さらながら不安になってしまいました…。このシミは、ピルを飲み続けるとひどくなってしまうのでしょうか?治せますか?また、治すための飲み薬とピルを併用しても問題ありませんか?

ピルを飲むと肝斑ができる?

肝斑とは、シミの一種です。厳密にいうと、シミは紫外線の影響を受けてできるものですが、肝斑は紫外線に関係なくできるものです。では、肝斑の原因とはなんでしょう?「ピルを飲むと肝斑ができる」といわれているのはなぜなのでしょうか?

肝斑の原因はプロゲステロン

一般的に肝斑は、妊娠中やピル服用時、または更年期などに起こりやすいとされています。そのため、肝斑ができてしまう主な原因は、女性ホルモンの乱れであると考えられています。

肝斑の元となるのは、色素沈着の原因でもあるメラニン色素です。このメラニンを生成するのが、皮膚の基底層にあるメラノサイトです。実は、ピルに含まれる黄体ホルモン(プロゲステロン)には、このメラノサイトを刺激する働きがあるのです。このことから、肝斑は“黄体ホルモンが優位な状態”にあるとできやすいことが分かります。

つまりピルを飲んで肝斑ができるのには、ピルの中に含まれる黄体ホルモンが関係しているのです。黄体ホルモンが皮膚の基底層にあるメラノサイトを刺激すると、それによりメラニン色素が生成され、肝斑となるのです。

ピルと肝斑治療薬は併用できる?

肝斑の治療薬には、ビタミンC製剤である「シナール」と、トラネキサム酸が配合された「トランサミン」などがあります。結論から言えば、どちらもピルと併用して問題ありません。もちろん、避妊効果も保たれたまま併用できます。しかし、「トランサミン」についてはひとつだけ気を付けなければならないことがあります。

トランサミンの止血効果に注意!

「トランサミン」に配合されているトラネキサム酸は、止血効果を持っています。もし万が一、ピルの副作用として血液中に血栓が生じてしまったとしましょう。こういった時に「トランサミン」による止血効果があると、血栓が溶けるのを遅らせてしまうおそれがあるのです。

とはいえ、ピルを服用していて血栓症の起こる確率というのは、10,000人に3人から9人(0.03%から0.09%)程度と、極めて少ないです。このため、病院で血液検査を受けてさえいれば、肝斑の治療薬とピルの併用は認められています。

ピルで肝斑ができた場合の対処法

一度肝斑ができてしまうと、ピルの服用を中止するくらいでは肝斑は改善しません。肝斑ができた時の対処法としては、ピルを服用しつつ、同時に肝斑の治療薬を併用する方法が望ましいでしょう。もちろん、肝斑の治療薬とピルを飲み合わせても問題がないか、きちんと病院で検査を受けてください。

他に、肝斑を改善する外用薬(塗り薬)を使う、紫外線対策をするといった方法も効果的です。また、ピルの服用を開始する前に、あらかじめ肝斑になる可能性のあるピルを避けるのもよいでしょう。

肝斑ができやすいピル・できにくいピル

先ほどもお話ししたように、ピルで肝斑になるのには、ピルの中に含まれるプロゲステロン(黄体ホルモン)が関係しています。体内でプロゲステロンが優位になればなるほど、肝斑の現れる確率は高くなるというわけです。つまり、副作用としての肝斑を避けるためには、プロゲステロンの少ないピルを選ぶとよいでしょう。

オーソM、オーソ777、マーベロン、トリキュラーそれぞれの、1周期あたりのプロゲステロン総量を比較してみましょう。

「オーソM」は、プロゲステロンが1錠に1.00mg含まれています。「オーソ777」は3相性ピルのため、シート内でホルモン量は変化していきますが、プロゲステロンが最も多い場合は「オーソM」と同じく1錠に1.00mg配合されています。

これに対し「マーベロン」は、1錠に含まれるプロゲステロンが0.15mgととても少ないです。3相性ピルの「トリキュラー」は「マーベロン」よりさらに少なく、1錠あたりのプロゲステロン量は最も多い場合でも0.125mgです。

ピルの種類によるプロゲステロン含有量(総量)の違い
プロゲステロンが多い
  • オーソM(1周期あたり21.00mg)
  • オーソ777(1周期あたり15.75mg)
プロゲステロンが少ない
  • マーベロン(1周期あたり3.15mg)
  • トリキュラー(1周期あたり1.93mg)

肝斑の症状を避けたいのならば、ピルに含まれるプロゲステロンの量に気を付け、ピルを選んでみましょう。

肝斑の不安は解消しましたか?

ピルの数ある副作用のうち、肝斑は特にまれな症状です。肝斑は、女性ホルモンの乱れが原因であると考えられ、特に黄体ホルモン(プロゲステロン)が多く分泌されると発生しやすいことが特徴です。肝斑を治療するための飲み薬とピルは基本的に併用しても構いませんが、きちんと病院で検査を受けたうえで服用してください。

また、あらかじめ肝斑に気を付けたい場合は、肝斑の原因となる黄体ホルモン(プロゲステロン)の配合が少ないピルを選びましょう。

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更新日:2017年01月19日 (公開日:2017年01月19日)