これまで健康的に共に暮らしてきた愛犬の皮膚に、突然見たこともないニキビのようなブツブツがたくさん!!
慌てて動物病院へ連れていくと診断された「膿皮症」。
獣医師さん曰く、犬の皮膚病の中で最も多い病気なのだそう。。。
病名も分かり、お薬も処方してもらい一安心。
しかし、
- なぜここへきて突然できたの?という疑問や
- 本当に、病院の薬を飲むことで良くなるのか?という不安
- 膿皮症がなかなか治らないけど、一生このままなの?という不安
- 仮に良くなったとして再発しないのかという不安
- 膿皮症以外にどこか悪い所があればどうしようという不安
などがある飼い主さんも多いのではないでしょうか?
ここでは犬の膿皮症の、原因と症状や治療方法。そして自宅ですぐに実践できる、7つの膿皮症対策をご紹介しています。膿皮症でお悩みの飼い主さんの疑問や不安解消のお役に立てれば幸いです。
膿皮症になってしまう原因
皮膚病は、動物病院に訪れる犬の中で最も多い病気なのだそうです。その皮膚病の中でも膿皮症が一番多い皮膚病だと言われています。
犬の正常な皮膚の状態とは?
犬の皮膚の表面は人間よりもずっと薄く、炎症を起こしやすいデリケートなものです。犬の皮膚は、細菌やウイルスなどの病原体や有害物質の侵入を防ぎ、体内の水分などの損失を防ぐバリア機能、体内の水分を保持し、汗や皮脂を分泌するなどの役割があります。
また、人間との大きな違いは、たくさんの被毛にあります。全身が毛の覆われているため、皮膚の異常には非常に気付きにくいです。
健康な犬の被毛はつややかで光沢があり、皮膚も乾燥や炎症が無いキレイな状態です。この状態は、身体の中で様々な仕組みが働いていますから、皮膚と被毛の状態は、身体の仕組みがきちんと働いているかどうかのバロメーターであるといえます。
膿皮症が発症するメカニズム
ノミなどによる皮膚の炎症は、外部からの感染が原因となりますが、膿皮症は違います。
皮膚にもともと常在している菌であるブドウ球菌などが原因で発症します。この菌は、正常な皮膚にも付着している細菌ですが、様々な事が原因で、犬本来の免疫が低下する事で異常増殖し発症します。さらに、皮膚に小さな傷などがある場合、増殖した菌がそこから侵入し、症状を悪化させます。
膿をともなったニキビのような症状ですが、ニキビはアクネ菌が原因で発症し、膿皮症はブドウ球菌などが原因で発症する為、全く別の皮膚病です。
膿皮症には種類があります
犬の皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層からなっています。犬は表皮がとても薄く、被毛がに身体の表面を覆っています。
膿皮症は、細菌の皮膚への侵入の度合いや広さによって、病名や症状が異なります。
表面性膿皮症
表面性膿皮症とは、表皮の表面にある角質層に発生した膿皮症です。
表面性膿皮症の症状と皮膚の色
ホットスポット(化膿外傷性皮膚炎)
外傷やかきむしりによる角質層の破壊によって起こります。炎症を起こしている部分は脱毛し、血や膿、体液などがジクジクと滲み出てくる場合もあり、ひどい痒みと痛みがあります。
皮膚のしわにできる膿皮症
パグやブルドッグなどの鼻ペチャの犬種。いわゆる短頭種に発症しやすい膿皮症で、皮膚のしわの間が化膿した状態です。白くて脂っぽい滲出物を出します。皮膚皺襞膿皮症(ひふしゅうへきのうひしょう)と呼ばれます。
表在性膿皮症
表在性膿皮症とは、毛包の1部と、その毛包に隣接した表皮に発生した膿皮症のことです。
表在性膿皮症の症状と皮膚の色
全身に脱毛を伴った膿疱がたくさんできる
一般的に「膿皮症」といえばこの状態を指します。表層性細菌性毛包炎と言われる最も多い症状です。毛包が炎症を起こし化膿した状態です。特徴は脱毛を伴ったニキビのような小さな膿が現れ、ひどくなると皮膚の色が赤く変化したり、薄黄色の膿が溜まり、痒みがあります。
