糖質制限でなぜ痩せるのか?
糖質制限は以下の4つの理由で痩せます。
- 肥満ホルモン(インスリン)が出ない
- 体脂肪が体内で常に燃える
- 尿と呼気でカロリーが排出される
- 肝臓でカロリーが消費される
では一つ一つ詳解していきましょう。
肥満ホルモンが出ない
肥満ホルモンとはインスリンです。すい臓には「ランゲルハンス島」と呼ばれる細胞の固まりがあり、そのうちの「β細胞」がインスリンを分泌します。
インスリンは24時間少量ずつ分泌されており、これを「基礎分泌」と呼びます。そして、血糖値が上昇すると基礎分泌の何十倍ものインスリンが追加分泌されます。
血糖とは血液中のブドウ糖(グルコース)の事で、1デシリットル(100cc)当たりのブドウ糖量が血糖値となります。健康な人は空腹時の血糖値が70~109mg/dl前後に保たれます。血糖は基本的エネルギー源の1つで、脳、筋肉、心臓、赤血球に至るまで全身の細胞が利用します。
主食など糖質を沢山含む食品を食べると、糖質が消化吸収されブドウ糖になり、血糖値が急上昇します。糖質には種類があり、穀物や芋類のデンプン、果物などの果糖やブドウ糖、菓子類や清涼飲料水に入っているショ糖(砂糖)、牛乳や乳製品に含まれる乳糖などがあります。これらは全て体内でブドウ糖に分解、吸収され血糖値を上げます(厳密には果糖だけは代謝経路が異なる)。
糖質が多い食事をすると、健康な人でも空腹時は70~109mg/dlだった血糖値が120~170mg/dl程度まで跳ね上がります。これを平常値まで下げる目的でインスリンが分泌されるのです。インスリンは筋肉、脂肪組織など細胞に働きかけ、血糖を内部に取り込ませ血糖値を下げます。
取り込まれたブドウ糖は筋肉や肝臓ではグリコーゲンという形で貯蔵されます。しかし、筋肉や肝臓の貯蔵量は限りがあり、筋肉で200~300g、肝臓で50~80gが限度です。余剰のブドウ糖は体脂肪として脂肪組織に貯蔵されます。つまり太ります。
糖質制限ダイエットは大量の糖質を摂らないため、食後、急激な血糖値の上昇が起きない。当然、インスリンの追加分泌も起こらないため、ブドウ糖が脂肪組織に貯蔵されず体脂肪がつきません。
ちなみに、糖尿病対策として筋トレし筋肉量を増やすと効果的とされているのは、筋肉がブドウ糖を取り込むからです。
血糖値を上げるのは糖質だけである
カロリーとインスリンの分泌は関係ありません。高カロリーの食事をしても、糖質が無ければ血糖値の上昇はなくインスリンの追加分泌もありません。血糖値を上昇させるのは糖質のみ。糖質は食後数分~120分でほぼ全て血糖に変わります。
米国糖尿病協会(ADA)のガイダンス「Life with Diabetes」1997年度版で、「タンパク質の50%、脂質10%未満が血糖に変わる」とされていましたが、2004年度版では削除されました。大事なのはカロリーではなく糖質の含有量です。
インスリンは体脂肪の分解を阻害する
元々人間は脂肪細胞に蓄えた体脂肪を分解し、エネルギーとして代謝しています。脂肪細胞に蓄えた中性脂肪は「ホルモン感受性リパーゼ」という酵素の働きで分解されますが、インスリンはこの酵素の働きを抑制します。
インスリンが追加分泌されると体脂肪の分解は抑制され、余った血糖は中性脂肪に変わります。インスリンは体脂肪の蓄積を促し、分解を抑制し肥満を助長させてしまいます。
江部医師は、毎食糖質の多い食事をしていると、インスリンの作用で糖質を積極的に使い、体脂肪を使う回路の働きが鈍ると説きます。糖質制限食にすると体脂肪利用の回路がスムーズに働き出し、無駄な体脂肪が効率よく落ちます。
ケトン体とアセトン臭
糖質制限ダイエットをすると、体脂肪がメインのエネルギー源になります。体脂肪が利用される時、「脂肪酸」と「グリセロール」に分解され、血中に放出された脂肪酸は「遊離脂肪酸」と言います。
糖質制限すると必然的に遊離脂肪酸が増えます。肝臓は遊離脂肪酸から「ケトン体」を合成します。糖質制限していない人でもケトン体は作られていますが、糖質制限すると血中のケトン体濃度は急上昇します。
ケトン体が増えると体内で全て消費出来なくなります。余ったケトン体は尿や呼気に含まれ体外に排出されます。これは余ったカロリーを尿や呼気で捨てているのと同じですから、夢のような話です。
問題はケトン体を含む呼気から甘酸っぱい匂いがする事です。ケトン体に含まれるアセトンが発する匂いで「アセトン臭」といいます。アセトン臭がすればケトン体排出が始まった合図とも言えます。このアセトン臭を気にする方がいますが、今のところどうにもなりません。
肝臓と糖新生
血糖値を下げて健康に問題はないのかという問題を考えてみましょう。
よくある心配が脳への影響です。脳はブドウ糖しか利用出来ないから危ないという主張。脳はブドウ糖だけでなくケトン体もエネルギー源として利用可能です。
さらに、人間には「糖新生」という体内でブドウ糖を作り出す生理機能があるのです。糖新生とはグリコーゲンによらないブドウ糖の合成プロセスをいいます。糖新生は肝臓、一部は腎臓でも日常的に行われています。
糖質制限ダイエットを続けると糖新生が活発になります。糖新生の原動力は脂肪酸です。ブドウ糖を作るのにブドウ糖を使っては意味がありませんから当然です。糖新生が活発になれば、無駄な体脂肪がどんどん消費されます。
□糖新生は基礎代謝量を増加させる
投資制限し糖新生が活発になると、肝臓と腎臓で使われるエネルギー代謝が増加し基礎代謝量がアップします。