特別生産品の国産コードバン小物は、店頭に並ぶとこれまた綺麗で、お使い頂いてからのコードバン特有のエイジングにとても期待が高まるところではございますが、そんな中でスタッフ(私も含めて)が使用しているミネルバボックスTONGUEが、なんとも良い具合になってきています。
発売したての頃に、事前に使っていたパパベロの変化はご覧頂きまして、それはそれでまた更にエイジングを進めている最中ではあるのですが、その他のカラーのエイジングも気になるという声も多く、ちょこちょこと使ってみていました。
今回は変化の度合いは様々ですが3色、エイジングがご覧頂けるくらいになってきました。
エイジングが想像出来そうで実は難しいブラックと、普段なかなか見る事の少ないナポリ、プルーニャのカラーで見て行きます。
まずは、京都店スタッフが発売まもなくより使っていた、ナポリです。
右が新品の状態で、左が使った状態です、色が2段階くらい明らかに濃くなり、光沢も増しながら、とても味わい深い色味を放ち始めています。
どことなくコニャック色に近づくような変化ではございますが、微妙なムラ感やイエロー由来の茶系の鮮やかさなどが相まって、なかなか他のカラーでは見られない独特な表情になっています。
背面もやはり同様で、まるでアンティーク品の味わいのようにじんわりとした色づきを見せます。このような変化はやはり、イタリア・バダラッシー社の、古来より存在する自然の風合いを活かした鞣し革であるからこそ、という雰囲気です。
元々の色が薄めのため、汚れなども勿論気になる方もいたっしゃるかもしれませんが、極端な汚れが付くのは避けて頂ければ、それ以外は特に気にせず使って行くとこのような深い味わいも出てきます。
アップで見ると、また表情は面白く……
もちろん、革が熟れてきた分、厚みもペッタリと薄くなり、多機能コインケースとしては単純に使い易くもなっていきます。
ここから更に変化が進んで行くと思うと、ナポリがエイジングを非常に雄弁に語ってくれる色味に思えます。
そして次は……
気になっている方も多そうな、プルーニャです、紫色の革そのものがなかなか使われることも少なく、巷でもそれほど見かけない色でございますので、なんともエイジングの想像がつかない方も少なくないと思います。
やはり右側が新品の状態、左側がエイジング後のプルーニャです。
ミネルバボックスの持ち味である光沢は当然出て来ていますが、色味はまるで紫色の僅かにあるカドが取れた様にまろやかに、優しく落ち着いた色合いになってきています。
これが…
こういうことです。
茶色のニュアンス、黒色のニュアンス……いずれにも転化して行きそうな、深みを帯びて来ており、一言では表現がしづらいカラーです。ただ確実にトーンはやはり濃くなっており、ミネルバらしい味を感じられます。
背面も然り、です。プルーニャは女性からの支持が非常に高い色味で、男性が女性へのギフトにされるお客様も多くいらっしゃいますが、この変化を見てみると、女性だけでなくむしろ男性の方も使い易く、味わいを愉しんで頂ける色なのではないか、と感じます。
色が濃い分、ステッチもアクセントとして利いており、渋い色合いでありながらもファッショナブルな雰囲気も醸し出す、万能な色ですね。
そしてそして……
王道の色、ブラックです。ミネルバにおいては「ブラックはあんまりエイジングが愉しめないのではないか」という声も時折聴こえますが、そんなことはなく、凄いエイジングを見せてくれます。
ここまで同様、右が新品で左がエイジング後ですが……光沢も色合いも全く変わっていっています。
他のどの色よりも光沢感は強く感じられ、色はより深く繊細に、潤いのある黒になっています。
この状態が……
こんな風に。
サドルプルアップやブッテーロなど他のブラックとはまた異なる、革そのものの油分が分かり易く感じられる変化です。
いずれの革もブラックは強い光沢感が出てきますが、サドルプルアップはやや硬質な輝き、ブッテーロは透明感がある輝き、そしてミネルバボックスはオイル感の見える輝き、というように三者三様です。
実際に手で使っていると、ムギュムギュとしたミネルバボックスの質感が非常に心地よく、手馴染みがバツグに良いのが感じられます。
背面も当然ヌラリと輝きます。色合いそのものはやはり優しく、この柔らかい色の変化がミネルバボックスの共通した色変化であるように思います。
いかがでしょうか。パパベロにも負けず劣らず、どの色も独特の風合いのある面白いエイジングで育って行きます。
ミネルバボックスにはミネルバボックス特有の、コードバンにはコードバン特有の、サドルプルアップにはサドルプルアップ特有の変化がございますので、是非様々な素材を存分に愉しんで頂けたら、と思います。
定番のサドルプルアップの小物、特別品でコードバン、カラフルにミネルバボックス、他では味わえない風合いのプエブロ、エキゾチックレザーの王様クロコダイル、そして手の込んだヌバッククロコダイルやガルーシャ……と、12月のC.O.U.は本当にたくさんの種類の革をご覧頂けます。
ここまで揃うこともなかなか珍しいですので(時期によっては、良い革がなかなか手に入らず、作れないことも多々ございます)、お近くにお越しの際はどうぞお立ち寄り下さいませ。
それぞれの革の手触り、表情、色、香りと共に、スタッフ一同お待ち申し上げております。