また、毛包の炎症が大きくなり円形に拡張した状態を表層性拡散性膿皮症(ひょうそうせいかくさんせいのうひしょう)と呼び、背中に多いとされます。この状態になると、中心部に色素が集まって黒くなり、ウシの目のように見える事から「ブル・アイ」と呼ぶ事もありあます。
腹部に多く発症する膿皮症
黄色いかさぶたが特徴的な膿皮症で、寄生虫やウイルスに感染した子犬の腹部に多く発症します。膿痂疹(のうかしん)とよばれ、痒みはあまりなく、多くの場合は自然治癒します。
唇やまぶたなどが化膿する膿皮症
皮膚粘膜膿皮症(ひふねんまくのうひしょう)と呼ばれ、その名の通り皮膚の粘膜に炎症が生じて化膿した状態です。口唇、まぶた、外陰部、肛門など、粘膜が存在する場所に発症し、かさぶたとびらん(へこんでグジグジした状態)を特徴とします。
深在性膿皮症
深在性膿皮症とは、毛包全体、真皮、皮下組織に発生した膿皮症のことです。
深在性膿皮症の症状と皮膚の色
全身にでる症状
毛包で発生した炎症が悪化し、毛包全体から真皮にまで広がってしまった状態を深層性毛包炎と言い、かゆみを通り越して痛みを伴い、発熱する場合もあります。
指の間、肉球、前足の先端などにでる症状
短毛種の下あご、指の間、肉球、頻繁になめる前足の先端などに、いわゆる「おでき」ができます。毛包が破壊され、真皮の成分が外に流出することで発症します。
膿皮症の症状
膿皮症は、かゆみが非常に強いため、犬が舐めたり、引っかいたり、地面にカラダを擦り付けたりして、一昼夜にして体の広い部分から毛が抜けてしまい、飼い主を驚かせてしまう事があります。
こうした症状は、犬が舐めたり噛んだりしやすい箇所、例えば四肢や臀部によくあらわれます。
主な症状は、かゆみや脱毛、膿をもったり患部が膨れ上がったり、ひどい場合は痛みを生じたり発熱したりします。病巣の深さによってそれぞれ症状は異なります。
膿皮症を発症しやすいケースとは?
普段は悪さをすることのないブドウ球菌などの皮膚常在菌。様々な理由によってこの常在菌が異常繁殖する事で、膿皮症を発症してしまいます。では、どのような時に異常繁殖してしまうのでしょうか?
その代表的なケースをご紹介します。
- 不潔・不衛生な環境は常在菌が増殖しやすい。
- 湿気が多い環境は増殖しやすい。(雨の多い時期は発症率が高い)
- 長毛種などの、毛づくろい不足による被毛内の換気の悪化。
- 以下の病気が引き金となって二次的に発症する。また、治ったと思っても再発しやすい。
(食物アレルギー、アトピー、脂漏症、クッシング症候群、糖尿病、肝臓病、クッシング症候群、甲状腺機能低下などの皮膚に影響を与える基礎疾患) - ニキビダニ、マダニ等の皮膚の寄生虫疾患が引き金となって二次的に発症する。
- 薬物の過剰な投与(副腎皮質ホルモン薬など)
- 免疫力や抵抗力が低い子犬やシニア犬。
- 擦り傷や噛み傷から感染。
- 強いブラッシングの傷などから感染する。
- 栄養不良が原因で抵抗力、免疫力が弱まる。
抵抗力、免疫力が正常な犬は、上記のようなケースであっても常在菌の異常繁殖を抑えるチカラがありますが、そうでない犬の場合は、菌が異常に増え膿皮症を発症してしまいます。
犬の膿皮症の一般的な治療方法
通常の病気の場合、まず検査をした結果をもとに病気を特定し、診断をくだしてから治療を行います。しかし皮膚病の場合は、まず症状を楽にする事を優先するのが一般的です。診断をしながら対症療法をはじめるわけです。その治療結果をもとに、それで良くなったということで、何らかの菌が悪さをしていたということを判断します。これを「治療的効果」と言います。
対症療法が中心とはいえ診断は必要です。なぜなら、そのあとどれくらいで治るかといった予後を知るうえで大切だからです。獣医学修士 玉川清司監修「犬の病気がわかる本」より
犬の膿皮症の治療に使うお薬
抗生物質
