5年生編 第2回

 泡冷(その1) もつ焼き、煮込みにチューハイ・ハイボール

 先週、博多に行った。「遠藤実歌謡音楽祭」の取材であった。

 遠藤実さんは昭和の演歌・歌謡界にその名を残す作曲家で、大衆音楽の分野で初めて文化功労者の顕彰を受けている。

 その遠藤さんが作曲した歌を山本リンダ、島倉千代子、こまどり姉妹、一節太郎、舟木一夫、杉良太郎、小林旭といった人々が次々に歌った。舟木一夫ですら60代半ば。歌手の平均年齢は60代後半ではなかったろうか。

 会場はマリンメッセ福岡という大ホールで、入場料はアリーナ席が12000円というのに約10000席が昼夜とも満員になった。客席の方も還暦経験者がほとんどだったが、一緒に歌ったり手をたたいたり、中には涙を流す人もいて、大変な盛り上がりだった。最近のシニアは本当に元気である。

 会場の熱気は単に懐かしいということだったのだろうか、青春を共にした歌手が歌うからということだったのか。それもあろうが、どうも「最近の歌はわからん」という不満が横たわっているような気がする。世代を超えて歌われる歌が生まれていない。

 私などもヒップホップなんか聴いていても、何を言いたいのか全然わからない。その前に歌詞が聴き取れない。コブクロとかポルノグラフィティーぐらいですかね、聴けるのは。

デスク コブクロはいいですね、かなり。春に失恋したとき、ひたすら「風」を聴きながら、落ち込んでいました。そうそう、ハナレグミもいいですよ。かなり。

アミー隊員 えっ、デスク失恋してたんですか?

野瀬 よく食べると思ったら失恋してたのかあ。

デスク あのぉ、2002年の春の話なんですけど…。

 で、その前夜に食べたのがイカの生き造りコース。然るべきところで食べると10000円を超すが、私が選んだのは4000円足らずで出してくれる店。長いこと値上げしていないのである。

 透明なイカには縦横に細かく包丁が入っているから、私の歯でも苦もなく食べることができる。噛んだ瞬間にイカの甘さがじゅわんと広がって、琥珀色の泡冷に手がのびるのである。

 刺身の後は天ぷらにしてくれる。獲れたての揚げたてであるから不味いはずがない。天つゆにつけていただく。

 途中、明太イワシの焼いたのが出た。私はこれが好きなのである。赤い殺意が焼かれることによって殺意を弱められ、ほとんど未遂の状態になっている。更正して真人間に近くなっているのである。

デスク 赤い恋人を犯人扱いするな!

野瀬 する!

デスク ヌレギヌだ!

 これでまた泡冷をぐびっ。後は日本酒に切り替えて、ずんずん飲んだのであった。

 最後のイカ丼は食べきれずにパス。なかなに良い一夜であった。

 うらやましい?

デスク上目遣いで「きっ」とにらんで うらやましい。

 「泡冷」。まずはノンアルコール分野から。

ご意見 ペプシの新型。この夏に新発売となり一部で話題の品です。キュウリコーラ…匂いは確かにキュウリ臭い。味は、ちょっとマクワウリ系? もう少しヌメリがあった方がキュウリっぽくなって良いのに?!
 右の写真は尾道向島の後藤鉱泉所が売っているサイダーです。一般的なクリームソーダですが、味は昔風の甘めの味付けです。全国統一商標ヤポネという名前が何かしら怪しい気配。
 でも、この地方ドリンクメーカーはお茶をサイダーで割って飲むという「チャイダー」を開発した会社でもあります。「シュワ~~」とさわやかな泡立つお茶…尾道に来られたときにはぜひぜひ(大阪の原さん)


 テレビのコマーシャルを見ていると、おばじギャグが氾濫していることに気づく。「チャイダー」もそのひとつであろう。ヤポネは「ソーダー」であるところが良い。「日本の代表飲料」と力強く宣言しているところも良い。

