歯の移植
親知らずなど使っていない歯の移植ができます。自分の歯を活かす治療方法です
移植・再植|自分の歯を植え替える
最近の歯科技巧の技術が高く見た目も生体親和性も高いものがあるとしても人工の物を体に入れる事に抵抗はあるものです。
しかし、自分自身の歯を移植して使えるとしたら素敵だと思いませんか。 移植は保険診療でも認められた一般的な治療方法のひとつです。使われていない親知らずを移植することが多いようです。
また、再植は何らかの治療のために自身の歯を一旦抜いて、治療後に植え直すことを言います。
移植による治療
何らかの事情で歯を抜歯せざるを得なくなった場合や、既に歯が無い場合にお勧めしたい方法の1つです。
移植ということですが、誰かの歯を移植する事では無く、ご自身の歯を移植する事が前提になります。現在、他人の歯を移植することは当院だけでなく、他の歯科医院でもほとんど行われておりません。
左上の図の様に、7番目の歯がむし歯で抜歯する他に選択肢が無い場合。また、神経までむし歯に侵されて復元することが難しい場合など条件として歯が使えないということが必要です。
左のイメージのように抜歯します。
その移植用の歯は、智歯(親知らず)や埋伏歯(機能せず骨の中に埋まっている歯・過剰歯も含む)などがドナー歯として使われる場合が多いです。
この治療は、再生療法の一種であり適応するドナー歯(移植用の歯)が必要になるため、患者さまがドナー歯を持っていることが適用の第一条件になります。
当院では、CTの導入もありドナー歯の確認はもちろん、移植する歯の形と移植する先の状況を把握することにも十分な情報を得ることが可能です。
移植する先の状況は、歯茎の状況や歯槽骨などレントゲンだけでは得られない状況を確認できます。
治療工程のイメージのような埋状歯(親知らず)がある場合、歯を失ったところ(7番目)に移植することができます。この親知らずを取り出します。
移植する先は、歯茎を切開して歯の骨を削り移植する歯が入るようにします。
また、7番目の歯がむし歯などで抜歯が必要になった場合、その後ろの親知らずを7番目の位置に移植する事も可能です。このイメージのようなケースで、抜歯と同時に移植するちりょうであれば保険が適用されます。さらに複雑な移植はご相談ください。
うまく移植できれば、歯の噛み合わせを調整して完了です。歯を支える骨と歯茎の状況がしっかり安定するまで4〜5ヵ月くらいかかります。
その間、定期的に通院頂くことが必要です。
移植の治療事例
黄色の×印の歯は、歯冠部分がほぼ無い状況になってしまい、このままでは十分な補綴ができないため抜いて、赤色の×印の親知らずを移植する治療を行いました。 移植した歯は歯髄処置が施してあります。
このような処置が出来れば義歯やインプラントが不要になり、患者様の負担が少なくなります。
ただし、どの部位でもこの処置ができるとは限りません。条件が合うことに加えて、この治療が最善と考える根拠に基づいて治療を検討することになります。
移植のメリットとデメリット
メリットとしてあげられることは、一本抜けたところに親知らずや埋伏歯(機能せず骨の中に埋まっている歯)を抜歯して移植することで、抜けた両隣の歯を削らなくてすみます。
移植される歯の根っこの部分には骨を誘導する「歯根膜」という(顎骨に歯を留めておく靭帯のような)組織があます。 この歯根膜の面積やボリュームがあればインプラント等では得られない安定が得られるとともに、自身の体から取り出した歯であることから異物反応が起こらないという有効な治療法です。 歯の移植は術後4~5ヶ月で安定し自分の歯として噛むことができるようになります。 また一部健康保険適応となる場合があります。
逆にデメリットとなるところもお伝えするとすれば、条件として移植する歯があることが前提になります。 患者さまが、強く希望されてもドナー歯がなければ移植できません。(現状当院では、他人の歯を移植することは出来ません)術後の経過観察として4ヵ月以上の時間がかかります。 時間がかかるという事をご理解ください。また、移植する歯の状況や、移植する先の状態により必ずうまくいくとは限りません。 診断と医師の判断も含め、よく話し合って治療していく事になります。
移植治療に必要な費用
移植による治療は、健康保険が使えるケースと使えない場合があります。 条件として、移植する歯は、8番(親知らず)に限定し、さらに歯を保存せずに当日に移植する事が条件となります。 つまり、7番目の歯を抜いたときに8番目の親知らずを移植することが保険適用の範囲になります。 その他の条件での移植は、当院の医師に相談ください。
再植での治療
再植による治療例を紹介します。この症例は、上顎にの親知らずが埋まっています。治療した歯の根よりも奥に親知らず在ることが確認できます。
1番のCT画像で見て取れますが、この親知らずを大きなのう胞が包み込んでいます。 2番のデンタルレントゲン写真ではわかりにくいですが、1番の写真ですとそのふくらみが確認できます。
この症例では、埋まっている歯とのう胞を摘出する必要がありますが、その為には前にある歯を抜く必要があります。
手順としては、まず見えている歯を抜き、のう胞と親知らずを摘出する治療を行います。
その後、先に抜いた歯を戻して固定しました3番の写真。
一番後ろの歯を残すことは、その後の治療にとって大事なことです。
尚、のう胞が分厚かったため腫瘍性病変を懸念して病理検査を行いましたが、安心できる結果でした。
当院では、口腔外科の視点でも治療をイメージし、患者さまに安心を提供いたします。