膿皮症の原因となる細菌繁殖を止める為の抗生物質です。ラリキシン、セファレキシンやニューフィドロンなどが一般的。処方された量、期間を守って全て服用しないと完全に死滅していない細菌がまた活動、繁殖してしまいます。
ステロイド剤
症状を緩和する事を目的に、炎症やかゆみを抑える為にします。
薬用シャンプー
殺菌のために薬用シャンプーによる洗浄を行います。病院で使用されているもののほかにも、市販されている薬用シャンプーも多くあります。
塗り薬
抗生物質のゲンタマイシン硫酸塩が含まれている軟膏や、ステロイドと抗生物質の両方が含まれているリンデロンなどが代表的です。
自宅でできる膿皮症予防と対策
膿皮症は、とにかく強い痒みがあり、放置してしまうと短期間で症状は広くなり重症化してしまいます。ですから、まず大切なのは、しっかりと獣医師に診てもらい、重症化する前にかゆみなどの症状を抑え、他に原因となる病気はないか検査をしてもらう事です。
しかし仮に短期間で症状が改善されたとしても、また再発する可能性もあります。また、なかなか治らない場合は、対症療法だけでは厳しいという現実もあります。
そのため、場合によっては生活環境を一から見直す必要もあるかもしれません。愛犬の膿皮症を改善する為、また予防をするために、飼い主は日々どのような事に気を付けてあげればよいのでしょう。
1.ブラッシングで皮膚を観察
まず大切な事は早期発見です。しかし犬は全身が毛で覆われているため、皮膚の異常には気づきにくいものです。ブラッシングは愛犬の被毛を美しく保ったり、皮膚の血行を良くし、新陳代謝を促したりするとても大切なケアです。そして、飼い主さんと愛犬の重要なスキンシップの場でもあります。定期的なブラッシングを行い、皮膚の状態を観察する習慣をつける事で、皮膚の異常をいち早く察知し、早期対応を心がけましょう。
2.湿気対策
細菌は湿気が高い所のほうが増殖しやすいです。細菌の繁殖条件は第一に水です。水さえあれば細菌は栄養が少ない環境でも繁殖する事ができる為、湿気をなるべく避けるにこしたことはありません。そのため、梅雨の時期や夏は特に膿皮症を発症する犬が多いです。
犬服をよく着せるようであれば、なるべく通気性の良い素材を心がけるべきです。濡れた場合は、特に乾きにくい耳の後ろや足の付け根の部分を徹底的に乾かしたり、お腹などの蒸れやすい部分は長時間濡れたままにならないよう気を付けましょう。
膿皮症の段階や治療によっては、毛を短くしたり剃ったりするのが効果的な場合もあるようです。また、雨の日など湿気が多い日はエアコンのドライ機能などで除湿をする事をオススメします。
3.清潔を心がける
膿皮症発症の起因元となるノミの寄生。ノミの卵は犬の近くのカーペットやクッションなどに落ちて、その中でハウスダストを食べて成長していきます。ですから、犬が普段過ごしている所を清潔にしておくとノミの繁殖を防ぐことができます。
室内犬、外飼い犬どちらの場合であっても、犬の周りを徹底的に清潔にしてあげると良いです。犬の寝床であるベッドや、よく使っている毛布やカーペット、犬小屋など.の清潔を徹底しましょう。高温スチーマーなどは、高温でノミを死滅させることができます。また、犬のカラダについた目ヤニやフケ、排泄物などの不衛生な物質は、赤ちゃん用のウェットティッシュやコットンなどを使い取り除いてあげましょう。
4.シャンプーの注意点
自宅でシャンプーを行う場合は、乾燥を念入りに行うべきです。 乾かしが不十分な場合、菌の繁殖の元となり逆効果です。また、膿皮症を発症している場合は、薬用シャンプーを使い方が良いです。しかし、過度なシャンプーは逆効果です。シャンプーのやり過ぎは、皮膚に必要な菌までを落としてしまいます。獣医師に相談し適切な回数のシャンプーを行いましょう。また、膿皮症がある場合、一般のサロンでのシャンプーは断られる可能性があります。
5.ストレスチェック
