ポイント1
“たっぷり泡”は必須ではない
テレビのコマーシャルで見かけるような、モコモコと泡だたせての洗顔は、いかにも「洗った!」という感覚が得られそうですが、美容皮膚科医として申し上げますと、「脱脂のし過ぎ」、つまり、皮脂の取り過ぎです。過度な洗顔をすると、肌の潤いを保つために欠かせない「天然保湿因子NMF」と「角質細胞間脂質」が溶け出して各層機能が落ち、ドライスキンになってしまいます。
そもそも、モコモコと綿菓子のように泡が立つのはアルカリ性の洗浄成分が大半なのですが、弱酸性のお肌にとっては負担になります。肌がアルカリ性に傾くと、「ラメラ構造」と呼ばれる肌内部の水分を保つ機能が乱れることがわかっています。また、アクネ菌や黄色ブドウ球菌など、ニキビや肌荒れの原因になる“悪玉菌”が住みやすい環境にも。
一度アルカリ性に傾くと、肌は必死に弱酸性に戻そうとしますから、余計なエネルギーを使わせてしまうことになるんですね。肌からすると、非常に非効率です。
ですから、私は「弱酸性」とうたった洗顔料の使用をおすすめしています。弱酸性の洗顔料で立つ泡は、ちょっと頼りないと感じることが多いかもしれませんが、汚れを取るのには十分です。
画像提供=ロート製薬。
商品パッケージに「弱酸性」または「アミノ酸系」と書かれている洗顔料を選べばOKです。
ポイント2
こすらない
肌のエイジングの大敵は「摩擦」です。
しかし、皮肉なことに、毎日のスキンケアやメイクの時に、ご自身の手による摩擦で肌を老けさせてしまっている方はとても多いんです。
特に洗顔時は、肌が濡れてナイーブな状態ですので、ゴシゴシと力を入れてこするのは絶対NG! 時間がないからと、洗濯板のように肌表面で洗顔料を直接泡立てるなんてもってのほかです。ミルクタイプなど泡立たせないタイプの洗顔料を使う場合も、量をケチらないようにしましょうね。
すすいだ後に、タオルで水気を拭く時は、ポンポンと軽くタオルを肌に当てるようにしてやさしいタッチでお願いします。
(データ:日皮会誌:110(13)、2115-2122、2000(平12)「皮膚洗浄方法の角層バリア機能に及ぼす影響について」より)
ポイント3
お湯は37度以下で
寒い時期などは特に熱めのお湯で洗いがちですが、体温より高い温度のお湯は皮脂の取り過ぎや、肌の潤いを保つセラミドなどの細胞間脂質や天然保湿因子NMFの流出を招き、乾燥の原因になります。
お湯で洗う場合は、ぬるいと感じる程度、高くても37度は超えない温度を心がけてください。
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以上、3つのポイントを挙げましたが、重ねて強調したいのは、「洗い過ぎはトラブルのもと」ということです。
実際、乾燥やくすみ、赤ら顔などのトラブルでいらっしゃった患者さんに、洗顔の見直しを実践していただくと、びっくりするくらい調子が良くなる方が多くいます!
もちろん、ニキビ肌や皮脂過多な方は、朝晩2回の洗顔が適切だと思いますが、そうではなく「ちゃんとケアをしているはずなのに乾燥する」という方は、洗顔法に原因がある可能性大です。
この春からの新習慣として、「朝の泡洗顔抜き」を始めてみるのもいいかもしれませんよ。
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4月9日(「肌老化の原因は“間違いだらけの朝洗顔”」)と4月23日(「正しい「夜洗顔」で美肌になる!」)公開の当コラムでお伝えした「洗顔」のお話、大反響をいただき、ありがとうございます!
「乾燥しやすい肌は泡洗顔をやめていい」というメッセージをお伝えしましたが、一点、注意を補足させてください。
「泡洗顔をしないスキンケア」は明らかな脂性肌やニキビ症の方には向きません。あくまで、乾燥しがちな肌の方に向くと考えてくださいね。
おでこや鼻周りなど部分的にベタつく方は、Tゾーンだけ泡で洗うのもお薦めです。
自分の肌に合ったスキンケアを目指しましょう。(2014年5月26日)