「同僚の臭いが…」意外と多い職場のスメルハラスメント問題

言いたいけど言えない……スメルハラスメントとは?

近年、セクハラやパワハラに続きスメルハラスメントという言葉が取り沙汰されているのをご存じでしょうか? スメルハラスメントとはその名の通り、臭いによるハラスメントのことを指します。スメハラなどとも呼ばれ、加齢臭や体臭、口臭などその人が持つ臭いそのものによって周囲の人々に不快な思いをさせることを言います。

ひと昔前まではこのようなデリケートな問題は声を大きくして指摘されることもなかったのですが、最近では匿名性の高いSNSなどで頻繁に話題にされ、被害を感じている人が多いということが分かり、社会問題としても認識されてきたのです。海外では以前からスメルハラスメント問題があり、あまりに酷い場合は裁判で訴えられるケースもあるほどです。

ひと口にスメルハラスメントと言っても、その内容はさまざまです。気になる臭いとして最も指摘されているのが口臭で、ある製薬会社がとったアンケートによると82%もの人が他人の気になる臭いとして口臭を挙げました。また、特に女性が多く指摘したものとしては加齢臭などの体臭が多く、なんと90%を超える女性が何とかしてほしいと思っているという結果が出ました。体臭の中でもワキガは特に嫌がられているものの、臭いを発している本人は悪臭に気付いていないことが多いため、なかなか直接指摘するわけにもいかずに困っている人が多いのです。

意外な臭いもスメハラに

また、他にも近年では香水によるスメルハラスメントも認識されてきました。中には限度を超えて、これでもかとばかりに香水を振りかけて会社に来るような人もおり、男性女性関わらず不快に思っている人が多くいます。いくら元は良い匂いの香水でも、使いすぎたり汗や体臭と混じると強烈な臭いを発することもあるので注意が必要です。

さらに、なんと柔軟剤の香りに関してもスメルハラスメントに該当するという意見が多くなってきています。最近ではさまざまな香りの良い柔軟剤が販売されており、特に女性が好んで使用していますが、香りが濃すぎる商品や大量に入れてしまう人もいるため問題となっています。

このように、スメルハラスメントは場合によっては体調不良を起こすほど重大な問題なのですが、本人に堂々と指摘すれば傷つけてしまう恐れもあるため、なかなか言えないと悩む人が多いのが現状です。

自分でできる、正しいスメルハラスメント対策

他人の臭いが気になると言いますが、自分もそのハラスメントをしてしまっているのではないかと注意することも大切です。自分の臭いは自分で気づくことが難しく、周囲の人も不快に感じていても言いづらいものです。このため、普段から臭いを発してしまわないように、消臭対策をきちんと行っておくことが重要なのです。

対策を行う前に、まずは自分の臭いがキツくないかチェックしておきましょう。

口臭のチェック

不快に感じる人が最も多い口臭の場合、マスクなどをしてハーハーと息をしてみて下さい。ビニール袋などに息を入れるのも良いですが、この際に少しでも臭く感じたなら要注意です。この場合、消臭効果のあるキシリトール成分の入ったガムやタブレットを使用したり、会社でもこまめに歯磨きを行うことで改善されます。口臭の原因は口の中に溜まった雑菌であることが多いので、ガムを食べて唾液を多く出し、雑菌を洗い流すことで臭いも減少させる効果があります。

体臭のチェック

また、体臭の場合は昨日来ていた服を嗅いでみましょう。特に脇のあたりを重点的にチェックし、汗臭さとは別に強い臭いがした場合はワキガの可能性もあります。臭いが強い人の場合は、こまめに汗を拭いたり、ワキガ臭を抑える効果のあるデオドランドや薬剤などを使用しましょう。汗っかき体質の人は、夏以外でも着替えのシャツなどを準備して何度か着替えることも有効です。また、体臭は食べるものによっても左右されます。脂っこいものを多く食べている人は強烈な臭いを発する原因となっていることもあるので、油ものを避けて野菜中心の食生活に切り替えると良いでしょう。食品の中にはクエン酸のように体臭の発生を抑える効果を持つ成分もあるため、積極的に摂取するのがおすすめです。

香水の量に注意

口臭や体臭はチェックすればなんとなく気付くものですが、自分で一番気付きにくいのが実は香水です。自分はお気に入りでいくら使っても苦にならないとしても、人によっては気持ち悪く感じる人もいるのです。このため、香水を使用する場合は1回1プッシュ程度に留め、外出する前に家族などに臭いがキツくないかチェックしてもらう習慣を付けましょう。

消臭対策をしっかり行うことで、スメハラの加害者となることを防ぐことができます。

さいごに

職場のスメルマネジメントはとても難しい問題です。臭いに対する感度も時代とともに変化していますし、グローバル化で多国籍な人たちと働くようになることで、ますますスメルマネジメントの重要度は高まってきます。この問題は、自分自身がいつ被害者になるかも、加害者になっているかもわからない問題です。一方、臭いの問題がゆえに個人に対して注意をしにくい問題というのがとてもやっかいな点でもあります。まずは、働く個人として「もしかしたら周囲の人に迷惑をかけているかもしれない」という配慮と心配りを行う姿勢をもつことがスメルハラスメント対策の第一歩です。周囲も、臭いのある個人の人格否定とならないよう、全員が協力して取り組むルールにするなど職場全体の問題として対策を行っていきましょう。