膿皮症発症の最大の原因である免疫力の低下。もともとそなわっていない子犬の時期や、老化によって低下する事が多いですが、ストレスも免疫力を低下させる大きな要素です。
犬がストレスをかかえている可能性のある異常行動
- 無駄吠えをよくする
- 足を舐め続けている
- 同じ場所を何度も往復している
- 自分のシッポを追いかけている
犬がストレスを感じる原因
- 飼い主とのスキンシップが足りない
- 家族の仲が悪い
- 食事の量がたりない
- 運動不足
- 引っ越し
- 長い移動
- イベントの直後
- ペットホテルでの宿泊
- トリミングの後
愛犬に何らかの異常行動が見られた場合、それはストレスを感じているからかもしれません。ストレスを感じる原因の中にもし該当する要素があれば、直ちに取り除いてあげるべきです。
6.食事を見直す
膿皮症の治療をかさねて症状が治まったとしても、免疫が回復しなければ、またあっという間に菌が増殖してしまいます。免疫力が正常な犬は、菌の増殖を抑えるチカラを持っているのです。
抵抗力、免疫力を回復させることこそ、膿皮症の予防や対策において最も効果的だと言われています。
もし「膿皮症が再発した」「膿皮症がなかなか治らない」という事があれば、免疫力が低下している可能性が高いです。
免疫力を向上させる最も効果的な方法は腸内環境を良くしてあげる事です。
- ドッグフードに食材をトッピングしたり
- 腸内環境を良くするための完全手作り食を導入したり
- サプリメントを使用したり
対策方法は様々です。
食事は毎日の事ですから「手間」「コスト」そして「効果」。この3つを考慮した際に最も効率的な方法はサプリメントです。膿皮症の改善や予防が目的であれば、腸内環境を改善する事に特化した乳酸菌サプリがおすすめです。
7.便の状態を記録する
前述したとおり、最も効果的な膿皮症予防と対策は、腸内環境を改善してあげる事です。愛犬の腸内環境がどのような状態にあるのかを把握する方法は、便の状態を観察する事が一番です。
同じ食事をずっと与えているのであれば、便の色が変わる事は正常な限り考えにくい事です。つまり、色が変わる=異常と捉えても考えすぎではありません。基本的には、普段の色と極端に違っているかどうかを見極めましょう。
そして、普段と比較して硬いか軟らかいか、回数はどうか(便秘気味ではないか?)という事を、観察しましょう。便の状態が異常なのか正常なのかを判断する目安の一つが「普段と比べてどうか?」という事です。そのために重要な事は「記録」です。ウンチの色や回数、形状を毎日、記録として残す事で愛犬異常に気付きやすくなります。
犬の膿皮症についてのまとめ
愛犬の膿皮症。原因は細菌による感染です。
- 不潔・不衛生な環境
- 長毛種などの、毛づくろい不足による被毛内の換気の悪化
- アレルギーなどの病気が引き金となって二次的に発症
- ダニ等の皮膚の寄生虫疾患が引き金となって二次的に発症
- 擦り傷や噛み傷、強いブラッシングの傷などから感染
が代表定期なケースです。
しかし、膿皮症の原因となる細菌は常に皮膚に常在しています。膿皮症の原因となる細菌の90%がブドウ球菌と言われていますが、この菌が外部から感染するのではなく、異常増殖することで発症します。
本来、犬には菌の増殖を抑える抵抗力を持っていますが、様々な理由で抵抗力、免疫力が低下する事によって菌の増殖を許してしまうのです。
ですから、膿皮症の予防や対策において最も大切な事は、
- 細菌に感染する可能性のあるケースを避け
- 低下してしまった免疫力を回復させてあげる事
なのです。病院での対応は症状を抑える対症療法がメインとなる為、根本的な解決には毎日のケアが必要不可欠です。
すぐにでも実践できる効果的な7つの膿皮症対策。
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