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  アトピー性皮膚炎のお子さんの皮膚は、皮膚という身体を守るしくみが壊れかかっている状態です。
  人間、地上で干からびずに生きていたり、時間が経っても(冷蔵庫に入って無くても)腐ったりせず生きていたりするのは、この巧妙なしくみを持った「皮膚」がバリアになってくれているからです。


  アトピー性皮膚炎のお子さんの皮膚をわかりやすくデフォルメすれば、普通の皮膚がボール(調理器具)だとしたら、アトピーの子は同じ形をしたザルだと思ってください。
  お皿に水を溜めることはできても、ザルに入れた水はジャバジャバ出て行ってしまいますね。アトピーのこの皮膚は水分保持ができないのです。
  そうすると、そのバリアの下が乾燥し、その異常を伝えるために「痛み物質」が出てきます。弱い痛みは「かゆみ」として判断され、皮膚がかゆく感じるのです。
  また、乾燥は他の不都合もたくさん生じます。

それらが重なって、痛痒くなったり、赤くなったり、ブツブツしたりするのです。


 
アトピー性皮膚炎に用いる外用薬で、ステロイド剤を必要以上に怖がったり、嫌ったりするのは、日本のお母さんたちに多い傾向の間違いです。

 保湿剤としてよく処方される「プロペト」は「白色ワセリン」といわれるものの商品名で、言ってみれば、添加物の無い「油分」だと思ってください。
 
  皮膚を覆っているバリアに一番近い環境にできるのは、実は「食品ラップ」です。でも、全身にラップを巻いて生活するわけにはいかないし、皮膚呼吸もあるので、代わりに油分でフタをするといいのですね。それが「プロペト=ワセリン」の役割です。

 ではステロイドは?
 
  ステロイドはアトピー性体質の根本であるアレルギー性(過敏性)による炎症を抑える薬です。
  外用薬は、医師の指示を守った使い方をして、必要な時期に見直しをしてこまめに管理すれば、非常に安心度の高いものです。
(内服や注射のステロイドは、これとは違って、副作用が多いのですが、それでもどうしても使わないといけない病気も多いです)

 よく、塗り薬が皮膚から吸収されて・・・と心配する声がありますが、赤みの強い場所に限定すること、1日2~3回などの回数指示を(お風呂で洗い流した利したら別)守ること、先述のとおりこまめに強さや非ステロイド外用薬とのバランスを調整するようにすることなどを守っている限り、副作用が起きるほど吸収できません。大丈夫です。

 赤ちゃんのアトピー性皮膚炎などでよく処方されるキンダベートはそれほど強くないステロイドですし、それを赤みの強いところ、痒いときなどに限定的に使うと、非常に良いお薬です。

 ちなみに、炎症というのは、痛みもかゆみも赤みも、放っておくとひどくなります。痛いと炎症を助長する痛み物質が放出され、それがさらに痛みを呼びます。かゆみも赤みも同様です。ですから、炎症を抑えること、つまり、痒くしないこと、痛くしないことは、それ自体がかゆみや痛みを抑えるのです。

 夏場は汗をかくので、汗の刺激がかゆみを誘発しやすく、ひどくなるお子さんが多いです。対処法としては、こまめにシャワー(ぬるま湯)で汗を流す(石鹸は1日1回で十分、それ以上使うと使いすぎで乾燥する)こと、流した後、身体を拭くときに体をこすらないでポンポン軽くはたくようにして吸水性の良いもので「吸い取る」様に拭くこと、拭いたら3分以内を目標に、すぐ保湿すること(ただし、これもゴシゴシつけない!!、つけるときの肌を撫でる刺激で痒くなることがあるので、母の掌に伸ばしてそっと押さえるように少し撫でてつけること(母の顔の化粧水やクリームもそうやってつけるでしょう?)、ワセリンが使いにくければ、軟膏やクリームを使ってもいいですが、それらに含まれる水分が蒸発するときに乾燥を誘うこともあるので、どれがいいかは使いながら一番合うものを慎重に選んでください。

 そして、痒いときにはかゆみを抑えること。(キンダベートを塗るほかに、かゆみ止めを飲む方法もあります。寝るときだけ抗ヒスタミン剤=かゆみ止め、鼻水止めのくすりを飲ませる方法もあります)

 また、環境調整も大切で、節電の夏ですが、エアコンでせめて除湿をして、汗をかきにくい環境で過ごすとよいです。赤ちゃんは寝ながら、たくさん汗をかくので、少し注意して、風邪を引かない程度に涼しくしてやりましょう。

 このような詳しい説明をしてくれる小児科医は必ずいます。そういう方をお探しになって、医師ともアトピーとも上手に付き合っていくのが良いと思います。

涼しくなったら少し良くなると思いますので、あと少し、暑い夏を乗り切ってください。

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