ネコの健康的なダイエット法について寄せられる質問にお答えします。
①肥満度判定
②食事の種類を決定
③実際に給与(給与量を決める)
④食事の効果の評価
①~④を繰り返しましょう。
ネコのダイエットは非常に難しいといいます。イヌのように運動量を増やす方法が限られていたり、急激に痩せすぎると肝臓に障害が生じてしまったりします。
健康に体重を落とすため、ここではネコのダイエット方法についてご紹介いたします。
詳しくは「」にて紹介していますのでご参照ください。ネコが肥満していると感じたら、BCS3の理想体重まで体重を減少させなくてはいけません。
- 低脂肪(食事中に8~10%程度)
- 高タンパク質(食事中に27~40%程度)
- ロイシン(分岐鎖アミノ酸)含量が高い
- オメガ3脂肪酸(DHA,EPA)含量が高い
- 抗酸化作用がある(ビタミンE、Cなどが含まれている)
- カルニチン含量が高い
■低脂肪
脂肪の蓄積を抑え、体脂肪を消費させるため、低脂肪設計が好ましいです。しかし、EPAやDHAなどの必須脂肪酸は十分含まれていなければなりません。これらが不足すると、脂肪の中心を担う細胞小器官であるミトコンドリアが減少してしまい、脂肪の燃焼効率が激減してしまいます。
■高タンパク質
タンパク質は筋肉維持に必要です。食事中に27~40%含まれていることが好ましいといわれています。体重減少させると脂肪は当然減少しますが、筋肉も一緒に減少してしまいますの注意が必要です。ネコの場合、より筋肉が減少しやすいという特徴があり、筋肉は脂肪を燃焼しやすい器官なので、減少させると効率が悪くなります。
■ロイシン(アミノ酸の一種)
筋肉合成のかなめです。
近年、ロイシンが筋肉合成を促進させるカギであることが明らかになりました。
■ビタミンE
抗酸化作用として必要です。
体重減少時は体脂肪が燃焼されますが、その時に活性酸素が大量に生じるのです。生体にも活性酸素を除去するシステムは存在しますが、それだけではまかないきれません。ビタミンEは自身が酸化されることで、細胞を活性酸素から守ります。
しかし、ビタミンEだけでは完全に除去することはできませし、ビタミンEが酸化されすぎると酸化されたビタミンEが脂肪細胞の中に大量に溶け込んでしまい、それ自身が活性酸素の役割を果たし、細胞を傷つけてしまうので注意が必要です。
■ビタミンC
抗酸化作用があり、酸化されたビタミンEを還元させ、元に戻します。ビタミンE自体が活性酸素の役割を果たすことを防ぐ役割があります。ビタミンCは体に蓄積できないため、毎食補給することが大切です。
■カルニチン
脂肪を燃焼させるミトコンドリアの中に脂肪を運搬する働きがあります。これが不足すると、脂肪の燃焼効率が減少してしまいます。
与えるフードを決めたら、与える量を決めなくてはなりません。
電卓で計算可能な、給与量を決める計算式をご紹介します。
ダイエット時の給与カロリー(kcal/日)=0.8×70×適正体重0.75
ここで算出されたカロリーをパッケージに記載されているカロリー(●●kcal/100g)で割って、100をかければ、ダイエット時に与えるべき給与量(g/日)が求められます。
ダイエット時の給与量(g/日)=0.8×70×適正体重0.75/(フードのカロリー)×100
これは√ボタンのある電卓ならば、簡単に計算できます。
例題を出し、実際に電卓で計算してみましょう。
(例題)体重5㎏の肥満ネコで、適正体重が4㎏のネコの場合
キャットフードは300kcal/100gのフードを使用します。
① ダイエット時の給与カロリー
=0.8×70×40.75
=158.4kcal
まず、適正体重を3回かけます(4×4×4)。
64と出たら、√ボタンを2回押すと2.8284…と表示されます。これに70と0.8をかければ、158.39…が算出できます。これをフードの100g当たりのカロリー量で割って、100をかけます。
②ダイエット時の給与量(g/日)=158.4/300×100=52.8g
体重減少時には1日に52.8g与えるのがよいということですね。この量を1日の食事回数に分けて与えてください。ウェットフードやおやつなど、余計なカロリーは控えましょう。
体重は毎週測りましょう。最も健康的な体重減少は、1週間に2%ずつ体重減少させることです。例題に出した体重5㎏の肥満ネコの場合、1週間に100gずつ減少するとベストです。少ない!と感じる方もいると思いますが、60㎏の肥満したヒトに例えると、1.2㎏の体重減少と同じことです。
2%/週以上の減少率だと、体脂肪が肝臓にたまってしまい、脂肪感を起こして重病となってしまいます。適切な体重減少率を維持してください。
上記、①~④を1週間ごとに繰り返し、体重減量を進めるのがベストです。
短時間でもじゃらす回数を増やすこと、食事回数を増やすこと。
ネコは瞬発力の高いスプリンターですので、長時間の運動は苦手とします。そのため、ヒトやイヌのように長時間運動させることが困難とされています。しかし、短時間の運動回数を増やすことにより、運動量を増加させることは可能です。ネコはひも状のおもちゃに非常によく食いつくため、お試しください。
また、近年の研究により、食事回数を増やすことで自発的な運動量を2割増加させることができたと報告されました。
1日1回の食事よりも2回、4回与えた方が自発的な運動量が多かったそうです。
この実験では与える時間を決めていたため、その時間に近くなるとご飯を期待してそわそわし始め、それが運動量の増加につながったそうです。確かに、ご飯の時間になると人にまとわりついてうっとうしく感じるときもありますよね。ちょっとかわいそうですが、ごはんをあげるのを遅らせれば、運動量はおのずと増えそうですね。