ダイエット継続のために



細胞の発電室を使うカギ。

Key to use the power house of the cell.

ダイエットの目的は生活習慣を見直し自分の体型を思っているようにコントロールすることです。

そのためには体型を崩す原因となっている体脂肪の減量が必要ですので、体脂肪とはどのようなものかをよく理解することはダイエットの励みになると考えます。

体脂肪は脂肪細胞の中に水(中性脂肪)が入っている状態、つまり水風船に似た形で身体の中に蓄えられています。

その水風船の数は成人で300億、肥満者では500億と言われていますが、身体の中の脂肪細胞の数が決まる幼少期や青年期の生活習慣があまりにも悪かったという例を除いて平均して成人で300億という数には変わりありません。

成人の身体の中には300億個の水風船のような脂肪細胞が存在し、脂肪細胞一つ一つには毛細血管が張り巡らされていて中に溜まっている中性脂肪の分解を今か今かと待っている状態なのです。

あまりにも肥満することがなければ、身体の中にある脂肪細胞の数は増えたり減ったりしません、なので中性脂肪によって大きく膨らんでしまった脂肪細胞の中身を減らせば脂肪細胞それぞれのサイズは小さくなり結果として理想とする身体を手に入れることができるというわけです。

ダイエットで脂肪を消費していくということは過食や運動不足のために最小サイズの約25倍(推定)までパンパンに膨れてしまった脂肪細胞の袋の中身を身体の各器官に送り届ける作業ということになります。

では運動を行えばまるで風船の中の水が蒸発するように中性脂肪がなくなるのかというとそうではなく、筋肉内で中性脂肪を使いたいと思っても中性脂肪はそのままの形では筋肉内で消費できません。

筋肉内で脂肪を燃焼させるためには、筋肉内に運ばれる前に別の“かたち”に分解される必要があるのです。

分かりやすく説明するために中性脂肪を(AB)、中性脂肪が分解されてできたものをそれぞれ脂肪酸(A)とグリセロール(B)とします。

中性脂肪(AB)は脂肪細胞の袋の中に水風船のように溜められています。

中性脂肪はこの状態(AB)では筋肉内に運ばれて運動エネルギーとして使われることができません。筋肉内で運動のエネルギーとして使われるためには中性脂肪(AB)は脂肪酸(A)とグリセロール(B)に分解されなければなりません。

つまり、筋肉内で活動のエネルギーとして使われるためには中性脂肪(AB)という形では燃焼せず、中性脂肪は脂肪酸(A)とグリセロール(B)に分解されたあとに脂肪酸(A)の方が筋肉内のミトコンドリアへ運ばれることではじめて筋肉内でエネルギーとして使われるのです。



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脂肪酸とカルニチン。

Fatty acids and carnitine.

中性脂肪(AB)が分解された後に放出される脂肪酸(A)はその後筋肉細胞内のミトコンドリアで運動のエネルギーとして利用されるのですが、このコラムのタイトルに使わせてもらった“細胞の発電室”とはこの筋肉細胞内のミトコンドリアを例えて示しています。

中性脂肪が分解されてできた脂肪酸を運動のエネルギーとして燃焼する場所はこのミトコンドリアなのです。

筋肉内と言いましたが、ミトコンドリアは赤血球だけを例外にすべての細胞内に含まれている細胞の発電室なので、脂肪を分解して作られた脂肪酸はミトコンドリアが存在する体内器官であればどこでもエネルギーとして使われるということになります。

分解して作られた脂肪酸(後にアシルCOA)をどんどんミトコンドリアに送り込んで体脂肪を燃焼したいものです。

最後に筋肉細胞のミトコンドリアに脂肪酸(アシルCOA)を送り込むために必要なカルニチンという物質について説明します。

脂肪酸(アシルCOA)はカルニチンと結合しなければ筋肉細胞内のミトコンドリアに送られることがありません。ミトコンドリアに脂肪酸(アシルCOA)を送り込むことができなければ、脂肪を運動のエネルギーとして燃焼させることができないということです。

細胞の発電室を使うための最後のカギは、細胞内のミトコンドリアに脂肪酸(アシルCOA)を送り届けるカルニチンという物質なのです。

カルニチンはリジンとメチオニンというアミノ酸を材料に主に肝臓で合成されるのですが、健康な成人日本人の1日の体内合成量は10mg~15mgと言われています。

脂肪酸とカルニチンの結合が無ければ体脂肪はミトコンドリア内部に入れずエネルギーとして燃焼しないということを考えるとダイエット中であっても食事からしっかりとカルニチンを摂取したいものです。

カルニチンが多く含まれる食材は主に食肉で

子羊肉210mg/100gあたり
鹿肉170mg/100gあたり
牛肉70mg/100gあたり
豚肉30mg/100gあたり
鶏肉10mg/100gあたり

のカルニチンを含んでいます。

カルニチンはミトコンドリア内に脂肪酸(アシルCOA)を送り込むための最後の一押しとして使われ、カルニチンと脂肪酸(アシルCOA)が手をつながないと筋肉細胞内のミトコンドリアに到達せず脂肪燃焼からエネルギーを得ることができません。

ダイエット中であるからといってカルニチンを多く含む肉類を避ける必要はないと思います。むしろダイエット中こそ積極的に摂取したいものです。

加齢によりカルニチンの体内合成量は減っていくことを考えるとダイエット中はもちろん、年齢を重ねてからも積極的にカルニチンを含む食肉を摂取することが望まれます。

体脂肪の分解だけでなく、その次の「 細胞内での燃焼 」までを考えた栄養管理を行いたいものです。

2 7 - 細胞の発電室を使うカギ。 終り



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