 以前、微炭酸コーヒーというのを飲んだことがあるが、不味かったぜ。

ご意見 地サイダーと言えば、全国的流通ルートに乗らない地元の小さなメーカーが地元の人に愛されつつ少量づつ作ってきたモノ…だったんですが、最近では地サイダーブームに乗って新生地サイダーとでも言うべき商品が増えてきているようです。
 中でも九州地方にはこの手の地サイダーが豊富で、雲仙の「温泉レモネード(うんぜんれもねーどって読むようです)」、能古の島の「NOCORITA(能古島サイダーってのもあります)」、宮崎の「平兵衛酢サイダー(マンゴー・日向夏もあります)」、対馬の「こどもやまねこ」など、にぎやかです。どうやらこれらのサイダーは佐賀の友枡飲料さんが手がけていることが多いようです。
 もちろん、他の地域で作られる地サイダー(青森の「豪石(ごうじゃく)!サイダー」など)もあり、楽しみは増える一方です(こばりんさん)


 まだ小学生だったころ、母の実家に行く途中、小倉城の遊園地で遊んだことがある。そこの売店で飲んだのが「Kokura Cola」。コカコーラそっくりの瓶に入っていて、早口で言うとコカコーラと聞こえたのであった。

 謎の隊員梵ちゃん、早口で 「コクラコーラ」「コクコーラ」「コカコーラ」!

 コーラが市場に出回り始めた時期ではなかったかと記憶する。飲んだ感想は「せんじ薬んごたる(「ごたる」は「如くある」=せんじ薬みたい)」であった。

デスク 薬っぽいといえば、僕の世代は「ドクターペッパー」。

ご意見 苦いからビールは嫌い! 炭酸がキツイからコーラも一口ぐらいしか飲めない!
 で、あまり炭酸飲料を飲まない私ですが、我が家の冷蔵庫にはだいたいコーラかサイダーが入っています。理由は主人が好きだから。ご飯にはお茶、と決まっている私には理解しがたいのですが、食事中、お茶代わりにコーラなどのジュース類を飲むのです。
 晩酌されるよりは肝臓と家計にやさしいのでまあ、いいんですけどね(出産予定日まであと10日。の、ねこむすめさん)


 会社の新人が社員食堂で缶コーヒーを飲みながら定食を食べていたので注意したことがある。でも笑ってシカトされた。

 こんな飲み方があったのか。「中身」抜きね。

ご意見 「泡冷」ですね。
「ほうれい」でしょうか。「ほうれい」用紙なら日本法令。愚。
「ほうれい・ほうれい・ほー」。ヨーデル。床。
「安寿恋しや。ほうれいほ。厨子王恋しや。ほうれいほ」。板。
 少しもおもしろくないので、本題に入らせていただきます。
 すでに申しましたが、私はアルコールをあまり好みません。まったく受け付けないわけではありませんが、受け付けたとしても若干名です。「若い人千人」ではありません。「じゃっかん」です。あまり多くない量です。
 そのようにブチョウホウな私なのですが、やはりこの、夏場の湯上りなどに冷蔵庫をあさっては、その内容物をつかみだして摂取し、腰に手を当てて「ぷはぁ~」だの「うひゃ~」だの「うめぇ~」だのという奇声をあげたいという欲求は一人前にあるのでゴザイマス。
 そこで私が冷蔵庫に常備しておりますのが「ホッピー」です。麦芽発泡飲料ですが、これ自体にはアルコールを含みません。多くのかたが焼酎の「台」をこれで割るためのものと思われていることでしょうが、これ自体もなかなか風味があっておいしいものです。
 なお、首都圏にはシュールなカラーリングを身にまとったトラック、その名も「ホピトラ」が出現しておりますので、目撃した場合には珍重して下さい(てつらんたさん)


 デスク、この「愚」「床」「板」って何? ? 暗号?

