湿疹とは皮膚に起きる炎症のことで、原因は化学物質や花粉、ハウスダスト、化粧品などの他、もともとの体質や遺伝的要因が考えられます。
この患者さんは、左腕肘部に痒みを伴う発疹を訴えて来院しました。
左腕にかゆみを伴う赤い発疹(丘疹)を認め、急性湿疹と診断しました。
副腎皮質ステロイド軟膏の塗布と抗アレルギー剤を使用して治療を開始し、5日後にはほぼ発疹が消えてしまう程、病状が改善しました。
院長コメント
湿疹とは皮膚で炎症が起こっている状態で皮膚炎とも言います。胃の炎症で胃炎といった考え方と近いと考えています。
炎症の起こる理由
炎症の起こる理由は様々ですが、湿疹に関しては原因のわからない事がよくあります。原因が分からないという事は長引いてしまう事があっても良いのですが、そういう方は経験上数%の方と実感しています。
ある日突然湿疹になった場合、例えば松脂(まつやに)など何かに触った場合や塗り薬や湿布を使用した結果による特徴的な状態だと原因が解明されることがあり、その後の生活で気を付けることによって再発を防ぐ事が出来ます。
湿疹は、原則人にうつしてしまう事はありません。かゆみも含めて普段飲んでいる飲み薬・サプリメント等が原因となる事がありますので、心当たりのある方は事前にお持ちください。
治療としては消炎作用のある副腎皮質ステロイドの使用、補助的にかゆみ止めの抗アレルギー剤を使用します。病気になった部分がかゆくて引っ掻いていると病気が悪くなりますので症状が著しい場合は抗アレルギー剤を使用しますが、症状がひどくない場合は病気が良くなればかゆみも取れていきますので、塗り薬のみで治療します。
抗アレルギー薬は妊娠中、前立腺肥大症、緑内障がある場合は工夫する必要がありますので、心当たりがある方はお伝えください。また内服して眠くなる場合もありますので、困る方はご相談ください。
自宅で気を付けること
- 診察時に一番最適な薬を選んでいますので、必ず塗り薬は指定された場所に指定された回数塗ってください。効かなかったり副作用がでたりします。
- かゆみが残っている時は冷やしてください。
- 体が温まると(入浴、お酒、辛い物、チョコ等)は、かゆみがでたり、赤みがでることがありますので、気を付けてください。
- 副腎皮質ステロイドでの治療を希望されない方はご相談ください。改善は緩やかとなりますが、漢方(十味敗毒湯、黄連解毒湯等)等を使用した治療を行います。
治療期間
治療期間は順調だった場合は2週間前後が目安となります。
この患者さんは水虫の治療で水虫用塗り薬を塗っていましたが、悪化してきたという事で来院された患者さんです。最初に診察した時は、左足の水虫用塗り薬を塗っていた場所にのみじくじくした傷を伴ったかゆい発疹があり、水虫の塗り薬によるかぶれと診断しました。
原因となった使用中の水虫の塗り薬を中止して、副腎皮質ホルモンステロイドの塗り薬を使用して治療しました。
1週間後に再度受診した時は、もともと病気があった部位が淡い茶色へと変化しており、傷が治り、赤みとかゆみの改善とかぶれがよくなっていました。発疹があった場所周辺の皮むけと茶色い色素沈着はかぶれ(湿疹)がよくなってきた時に一時的に認められる反応です。
さらに1週間後には、色素沈着はさらにうすくなり、また周囲の皮むけもなくなりました。この段階でかぶれの治療が終わり、当時使用していたかぶれの原因となった水虫の塗り薬を他の塗り薬へ変更して水虫の治療を再開しました。
水虫と思って治療されていても、良くならないケースが時々ありますが、塗り薬によってかぶれてしまったのが原因というケースでした。
院長コメント
足の病気は皮がむけている状態で水虫の可能性は約50%という報告があります。水虫以外の病気としては湿疹やかぶれが多く、下記のような場合には水虫の薬のみでは対応ができなくなります。
- 湿疹やかぶれに水虫の塗り薬を使用して改善しない場合
- たとえ水虫であっても使用した水虫の塗り薬でかぶれてしまった場合
- 湿疹や水虫が悪くなって傷になってしまった場合
- 細菌感染をしてしまった場合
実際に水虫なのかどうかについては顕微鏡を用いての検査をしないと完全に診断をつけることは出来ませんので、おかしい所を見つけた場合または市販薬を使用しても改善しない場合は、受診することをお勧めします。
水虫だった場合、片足に病気があった場合でもたとえ見た目が正常だとしても残りの片足にも水虫がいることがありますので、両足に水虫の塗り薬を使用してもらうようにしています。
人にうつるかどうかという話題もよく診療で話題になりますが、共同で使用しているマットやサンダルに40~50%程度の確率で水虫がいたと報告されています。ご家族で水虫の方がいた場合は、治療開始して6週間は別のサンダルやマットを使用することをお勧めします。
水虫にならないための取り組みとしては、水虫の原因となるカビが皮膚に付着して、もぐり込んで感染が成立するまでの時間を測定するとほとんどの菌種で24時間かかるといわれています(一部の菌は12時間というのもありますが)。
ですので、1日1回例えば入浴時に両足を指の隙間・足裏全体を洗っていれば水虫になりづらいと考えられていますので、お試しください。
水虫だった場合の治療期間はおおむね6週間前後が見込まれます。