デスク、目が点 ???。

 ホッピーは東京生まれのおじさん御用達飲料。甲類焼酎をこれで割るとビールに焼酎をぶちこんだ「ばくだん」に似た味になる。

 注文すると氷と焼酎(中身と呼ぶ場合が多い)、ホッピーの瓶が運ばれてくる。これを適当に調合して飲む。ただ加減が難しい。焼酎が足りなくなると「中身ちょうだい!」で追加の焼酎が出てくるが、途中でホッピーが足りなくなることがよくある。それでホッピーを追加したら、今度は焼酎がなくなってまた注文し…と際限がないのである。

 飲み屋で見ていると、ホッピーが余ってもそれだけを飲んでいる人はまずいない。残して去るか、中身を頼むかである。

ご意見 大生ビールやホッピーも捨てがたいですが、東京下町の居酒屋を愛する者にとって「チューハイ」と「ハイボール」を抜きにしては「呑み」が成立しないのでは?
 お店によってかなりの変異が見られますが、概ね下記のようなものです。
チューハイ:大き目のグラスに入れた甲類焼酎を炭酸水で割っただけ。香り付けにレモンの輪切りを浮かべる店も多い(お代わりの際も同じグラスを使い、追加していれたレモンの枚数でお勘定するお店もあったりする)。
ハイボール:スコッチウィスキーをソーダで割ったものでは「決して」なく。やはり大き目のグラスに入れた甲類焼酎に「モト」と称する梅色のシロップを少々入れた後、炭酸水で割ったもの。「モト」はお店オリジナルだったり、○同酒精とかで業務用に販売しているものだったりバラエティに富んでいますが、全般的にやや甘めで梅酒のような香りがします。
 なお、使用する「炭酸水」は、大手メーカー製の泡立ちの細かいものよりも、東京・千葉県西部あたりのローカルメーカーの炭酸圧の高目の大粒の泡立ちのものが好まれる傾向があるようです。
 もつ焼き、煮込みの類を食べながら呑むチューハイ・ハイボールは、至福の時をもたらしてくれます(亡命名古屋人さん)


 おおこれだよ、これ。下町ハイボールは大好きである。ちょっと甘めで、のどをすいすい流れ落ちていく。この場合のもつ焼きは「たれ」かなあ。タンは塩だなあ。

 もつ煮には豆腐のでかいのが入っていると嬉しいな。コンニャクも多い方がいいな、などと午後2時に考えている私であった。

デスク感心 それで、よく飲まずにいられますね?

 またまたこんな飲み方も。

ご意見 若いころはいくらでもビールが飲めた昭和30年代生まれのおやじです。
 昨年からダイエットを強化するため週に1-2回走り始めました。おかげで脂肪にかわり筋肉が少しついてきたような気がします。
 そこで最近のビールに代わるお気に入りは「極薄カンパリソーダ」です。ご存知ハーブや薬草風味のリキュールですが、アルコール度は24度。これを氷と一緒に5倍に薄めるとビール程度ですが、さらに薄く10倍か15倍くらいにソーダ水で割ります。これをジョギング後風呂に入り乾いた喉に流し込みます。かなりの快感とおいしさを保証しますよ!
 カンパリの次はパスティスそしてその次は禁断のアブサンを試そうと思っておりますが、まだ勇気がなくてやっておりません。どなたか経験者はいますか?(山また山さん)


 カンパリソーダを飲んでいる人は山にように見てきたが、私自身は飲んだことがない。若いころからカクテルは「ロングアイランド・アイスティー」であった。NYの(本物のアメリカです)バーでこれを5杯立て続けに飲んだら、バーテンダーが「お前はアホか」みたいなことを英語で言って笑っていた。壁。

 暗号の使い方間違ってる?

デスク ??????。

ご意見 「泡の出る冷たい飲み物」だと、私はビールだけではなくサイダー(アルコール入りのいわゆるリンゴ酒)も好みます。
 たまにアルコール入りのサイダーをタップで供してくれるお店もあるようですが、私の行動範囲のせいかみんな輸入品で国産は見たことがありません。
 ソフトドリンクな地サイダー以外に、アルコール入りの地サイダーは存在するのでしょうか?(みなみ@神奈川さん)


 皆さん、知ってます? アルコール入りの地サイダー。

ご意見 生まれも育ちも栃木です。北海道、神奈川と住いを移しましたが、北海道では「ジョッキ大」、神奈川では「中ジョッキ」を聞くことが多いような気がします。「ジョッキ中」はあまり聞いたことはありません。共通することは「生」ではなく「ジョッキ」と呼ぶことでしょうか。
 私自身は下戸で全くお酒を飲めませんので、泡冷といえば幼いころ駄菓子屋さんに売っていた粉で、水に溶かすと炭酸ジュースになるというふれこみのモノくらいしか思いつきません。それを水に溶かしても炭酸風のいやな苦味しか感じられなかったので、付属のストローで粉を直接吸っていました。
 ちなみに栃木のおもてなしですが、実家及び茨城の親類宅では、食べ物がなくなったら追加で出すのが普通です。漬物、おひたし、ハム、というような、普段の食卓でだすようなものを出します。盆正月や法事のビンビールも、ダース単位で購入してお客様にそなえます。途中で足りなくなりそうだったら、誰かが買いに走ります(お名前ありません)


 大生、生中のほかに「ジョッキ大」が登場した。「遊水池」さんによると大阪では「ダイナマ」。静岡出張中のミルフォードさんの場合は「生中、生大」派とか。

 おもてなしについて書いてくださってありがとうございます。

 南半球。

ご意見 どうもオーストラリアには「きんさん」といわれる同人がいらっしゃるらしい。私が「さんさん」なので「きんさん・さんさん」でコンビを組んで…断られるなぁ、こりゃぁ。
 きんさんが言われたように駅弁については当地からはひと言も申し上げられることはない。しかし久しぶりに出番が回って来た。ビールである。
 一度酒税を払った焼酎を使った果実酒でもペンションのお客に出すのはまかりならん…とおっしゃるお固いニホンの税務署と違って、当地では「売っちゃぁいけませんよー。それに蒸留酒作るのは勘弁してねー」というだけでビールやワインは作り放題、飲み放題。
 甘酒作るより手軽にビールの素が$9ぐらいでスーパーの棚に並んでいる。この素を買って来て22リットルほどの水に溶かして砂糖を足し、酵母を入れてほっておけば2週間後には立派なビールの出来上がり。
 味? 味はいろいろな種類のビールの素が売られているが、どれもバドワイザーの反対の極にある…と申し上げてよかろう。つまりコシがある。腰が重いと申し上げてもいいくらいコクがあるの だ。
 もう10年以上買ったビールは我が家で飲んだことがない(オーストラリアのさんさん)


 いいなあ、豪州。ビールがただ同然で自家醸造できるなんて。

 デスクは豪州ビールとは反対に腰だけは軽い。

デスクスキップ るんるん♪

ご意見 前回、「筋金抜けた熊本県人」さんがお尋ねの「ドライカレー弁当」は、山陽本線柳井駅(山口県)で販売されていました。残念ながら大分前に同駅での駅弁販売は行われなくなり、私及び知人にはこれを食べた経験はありません。
 私がこの弁当に初めて接したのは、昭和38年ごろ家にあった時刻表下欄外の駅弁案内でした。記載されていた全ての弁当の中で最も廉価(80円)であったように記憶しています(「その他同趣旨のメール多数」で結構ですさん)


 しかし、よく覚えていましたね。しかも値段まで。食べたことがなくてここまで覚えているとはすごい。

 紹介しきれなかった駅弁メールがたくさん残ってしまった。申し訳ないことである。

 写真だけ掲載する。


 来週辺り、大阪に行くことになるだろう。ある有名な浪曲に登場する食べ物がどんなものであったかを調べに行くのである。森の石松の「すし食いねえ」の「すし」である。なぜ大阪かって? それは新聞に書くので読んでね。

 引き続き「泡冷」メールを待つ。

 ではまた来週。

(特別編集委員 野瀬泰申)